人にも環境にもやさしい重曹とクエン酸とセスキ炭酸ソーダ。アウトドアで激しく汚れた焚き火テーブルとキャンプケトルの掃除に使い、その効果を検証してみました。
重曹に少量の水を加えて練った重曹ペーストはスス汚れの研磨に効果大。油汚れにはセスキ、水アカにはクエン酸。酸性とアルカリ性をうまく使い分けるコツを紹介します。
この記事の目次
環境にやさしい洗剤
小学校や中学校の理科で習う「酸性」と「アルカリ性」。汚れと洗剤がそれぞれ酸性かアルカリ性か理解すると、適切な洗剤を選ぶ助けになります。
アルカリ性の汚れには酸性の洗剤、酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤が鉄板です。今回は100均でも手に入れることができるクエン酸、重曹、セスキ炭酸ソーダで実験。
弱酸性のクエン酸
- 水に溶けやすく扱いやすい
- 水溶液は弱い酸性
- シンクやトイレの掃除に大活躍
クエン酸の特徴は上記の通り。レモンなどの柑橘類に含まれており、ペロッと粉末を舐めると強烈な酸っぱさを感じます。鉄のキャンプ道具に使うと錆びることがあります。
弱アルカリ性の重曹
- 少量の水を加えて練るとペースト状になる
- 水溶液は弱いアルカリ性
- クレンザーのように研磨できる
重曹の特徴は上記の通り。チタンやステンレスには重曹が安心。水に溶かして沸騰させると炭酸ナトリウム水溶液に変化し、より強いアルカリ性を示します。
セスキ炭酸ソーダ
- 重曹よりアルカリ性が強く洗浄力が高い
- 水に溶けやすく洗濯にも使える
- 重曹のような研磨効果はない
セスキ炭酸ソーダの特徴は上記の通り。激落ちくんはアルカリ電解水+セスキ炭酸ソーダなのでさらに強力。アルミのキャンプ道具に使うと変色するため要注意。
キャンプ道具をキレイにする
焚き火テーブルの汚れを取る
まずは環境にやさしい重曹とクエン酸がどの程度効果があるか、購入から5年以上経過したユニフレームの焚き火テーブルで試してみました。素材はステンレス。
左半分が重曹、右半分がクエン酸です。それぞれの粉の上に水をかけて15分ほど放置し、水に浸したメラミンスポンジ(激落ちくん)で5分ほどゴシゴシ。
ステンレスの黒ずみは重曹の圧勝
結果は一目瞭然。左半分の汚れやくすみがほとんど取れた一方、右半分は表面の汚れこそ多少取れたものの黒ずみはあまり変わらず。重曹の洗浄効果にビックリ。
クエン酸は効果がなく、残った黒ずみはその後セスキ炭酸ソーダでもあまりキレイになりませんでした。ざらざらした重曹ペーストが効果を発揮したようです。
重曹とクエン酸を混ぜると泡立つ
焚き火テーブルを掃除したとき、重曹とクエン酸の境目部分が泡立ちました。重曹とクエン酸を混ぜて水を加えると激しく発泡します。炭酸水の泡と同じ二酸化炭素です。
キャンプケトルの汚れを取る
焚き火テーブルで重曹とクエン酸の特性をある程度理解できたので、キャンプ道具の中でもトップクラスに汚れが目立つユニフレームのキャンプケトルの掃除に挑戦。
水洗いでは全く取れず、石鹸や亀の子だわしでも取り切れない頑固な汚れ。ファイヤーハンガーで焚き火の上に吊るされ、表面は煤まみれになっています。
ケトル外側の汚れには重曹ペースト
キャンプケトルも焚き火テーブルと同じステンレス製。重曹に少量の水を加えた重曹ペーストを塗りたくり、水に浸したメラミンスポンジでひたすらゴシゴシ。
クレンザーのような研磨効果が働き、ピカピカになりました。さらに汚れを落とすときは、大鍋で重曹水を沸騰させ、その中にケトルを入れて煮込むのが正解。
ケトル内側のカルキにはクエン酸
キャンプケトルの内側にはアルカリ性のカルキ汚れが付着しており、スポンジで洗ってもキレイになりませんでした。電気ケトルと同じく、クエン酸の出番です。
ケトルに半分ほど水を入れ、クエン酸を入れてかき混ぜ、沸騰させたら2時間ほど放置。あとは水洗いして再び真水を沸騰させれば、においも取れて掃除完了。
まとめ
お財布にもやさしいクエン酸と重曹とセスキ炭酸ソーダ。キャンプ道具の油汚れやスス汚れを落とすとき、洗剤の使い分けは以下の4つを覚えておくと安心です。
- 研磨効果を期待するなら重曹ペースト
- 鉄・ステンレス・チタンには重曹かセスキ
- アルミ・銅に重曹とセスキはNG
- 水アカやカルキ汚れにはクエン酸
キッチンまわりや窓ガラスなど、セスキはとにかく万能な印象。タンク一体型の石油ストーブ「アルパカストーブ」をオーバーホールしたときも汚れがキレイに落ちました。