茨城の人気キャンプ場「大子広域公園オートキャンプ場グリンヴィラ」。福島との県境に近く、街明かりの少ない大子町から眺める星空は見応えがあります。
しかし、設備の整った高規格キャンプ場ゆえ、誰もが安心して快適に過ごせるよう場内は夜でも明るく、これまでの星空撮影では撮れ高がややイマイチでした。
2022年春に滞在した日は夕方から曇り空。就寝前に20分間ほど雲が晴れたため、西の空に沈みゆくオリオン座と壊れかけのテントを星景写真に収めてみました。
Flickr西の空に沈む冬の大三角と壊れかけのテント
この記事の目次
グリンヴィラで星空撮影
2020年12月の冬キャンプ以来となる大子広域公園オートキャンプ場グリンヴィラ(以下、グリンヴィラ)。管理棟近くの個別サイト(区画サイト)が今回の撮影現場です。
月齢3の三日月が沈んだ夜
この日は昼間こそ快晴だったものの、夕方から雲に覆われてしまい、あまり星は見えず。気温は約3度でほぼ無風、月齢3の三日月は20時過ぎに西の空に沈んでいます。
久しぶりに家族4人でのテント泊だったため、設営時に気合いが入りすぎて2ルームテントのサイドパネルが壊れ、段ボールと養生テープでなんとか補修した状態(笑)
分厚い雲が徐々に晴れて星が見える
寝る前にトイレに行っておこうかとテントの外に出ると、分厚い雲に覆われていた夜空が一変。急いでカメラ・レンズ・フィルター・三脚をセットし撮影スタート。
とはいえアウトドア初心者に優しい高規格キャンプ場特有の明るさで、星空撮影には不向きな照明が多く、テントの周りをあれこれ移動しながら試撮の繰り返し。
北斗七星も低空にあればテントと一緒に撮影できるのですが、やや高い位置にありテントの上部がわずかに写る程度。これでは星景写真の前景としてはイマイチorz
ピント合わせに大失敗したボツ写真
本来は星空と前景を別々に撮って合成するのがベストですが、暗闇に目が慣れる前に慌てて操作したら、どちらにもピントが合ってないボツ写真が撮れてしまった(苦笑)
場所を移動しながら撮影するとき、星空のピント位置はカメラ本体の設定を変えた上で「MFで無限遠に合わせたらAFに切り替え」する方式が本当に使いやすいと感じます。
レンズのリア側にLEE No.1をセット
- カメラ:NIKON Z6
- レンズ:NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
- 三脚・雲台:SIRUI N-2204SK&K-20X
- 光害カット:Kenko スターリーナイト
- ソフトフィルター:LEE Soft No.1(リア側)
この日は撮影できる時間が約20分と限られていたため、ポータブル赤道儀やレンズヒーターは使用せず、無限遠にピントを合わせてセルフタイマーで1枚撮りしています。
普段はフロント側にプロソフトンクリアを付けていますが、今回はリア側にソフトフィルターを入れています。やはりリア側だと周辺部の星が伸びなくて良いですね!
テントと星空を1枚に収めるコツ
- テント内のLEDランタンは最小の明るさにする(それでも明るい場合はタオルなどで包んで光量を落とす)
- 高度が低い星空・星座を探してテントとの位置関係を探る(被写体の高度次第ではテントと一緒に写らないので)
- ソフトフィルターはなるべく効果の弱いものを選ぶ(プロソフトンクリアやLEE Soft No.1など)
キャンプ場で星空を撮るとき注意しているポイントは上記3点です。上の写真左がルーメナーを使った状態、右がたねほおずきの一番暗い状態。左は白飛び寸前ですね。
まとめ
- 焦点距離:20mm
- 絞り値:f2.0
- シャッタースピード:10秒
- ISO感度:2000
シャッタースピード10秒は普段よりやや短め。前景の白飛びを防ぐため、固定撮影にしてはかなり低感度な時点で、高規格キャンプ場内の明るさをお察しください…
俗にいう200ルールに適合させたため、星の流れはほぼ気にならず。今回は一部写真にDxO PureRAW 2を使いました。画像処理はLightroomで軽くしたのみ。
過去20回以上来ているグリンヴィラで、ようやくテント星景を撮れました。近隣サイトに明るいランタンがなく、低空にオリオン座があり、短時間でも十分楽しめました。
受験やコロナ禍で出かける機会が減り、だるま山高原レストハウスを最後に星空撮影へ出かけておらず、現在はキャンプのとき数枚撮る程度に細く長く活動しています。