富士フイルムのAPS-Cミラーレス一眼「X-S10」と望遠ズームレンズ「XF70-300mm F4-5.6 R LM OIS WR」で中秋の名月(十五夜の月)を撮影してみました。
月を撮ったことがなく、ポータブル赤道儀や天体望遠鏡を使わずともオートフォーカスで簡単に撮れることを初めて知りました。超望遠の世界、やみつきになりそう!
中秋の名月を初撮影
2021年9月21日は旧暦の8月15日、いわゆる中秋の名月。十五夜が満月になるのは8年ぶりとのことです。中秋の名月の前々日から三夜連続で月を撮ってみました。
満月を撮るための撮影機材
今回は超望遠域を手軽に撮れるカメラとレンズを使いました。テレ端の焦点距離300mmは35mm判換算で457mm相当。千葉県の自宅から見る東京スカイツリーが大きい!
- カメラ:Fujifilm X-S10
- レンズ:XF70-300mm F4-5.6 R LM OIS WR
- 三脚(固定撮影):SIRUI T-1205SK
- 三脚(追尾撮影):Leofoto LS-323C
- ポータブル赤道儀:Vixen ポラリエ
9月19日 練習1回目 追尾撮影
中秋の名月を撮影したきっかけは、小学校の宿題。1人1台配布されているノートパソコンの背面カメラで月を撮って提出する必要があり、その付き添いをしていました。
ついでに自分も撮ってみるかと撮影準備。月の撮り方はさっぱりわからないけど、そういえばポラリエのダイヤルに月のマークがあったような…よし、使ってみよう。
【太陽追尾モード/月追尾モード】太陽と月は、見かけ上、星の日周運動と異なる速さで運動しているため、別に設けたモードです。撮影目的に応じてご使用ください。
出典:ビクセン「ポラリエ」取扱説明書
赤道儀の月追尾モードを使ってみる
自宅周辺だとあまりに明るく、ポラリエの覗き穴に北極星を入れたくても自分には無理でした。ポーラメーターで簡易的な極軸合わせをし、月追尾モードで撮影開始。
開放から1段絞って絞り優先オート(f8、ISO160)で撮ろうとするとシャッタースピードが1/160秒とか日中並みになってる…もしかして月って追尾不要なのか?
9月20日 練習2回目 固定撮影
前日の経験を踏まえ、普通に三脚を立てても撮れるんじゃないか説があり、三脚も軽量なものに変えてみました。さすがに開放絞りで撮ると解像感が落ちているような。
前日よりもさらに満月に近くなり、固定撮影しても前日の追尾撮影と大きな差は感じられませんでした。そもそも日中並みの短時間露光なので当然と言えば当然ですが。
ある程度オートフォーカスも効くし、満月は望遠レンズさえあれば簡単に撮れてしまうのかも?広角レンズで撮る星景写真とは全く分野が異なるので、色々初体験で興味深いです。
9月21日 本番 中秋の名月(満月)
中秋の名月の天気予報は曇り、特に太平洋側の天候がイマイチ。会社から帰宅後、ベランダに三脚を立てて撮ってみました。APS-Cは望遠が得意だなと改めて感じました。
35mm換算で2,000mm程度の焦点距離だとトリミング不要になるようです。天体望遠鏡も気になりますが、NIKON P950の評判が良くてかなり気になっています。
まとめ
- 満月は明るいため日中並みの光量を得られる
- 街明かりがあっても問題なく撮れる
- 安価な望遠レンズでもトリミングすれば問題なし
- 天体望遠鏡やポータブル赤道儀はなくても良い
はじめて月を撮ってみて、次は何か印象的な前景を入れてみたいと思いました。さらに上を目指す場合はシーイングを意識したり、天体望遠鏡を使ったりするんでしょうね。
透明度が高いとシーイングが悪い
「雲がない」=「上空で強い風が吹いている」ということになり、大気が安定せずシーイングが悪くなる。従って、冬などのよく晴れた日はきれいな空ではあるが、シーイングは軒並み悪い。また、冬によく星が瞬くのはこのためである。
星景写真メインの自分としては空気の澄んだ冬が撮影に最適なのですが、Wikipediaによると天体観測的には逆に冬はイマイチとか。また1つ勉強になりました。