ジッツオ高すぎ!ハスキー重すぎ!頑張って背伸びしてもマンフロットが限界…な自分が使っているシルイのカーボン三脚&自由雲台。とってもコスパが良いと感じています。
中型カーボン三脚「N-2204SK」は半自動の開脚操作や脚を取り外しての一脚化など便利な機能が盛りだくさん。自由雲台「K-20X」はスムーズに動いてピタッと止まります。
持ち運び優先のマンフロット「befreeアドバンス」よりも剛性に優れ、振動によるブレも少なめ。耐荷重表記は若干疑わしいですが、星空撮影で頼りになる存在です。
この記事の目次
カーボン三脚 N-2204SK
夜間撮影の相棒に選んだ三脚は、シルイのカーボン4段三脚「N-2204SK」です。なぜSIRUIに決めたかというと、ジッツオやハスキーを買うお金がないから、以上。
そりゃタダでジッツオくれるなら喜んで使いますわ…。三脚に10万円以上、雲台に5万円以上も突っ込める人は、よほどの愛好家か撮影を職業にされている方と思われます。
中型カーボン4段三脚
広角レンズを多用する星景写真の撮影で使われるジッツオの三脚は、太さと高さから2型4段あたりがベタらしい。スリックやベルボンなどと比較するうえで参考になりました。
とはいえ、トラベラーもマウンテニアも脚のみで10万円前後。10年以上使えると言われているけど、欧州流のシャレか何かですかね…某*もビックリな値付け。
荷物に制約のあるキャンプはマンフロットのトラベル三脚「befreeアドバンス」で賄うとして、軽い趣味程度の自分としてはコスパに優れた中型カーボン三脚を探していました。
マウンテニア2型4段の代替
三脚比較 | ジッツオ GT2542 | シルイ N-2204SK | 勝者 |
---|---|---|---|
パイプ径大 | 29.0mm | 29.4mm | シルイの勝ち |
パイプ径小 | 18.2mm | 18.6mm | シルイの勝ち |
最低高 | 15cm | 17cm | ジッツオの勝ち |
全高 | 137.5cm | 135cm | ジッツオの勝ち |
最全高 | 165.5cm | 163cm | ジッツオの勝ち |
縮長 | 56cm | 56cm | 引き分け |
逆縮長 | – | 49cm | シルイの勝ち |
重量 | 約1.7kg | 約1.7kg | 引き分け |
搭載耐荷重 | 18kg | 15kg | ジッツオの勝ち |
実売価格 | Amazon | Amazon | シルイの勝ち |
細かな機能の違いはあれど、まずはスペックを比較してみました。仕様を丸パクリしたのではないかと思うほど両者はよく似ており、4勝4敗2分で総合的に見てほぼ互角。
安い買い物ではありませんが、あまりに実売価格差があるためシルイが安く感じられてしまいます。ただ、数値に現れない「所有感」はマウンテニアが上だと思います。
上を見たらキリがない世界なので、一般人にはシルイで(少なくともスペック上は)十分ではないかと。半信半疑ではありましたが、使ってみると細かな部分も悪くないです。
脚を畳みやすいトラベル三脚
シルイN-2204SKは脚を180度回転させてコンパクトになるトラベル三脚(befreeアドバンスやトラベラーの仲間)。自由雲台込みで縮長50cm以下なので持ち運びに便利です。
脚を開いたり閉じたりするときは「開脚ストッパー」をカチッと操作します。こいつがえらく秀逸。befreeアドバンスのように押しっぱなしにしなくても脚を反転できます。
トラベル三脚は収納状態にするまでセンターポールを上まで上げたり自由雲台の位置を調整したり手間がかかるのですが、その面倒な手間を少しだけ軽減してくれる仕組みです。
三脚の脚を1本取り外して一脚になる
シルイN-2204SKは脚を1本取り外してウレタングリップ付きの軽量コンパクトなカーボン一脚になります。一脚として持ち運ぶ用のストラップも付属品に含まれていました。
過去に何度か「三脚はNGだけど一脚はOK」という機会があったので(一脚を星空撮影で使うことは今のところありませんが)選択肢があるのは良いことだと思います。
身長175cmの自分が使うと、4段伸ばしてもファインダーが顎の位置。センターポールの一部を一脚に取り付けるとファインダーが身長を上回り、十分な高さを出せています。
ローアングルもセッティング可能
シルイN-2204SKはセンターポール(エレベーターパイプ)を長短2パーツに分割することができ、短いエレベーターのみを使用すると簡単にローアングルにできます。
これでもまだ高い場合は、センターポールを上下逆にしてカメラを逆さまに取り付ければ地上すれすれの超ローアングルにできます。選択肢があるのは良いことです(2度目)。
また、センターポールの一番下にフックが付いており、荷物をぶら下げておくことで三脚の強度を増すことができます。取り付けの面倒なストーンバッグの代替にもなり便利。
三脚の剛性も収納ケースも期待以上
付属の収納ケースはかなりしっかりしており、単品で買うと数千円してもおかしくないクオリティだと思います。多少のこすれであれば三脚の表面を守ってくれそうです。
三脚の強度は脚を全て伸ばしたうえで両手で2本の脚を持ち、左右にねじって確認すると一目瞭然。同じトラベル三脚でも脚の細いbefreeアドバンスとは剛性が桁違い。
星空撮影に大事なブレの収まりやすさは、三脚にカメラを取り付けてレンズをデコピン。アルミ製のbefreeアドバンスより明らかに振動が早く収まっているのがわかりました。
自由雲台 K-20X
カメラと三脚を繋ぐ雲台。雲台なんて三脚に付属のもので十分、雲台に数万円もかけるなんてただの自己満足でしょ…と思っていた自分が大馬鹿でございました。
カーボン三脚N-2204SKとセット販売されている雲台は、アルカスイス互換の自由雲台「K-20X」。三脚と違ってスペック比較が難しく、実物を操作してみての感想です。
アルカスイス互換はやっぱり便利
これまであまり気にしていませんでしたが、アルカスイス互換はいろいろ使いまわせて便利ですね。手持ちのプレートを取り付けてみると、いずれもしっかり固定されました。
befreeアドバンスはプレートこそアルカスイス互換だけど、付属の自由雲台はマンフロット独自規格。オールラウンダーなPeakDesignのデュアルプレートがますます活きました。
安い自由雲台とは大違い
シルイK-20Xとbefreeアドバンス付属の自由雲台を比べると、水平方向に回転(パン)できたりフリクションコントロールできたり、大まかな機能は大差なし。でも使うと全然違う。
befreeアドバンスの雲台はツマミを緩めて動かすとき引っかかりがあり、スムーズに動きませんでした。少しだけ動かそうとすると、最初固くて、その後いきなりゆるむ感じ。
最大搭載荷重25kgのシルイK-20Xは工作精度が高いのかスムーズに動かせます。これが本来の自由雲台かと感嘆。水平になっているか一目でわかる水準器があるのも助かります。
脱落防止の仕組みが助かる
ハロウィンキャンプでbefreeアドバンスを使っていたとき、カメラが三脚から外れて砂利道に落下し、広角単焦点レンズを割ってしまいました。酔っぱらうとホント情けない。
雲台とカメラがしっかり固定されるかは重要なポイント。シルイK-20Xにはプレートが不意に外れることがないようセーフティーロックがあり、落下防止に効果あります。
固定が甘いとき本当にカメラが落下しないか実験する勇気はありませんが、ツマミを回して締め付けるタイプはしっかり固定できたような気がして安心感ありますね。
決めた向きをしっかり固定できる
befreeアドバンスの雲台は構図を決めてツマミを締め付けても、レンズの自重で角度が下がってしまうのですが、シルイK-20Xは構図を決めたらしっかり固定してくれます。
丁寧に微調整するならギア雲台でしょうが、自由雲台でグリグリ動かして気に入った構図にバシッと固定されれば、撮影を始めるまでの準備が短くて済むかと思います。
まとめ
星空撮影で使用しているカーボン三脚「SIRUI N-2204SK」と自由雲台「SIRUI K-20X」。私の表現力が足りず、せっかくの良さを上手く紹介できず、すみません(^^;)
三脚と雲台はブレなくしっかり固定される信頼性が何より大事だと思います。縁の下の力持ちとして十分期待に応えてくれているし、ギミックが色々あってホント面白い。
ジッツオには憧れるけど、そこまで勇気(とお金)を出せない自分にとっては、コスパに優れたシルイが救世主のように感じられます。中華メーカーあなどれません!