夏は濃い天の川、冬はオリオン座や冬の大三角。星空に風景を加えた星景写真は天体写真よりも手軽に撮れるため、初心者にも人気の撮影対象となっています。
ただ、それなりの星景写真を撮ろうとするとカメラとレンズだけで20万円以上は必要。予算15万円かつ新品で揃える条件で2021年秋時点のおすすめをご紹介します。
VLOGにも使えるカメラとレンズ、軽くて便利なカーボン三脚、フィルターやヒーターまでしっかり揃えられます。感動的な星景写真、ぜひ挑戦してみてください!
この記事の目次
予算15万円で揃える撮影機材
機材 | 製品名 | 参考価格 |
---|---|---|
カメラ | SONY VLOGCAM ZV-E10 | 約71,000円 |
レンズ | SAMYANG AF 12mm F2 E | 約47,000円 |
フィルター | Kenko プロソフトンクリア 62mm | 約4,500円 |
フィルター | Kenko スターリーナイト 62mm | 約5,500円 |
ヒーター | COOWOO レンズヒーター | 約2,000円 |
三脚 | NATIONAL GEOGRAPHIC カーボン5段 | 約14,000円 |
合計 | 約144,000円 |
メモリーカードとモバイルバッテリーは市販のものを別途ご用意ください。品薄のためレンズの実売価格が高騰気味です。参考価格を目安にしてみてください。
予算10万と予算15万の大きな違い
1年半ほど前に作成した「予算10万円以内で揃える撮影機材」では、型落ちのカメラに電子接点なしのマニュアルレンズ、三脚は残金で買えるものとしていました。
実は予算10万円だと1年半経った今でも状況はあまり変わっていません。しかし予算15万円だとSONY ZV-E10やSAMYANG AF 12mmの発売で劇的に状況が変わりました。
SONY VLOGCAM ZV-E10
photo by SONY
まずはデジカメ本体。新品で総額15万円以内だとフルサイズセンサー搭載機は選択肢がほとんどなく、比較的手頃なAPS-Cセンサー搭載機から選びました。
筆頭候補は2021年秋の新モデル「SONY VLOGCAM ZV-E10」。発売されたばかりのレンズ交換式ミラーレス一眼、戦略的な価格設定で売れに売れまくっています。
- ミラーレス一眼はコンパクトで持ち運びやすい
- カメラもレンズも軽量だから三脚も軽くて済む
- ソニーEマウントは社外品を含め交換レンズが豊富
ZV-E10は動画撮影メインのVLOGCAMですが、もちろん写真撮影もできます。USB給電やインターバルタイマーなど星空撮影に役立つ機能もしっかり搭載されています。
SAMYANG AF 12mm F2 E
photo by ケンコー・トキナー
星景写真に用いられるレンズは一般的に高価…そんな常識を覆し続けているのが韓国サムヤンの単焦点レンズ群。特にミラーレス専用の「MF 12mm F2」がコスパ抜群。
さらに2021年6月、ソニーEマウントに対応した超広角単焦点レンズ「AF 12mm F2 E」が発売されました。オートフォーカスを搭載し、さらに使いやすくなっています。
SAMYANGのベストセラー「MF 12mm F2」にオートフォーカスを採用!35mm換算で18mm相当の超広角領域かつ暗い環境でもシャッタースピードを確保できる開放F値2の明るさで、星景・夜景撮影等に最適です。
- 換算18mm相当の超広角
- 開放絞りf2.0と明るい
- 約213gと軽量コンパクト
- 電子接点あり(EXIFに記録される)
- MF版よりフィルター径が小さい
- 防塵・防滴に配慮
星空撮影の大敵である非点収差やコマ収差が比較的抑えられています。富士フイルムXマウントでMF版を使っていますが、価格や写りに大きな不満はないです。
Kenko プロソフトンクリア 62mm
photo by ケンコー・トキナー
肉眼で見える星空とカメラで撮った星空、なんとなく星座の見え方が違う…そんなときは意図的に写真をにじませる効果がある「ソフトフィルター」の出番です。
星空写真の定番フィルター「プロソフトン(A)」の約半分にあたるソフト効果が得られます。明るい星をにじませつつも、風景へのソフト効果を最小限に抑えているので、星景写真で風景はクリアに写したい時に最適です。
プロソフトンクリアを付けると明るい星は大きく、暗い星は目立たなく撮れるため、肉眼で見た印象に近くなります。しかも景色は柔らかくならない絶妙なバランス。
Kenko スターリーナイト 62mm
photo by ケンコー・トキナー
日本国内は街明かりによる影響(光害)を強く受けるため、光害カットフィルター「スターリーナイト」を使うと、より見栄えの良い星景写真を撮ることができます。
スターリーナイトは使用するレンズの焦点距離に制限が無く、広角レンズでも色転びが発生しないため星景写真に最適です。また夜景の撮影や、後加工が難しいタイムラプス撮影にも威力を発揮します。
超広角レンズはレンズ前面にフィルターを付けることができない出目金レンズが多いのですが、SAMYANG AF 12mm F2は62mmの各種フィルターを取り付け可能です。
COOWOO レンズヒーター
photo by Amazon
レンズの先端側に「レンズヒーター」を巻くことでレンズ表面に付着する結露を防ぐことができます。モバイルバッテリーにUSBケーブルを接続するタイプが一般的です。
特に秋から冬にかけては、レンズヒーターなしだと短時間で結露してしまいます。毎回レンズを拭いても良いのですが、少ない投資で対応できるので1つ持っていると便利かと。
ナショジオ カーボン5段 三脚
photo by Amazon
天体撮影はごくわずかな振動すらブレの原因となるため、太いカーボンを使った5万円以上する三脚が好まれますが、超広角の星景写真ならそこまでの強度は必要なし。
ただ、カメラやレンズにしっかりしたものを選んだので、土台となる三脚にもそれ相応の製品を当てたいと思います。選んだのはナショナルジオグラフィックの三脚。
カーボン5段・耐荷重8kg・アルカスイス互換というハイスペックに対して値段が安く、某有名メーカーのOEMではないかと囁かれている製品(あくまでも噂)です。
まとめ
予算15万円で一式揃えるカメラやレンズを紹介しました。星空撮影にはフルサイズが必須という意見もありますが、上の写真程度あればAPS-Cでも十分撮れます。
さらに上を目指すとなると倍以上の費用(と膨大な労力)がかかるため、取っ掛かりとしては予算15万円の撮影機材で十分だと考えています。ご参考になれば幸いです。
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