ogawaの小型テント「ヴィガス」を開封&初張り。2021年生産分から背面にメッシュパネルが追加され、通気性が向上し、通年で使いやすくなりました。
直営店で講習を受け、河川敷の公園で試し張り。設営も撤収も10分以内で済み、テント内は広々快適。実際に使って感じたヴィガスの利点と欠点を紹介します。
この記事の目次
ヴィガスの設営撤収講習
子供達の成長とともに少人数でキャンプする機会が多くなり、小型のテントを探していました。本命はずっとテンティピだけど、ソロ幕で20万円以上はあまりに高い…
2021年3月末に開業したogawa直営店「GRAND lodge 流山おおたかの森」に展示されていたヴィガスをみて興味が湧き、購入前にマンツーマンで講習を受けました。
ヴィガス設営のポイント
ヴィガスはogawaにしてはやや珍しく、フライシートのスリーブにフレームを通して立ち上げる(つまりフライシートの外側にフレームが出ている)アウトフレーム方式。
スノーピークのアメニティドーム(などの一般的なドーム型テント)と途中までほぼ同じ手順となっています。取扱説明書の記載以外で設営講習の要点をまとめると次の通りです。
- 風対策として最初に打つペグは風上2本より風上1本のほうが立てやすい
- 全4ヶ所あるテープはあらかじめ最大まで緩めておかないと1本目のクロスフレームが固い
- 足元のテープを締めるときは片手で引っ張るだけでは固い。片手でテープを引きつつ、もう片手に膝で体重をかけるとテンションがかかる
ヴィガス撤収のポイント
ヴィガスの撤収はサイズが大きいこと以外、特に難しい点はありません。次回の設営を楽にするためテープは全て緩めておくのが吉。撤収講習の要点をまとめると次の通りです。
- 撤収途中で飛ばされないよう(少なくとも風上の)ペグはなるべく遅めのタイミングで抜く
- 左右どちらかのペグを打ちっぱなしで畳みはじめた方がキレイに二つ折りできる
- フレームがかなり長いため周囲に注意する(スリーブから押し出すとき途中で折り曲げる)
- フライシートを折り畳むときは寝室上部にあるベンチレーションの幅を基準にするとピッタリ収納袋に収まる
ソロ用として気に入った理由
実際の使用者の方に感想を聞いた上で、後日GRAND lodgeで購入しました。自分の目で見て、ヴィガスを気に入った理由は以下の5点に集約されます。
- テント内で立って行動できるから足腰への負担が少ない
- ソロキャンプにはやや贅沢な広さだが、大きすぎるわけではない
- 全周にボトムスカートがあるから虫や冷気が侵入しにくい
- メッシュの量が多く、コット寝スタイルで通年過ごしやすい
- 設営手順に「ベルクロテープをフレームに巻きつける」が登場しない
テント内での行動のしやすさはヴィガスとステイシーST-IIと比較したとき強く感じたことです。特に腰痛持ちの方にとっては大事なポイントではないかと。
開封してサイズと付属品を確認
総重量:9.0kg(フライ:4.4kg、インナーテント:1.7kg、ポール:2.9kg)
フライ:ポリエステル75d(耐水圧1,800mm)
インナーテント:ポリエステル68d
グランドシート:ポリエステル210d
ポール:アルミ(φ14.5mm、φ12.8mm)
収納サイズ:70×30×26cm
付属品:張り綱、アイアンハンマー、スチールピン、収納袋
流山おおたかの森から約30分、試し張りに適した野田市スポーツ公園で外箱を開封。ハンマー・ペグ・インナーテントは使う予定が無く、それだけでだいぶ軽くなりました。
前面を跳ね上げるとき使用するポールとロープは別売りとなっています。ポールは170cm前後を2本、ロープは3m(もしくは二又6m)を2本が適正サイズです。
ヴィガス試し張りの感想
テントを地面に広げ、取扱説明書と設営講習を参考に設営。フレームがとても長いので周囲に注意が必要です。区画サイトでは隣のサイトに突き抜ける可能性があります。
新品はピンに挿すとき固い
最初のフレームを半円状の弧にするのが1番の難関で、特に新品だとピンに挿すとき少し固かったです。テント設営経験がないと立てにくいと感じる点かもしれません。
サイズが大きい割りにフレーム2本で自立する構造のため、最初のフレームが特に長く、しかもスリーブの滑りがイマイチ。この辺りはアメニティドームが優秀だと感じます。
ロープが少なくペグ打ちで疲れにくい
ヴィガスの張り綱は左右2本ずつの計4本。テント本体を8本ペグ打ちするので、計12本のペグ打ちで完成となります。左右1本ずつ省略すれば計10本とさらに楽チン。
ペグの本数が少ないと打つ時も抜く時も疲れにくく感じます。さらに張り綱は4本ともカラビナで取り外しやすくしておくと設営や撤収の時短になるかと思います。
スクリーンタープのように使える
ヴィガスはインナーテントを吊り下げずに使うと、スクリーンタープ代わりとして使える特徴があります。全周にスカートがあり、メッシュも多く、まるで大きな蚊帳のよう!
左右4ヶ所ずつペグを打つ際、左右中央2ヶ所ずつは内側から(紐ではなく)金属のリングに直接ペグ打ちすると地面から浮きにくく、スカートがしっかり接地します。
前面と背面はポールを使って跳ね上げることができますが、風通しを良くしつつプライベート感を得たいときは「ちょこっとバンド」を使うと手間なく準備できますよ。
背面のメッシュ追加は素敵な改良点
2021年生産分からユーザーの声を取り入れて改良された「背面のメッシュ追加」。これで前後左右をメッシュにすることができ、通気性が抜群に向上しました。
改良後しか所有していないため改良前の状況は想像しかできませんが、背面にメッシュが無い状態で夏場にキャンプすると汗だくで寝苦しい…考えただけで恐ろしいです。
側面と背面はダブルファスナー
左右の出入口と背面両側の計4ヶ所はダブルファスナー(ダブルジッパー)となっています。通好みのogawaらしい特徴ですね。ちなみに前面両側はシングルファスナーでした。
シングルファスナーだと下からしか開けられません。ダブルファスナーだと上からも開けられ、薪ストーブの煙突を少ない本数で高く出しやすいメリットがあります。
テント内でのストーブ使用は推奨されていませんし、ポリエステル生地なので火の粉で穴が開きやすいですが、自己責任で薪ストーブを使われる方には嬉しい仕様ではないかと。
天井の窓から日差しが差し込む
寝室側天井に三角形の透明な天窓があり、日差しが差し込んでテント内がより明るく感じられます。天窓を開けたり閉じたりする仕組みは見当たりませんでした。
ヴィガスはシングルウォールなので秋冬は結露が心配です。アポロンのような天井に被せてダブルウォール化するルーフフライがあれば結露が軽減されるので今後に期待!
前室天井にランタンフックがない
ヴィガスのクチコミで最も見かける欠点が「前室の天井にランタンを吊り下げるループやフックがない」こと。短めのハンギングチェーンが必要かもしれません。
ただ、前室パネルを巻き上げるループやインナーテントを吊り下げる輪っかがあるため、コット寝スタイルでテント中央付近で過ごす自分には特段不便を感じませんでした。
設営と撤収にかかった時間を計測
デイキャンプから撤収するとき、一度ヴィガスを畳んでから再度設営・撤収して時間を計測してみました。今回はロープ4本、ペグ12本、インナーテントなしの条件です。
- 設営時間:約9分30秒
- 撤収時間:約7分30秒
開封初日の慣れていない状態なので、効率化の余地はありそう。普段愛用しているグロッケ12 T/Cの設営が約8分50秒だったので、手間や難易度は同程度と言えます。
まとめ
直営店で講習を受け、ネットのクチコミを踏まえ実物を確認し、自分のスタイルにピッタリだと納得して購入したヴィガス。期待通り色々楽しめそうな予感がします。
設営の超簡単なスノーピークのリビングシェルがソロキャンプには大きすぎたため、サイズを落として使い勝手はあまり変わらずのイメージをしっかりもてました。
本来はデュオ向けのテントですが、夏の蚊帳代わりから冬のおこもりまで想定すると、ソロにも適した幕だと思います。背面のメッシュが増えたヴィガス、かなりおすすめです。