ニコンZマウントの高倍率ズームレンズ「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」と標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」をキャンプで撮り比べてみました。
ニコン伝統の24-120mmがミラーレス一眼に対応し、光学性能が大幅アップ。これ一本で大抵のキャンプシーンを撮れ、発売後しばらく入手困難になっているのも納得。
ただ、素人の自分には明るい屋外で使う限り、写りに大きな差は感じられず。便利な高倍率ズーム+夜間用の明るい単焦点レンズの組み合わせも悪くないと感じました。
この記事の目次
Z24-120mm vs Z24-200mm
会社帰りに立ち寄った家電量販店でニコンZマウントの新型ズームレンズ「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」を試していると、なんと1本だけ店頭在庫があるとのこと。
予約していた方が一向に取りに来ないため、もしお求めならお譲りしますよ…とフロア責任者の悪魔の囁きがあり、夏のボーナスをあてに即決してしまいました(笑)
NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
広角24mmから望遠200mmまでと幅広いシーンをカバーし、5.0段の高い手ブレ補正効果を発揮するレンズシフト方式VR機構を搭載。高倍率ズームレンズにもかかわらず小型軽量で約570gと軽く、機動力を確保しながらさまざまなシーンを撮影したい旅行などに最適な1本です。
出典:NIKON
高倍率ズーム=便利だけど写りはイマイチ、という常識を覆したZ24-200mm。前年秋のアサマ狼煙2021から旅行やキャンプ、学校行事などで愛用しています。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
至近から無限遠まで軸上色収差を効果的に補正。ピント面前後の色にじみを抑制し、絞り開放からの高い解像感を際立てます。さらにナノクリスタルコートとアルネオコートが、高い逆光耐性を実現。最大撮影倍率も0.39倍と高く、またマルチフォーカス方式の採用で優れた近距離性能を達成しており、花や虫などのクローズアップ撮影も高画質で楽しめます。
出典:NIKON
今回入手したZ24-120mmはF4通しの小三元標準ズームレンズ。その登場を待ちわびておりました。上の写真はゆるキャン△聖地「浩庵キャンプ場」で撮ったもの。
左の広角端から右の望遠端まで、キャンプで風景やスナップを撮影するには十分なズームレンジと感じます。120mmあれば圧縮効果もそれなりに出るかと思います。
Z24-120とZ24-200のサイズ比較
Z24-120mmとZ24-200mmの大きさを比較してみました。上の写真左が広角端でそれぞれ24mm、上の写真右が望遠端で120mm f4と200mm f6.3です。
Z24-120mmのほうがひとまわり太くて重め。レンズ先端に純正フードをつけた状態だと広角端ではZ24-120mmがやや長く、望遠端ではほぼ同じ長さでした。
Z24-120mmにはファンクションボタンが1つ、Z24-200mmにはズームロックスイッチが付いています。それぞれフィルター径は77mmと67mmです。
Z24-120のボケは使いやすい
Z24-120mmのボケ感をスナップで確認してみました。上の写真は焦点距離98mm、開放F4.0で撮ったもの。被写体が立体的に浮かび上がって撮れていると感じます。
F4.0はそれほど明るくはないのですが、さすがに100mm近くなるとボケも十分。ボトルの目盛りやお米の粒は解像感高く、後ボケは十分滑らかではないでしょうか。
Z24-200mmはF8固定で使うことが多く、ボケを求めるレンズではありませんでした。Z24-120mmであれば120mm F4が使えるためボケを活かした表現もできますね。
Z24-120の色収差をチェック
キャンプにおいては明暗差の激しい木漏れ日で色収差が目立つことがあります。特に明るい単焦点だとパープルフリンジが出たりするのですが、Z24-120mmは問題なさそう。
ogawaヴィガスにサイドウォールがなくて雨キャンプのとき困るんだよな…と思って撮った何気ないスナップ。右上の葉っぱあたりを見ても色収差は気になりませんでした。
寄れるレンズと寄れないレンズ
日中は便利なZ24-200mm、夜間は明るいZ50mm f1.8という組み合わせが鉄板だったのですが、どちらも被写体にあまり近づけず、テーブルフォトも微妙に撮りにくい。
一方でZ24-120mmは寄れるレンズです。撮影倍率0.39倍はハーフマクロに近い拡大率。本格的なマクロレンズには敵わないですが、十分なクローズアップ性能です。
Z24-120はフォーカスリングあり
Z24-120mmには独立したフォーカスリングが付いており、例えばNIKON Z6だと「a13:AF設定時のフォーカスリング操作」というカスタムメニューが現れます。
この設定を無効化すれば、フォーカスリングを回してもマニュアルフォーカスに切り替わりません。半押しAFレンズ駆動OFFやコントロールリング無効化と共に使うと便利です。
Z24-120のキャンプでの作例
Z24-120mmを湖畔キャンプ(浩庵キャンプ場、菖蒲ヶ浜キャンプ村)で使ってみた作例です。テント前でも広角端と望遠端がどの程度変わるか撮ってみました。
ソロキャンプだと料理は超適当。タフまるジュニアにちびパンを乗せて、ソーセージを焼いてスクーでいただきます。座った位置からそのまま撮れる便利なレンズ。
湖畔の緑とのコントラストが美しく、ミニバンのCMっぽいので撮ってみました。菖蒲ヶ浜キャンプ村はクルマ乗り入れ禁止なので、関係者の方のセレナかもしれません。
スノーピークのポイントギフトで久しぶりに欲しいと思ったオフトンのサコッシュ(スマホケース)。2つあれば連結できるようです。逆光気味なのでフラッシュ焚いてみました。
湖畔サイトに滞在していると、時々遊覧船らしき船が通りがかります。望遠端の120mmで撮るとトリミングなしでもそれなりに大きく写せ、とてもよく解像してます。
湖畔でソロキャンプ。MSRのアジャスタブルポールが短すぎてフロントパネルの跳ね上げが低すぎですが、景色を遮るほどではなく、のんびり過ごせました。
Z24-120は欠点の少ない小三元
Z24-120mmの光学性能については、いつも参考にさせていただいているカメラ部TVさんのYouTubeに詳しく紹介されていました。とてもわかりやすい動画です。
光学性能も追求し、ED非球面レンズ1枚、EDレンズ2枚、非球面レンズ2枚を採用。画像の中心から周辺までシャープな描写がズーム全域で得られます。アルネオコートの採用でレンズ面に垂直に入射する光に起因したゴーストやフレアを低減します。
出典:NIKON
まとめ
- これ一本で大抵撮れるズーム域
- テーブルフォトが楽に撮れるほど寄れる
- ズームしても絞りが一定
- ボケの質感が良くて扱いやすい
- 色収差が目立ちにくい
- コントロールリングの重さが誤操作しにくい
- 50mm前後の解像度が特に高い
- ズームリングが重すぎて扱いにくい
- ファンクションボタンの使い道がない
- フロントヘビーになるためジンバルのバランス取りが面倒
- 逆光性能はZ24-70mm f4ほど鬼耐性ではない
- 発売直後のため入手困難
Nikon 標準ズームレンズ NIKKOR Z 24-120mm f/4 S Zマウント フルサイズ対応 Sライン NZ24-120 ニコン ブラ...
- 日中屋外は大抵1本で撮れるズームレンジ
- プロではない自分には大きな不満のない写り
- ズームリングが軽くて扱いやすい
- レンズ内手ぶれ補正が付いている
- 発売からしばらく経ち入手しやすい
- 絞りが可変でf4を使える焦点域はごくわずか
- 寄れないからテーブルフォトが撮りにくい
- AF/MFスイッチやVRスイッチがない
Nikon 高倍率ズームレンズ NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR Zマウント フルサイズ対応 NZ24-200