赤道儀を用いた星空撮影用の三脚として「Leofoto LS-323C」を購入しました。一言でいうと、自分の用途に限れば「神三脚」。コストパフォーマンスも抜群です。
実物を見ずにカタログスペックやクチコミを信じてポチりましたが、あまりの使い勝手の良さに、珍しくユーザーレビューを投稿してしまうほど気に入りました!
星景写真撮影や星野写真撮影に必要な要素が詰まった素晴らしい三脚です。ポータブル赤道儀と重めの撮影機材を載せても安定感があります。少ない段数、センターポールなし、十分な太さ、使いやすい高さ、カーボンの軽さが絶妙なバランスだと感じます。唯一の欠点とも言える持ち運び時の長ささえ許容できれば、手放しでおすすめできる「神三脚」です。
この記事の目次
Leofoto LS-323C
Leofoto(レオフォト)は三脚や雲台を開発する中国のカメラ関連機器メーカー。数年前に日本でも販売が始まり、現在は家電量販店やネットストアでも取り扱いがあります。
名前こそ知っていましたが、これまで商品を購入したことはありませんでした。ただ、撮影地でレオフォトの三脚を時々見かけるようになり、密かに気になっていました。
カーボン三脚「LS-323C」のスペック
- 材質/段数:10層カーボン3段
- パイプ径1段目:32mm
- パイプ径2段目:28mm
- パイプ径3段目:25mm
- 収納高:650mm
- 全伸長:1,835mm
- 伸長:1,520mm
- 最低高:95mm
- 耐荷重:20kg
- 重量:1,480g(実測)
今回購入したLeofoto LS-323Cは「レンジャーシリーズ」に属する太さ32mmのカーボン三脚。正規代理店のワイドトレードで購入しました。雲台は付属せず脚部分のみです。
伸長152cmはEVFが目線を超える
LS-323Cはセンターポールを使わずに3本の脚を伸ばしただけで、高さが152cmもあります。少ない段数(3段)でも十分な高さを実現できているかと思います。
自由雲台「SIRUI K-10X」にカメラをセットすると、なんとファインダーが目線(身長175cmの自分の場合)を超えてしまい、覗くことができませんでした。
自由雲台や極軸微動雲台と相性が良い
つまり実用上、3段とも最大まで伸ばす機会は多くないと思われます。星空撮影時に安定感を最重視するなら、全く伸ばさずに使うか、2段目だけ伸ばす程度になりそうです。
雲台のない状態だと収納袋に少し余裕があります。SIRUI K-10XやVixen極軸微動雲台を付けたまま入れても問題なく、少し大きめのSIRUI K-20Xでギリギリでした。
地面すれすれまでカメラを下げられる
Leofoto LS-323Cは最低地上高が10cm以下になるほど低くできるのも魅力の1つ。自由雲台を取り付けた状態でセンサーの中心が地面から約20cmまで下げられます。
さすがに一杯まで開脚すると場所は取りますが、かなり安定感があります。普段とは異なるローアングルで撮れ、チルト液晶やバリアングルモニターとも相性が良いです。
赤道儀や撮影機材を載せても安定
高さのある三脚は、ポータブル赤道儀で極軸合わせをするには好都合。無理のない姿勢で北極星を覗き穴に入れることができます。以下の機材を載せても安定しています。
- 極軸微動雲台
- ポータブル赤道儀ポラリエ
- ポーラメーター
- マルチ雲台ベース
- スライド雲台プレートDD
- APフォトガイダー用ウェイト軸
- バランスウェイトWT 1kg
- 自由雲台 SIRUI K-10X
- フルサイズ一眼+レンズ
カタログではわからない剛性や制振性
カタログスペックではわからない剛性や制振性については、三脚を開いた状態で軽く捻ったり、指で弾いたりしてみましたが、不安を覚えることがありませんでした。
雲台を取り付ける台座には、一見すると太ネジが付いています。レオフォトの三脚はとても興味深い仕組みを採用しており、世界中の全三脚に採り入れてほしいほど。
全三脚に採用してほしいネジの仕組み
太ネジの外側を軽く押し込むと、太ネジ(3/8インチ)の内側に細ネジ(1/4インチ)が隠れており、台座が太ネジと細ネジの両方に対応しています。これはとっても便利!
ネジの太さに合わせて雲台側にアダプターを取り付けるのが一般的ですが、これならアダプターを使わずに済みます。この仕組みを採用していても、ぐらつきはありませんでした。
センターポール「DC282」が付属
LS-323Cに付属しているセンターポール「Leofoto DC282」は、パイプ径が1段目28mm、2段目25mm。実測で重量145g、最短20cm、最長32cmでした。
収納袋の外側にしまうためのポケットがあり、使うときだけ三脚にセットします。ただし、例えば10cmだけ高くしたい場合は三脚の脚で微調整する必要があります。
センターポールを使う機会は少ない
センターポールを伸ばすと振動や風に弱くなるため、わずかな揺れも許されない星空撮影では使いません。個人的には必要なときだけ後付けできれば問題ない装備なのです。
星空撮影ほどシビアではない風景撮影では、センターポール(エレベーター)を使った方が高さを微調整しやすく、必須かどうかは用途次第(ケースバイケース)ですね。
トラベル三脚「N-2204SK」と比較
三脚比較 | レオフォト LS-323C | シルイ N-2204SK | 勝者 |
---|---|---|---|
パイプ径大 | 32mm | 29.4mm | レオフォトの勝ち |
パイプ径小 | 25mm | 18.6mm | レオフォトの勝ち |
最低高 | 10cm | 17cm | レオフォトの勝ち |
全高 | 152cm | 135cm | レオフォトの勝ち |
最全高 | 183.5cm | 163cm | レオフォトの勝ち |
縮長 | 65cm | 56cm | シルイの勝ち |
逆縮長 | – | 49cm | シルイの勝ち |
重量 | 約1.5kg | 約1.7kg | レオフォトの勝ち |
搭載耐荷重 | 20kg | 15kg | レオフォトの勝ち |
実売価格 | 27,000円 | 28,000円 | レオフォトの勝ち |
これまでメイン三脚として使用してきた「SIRUI N-2204SK」と比較してみました。以前ジッツォのマウンテニア2型4段と比較した評価基準と同じものです。
Leofoto LS-323Cのほうが優っている点が多く、正直かなり驚いています。今後の星空撮影ではLS-323Cをメイン三脚、N-2204SKをサブ三脚として使うつもりです。
LS-323Cの一番の欠点は縮長65cm
Leofoto LS-323Cの唯一と言ってもよい欠点は、たたんで持ち運ぶ時の大きさです。雲台を外した状態でも65cm、雲台を付けたままだと70cm以上になります。
クルマや電車で移動するだけであれば70cm以上あっても構いませんが、もし飛行機に持ち込む可能性が少しでもあれば「折りたたんで60cm以下」の制限にひっかかります。
一方のSIRUI N-2204SKはトラベル三脚と同じ構造をしているため、自由雲台を付けたままでも50cm以下。持ち運ぶ時の大きさは機内に持ち込めるシルイの圧勝です。
まとめ
はじめてレオフォト製品を購入し、カーボン三脚「LS-323C」の出来の良さに驚いています。ユーザーのニーズを的確に捉えており、その合理的な仕様に共感を覚えました。
かつては中華三脚=安かろう悪かろうのイメージでしたが、ブランド価値による「所有感」こそまだ少なくても、コストパフォーマンスの良さは相当なレベルではないかと。
デジカメWatchの話題の中国三脚「レオフォト」のこだわりが凄い!を読んで、ますます興味をもちました。星空撮影に適した「神三脚」を作ってくれたことに感謝です。