エリッゼステークで有名な「村の鍛冶屋」を運営する山谷産業の新ブランド「TSBBQ」のローストスタンドを入手。コストコで買った塊肉でローストビーフを作ってみました。
燕三条の金属加工技術を活かしたサーベルやスタンドは精巧な作りをしており、ユニフレームのファイアグリルやユニセラTG-IIIとの相性は抜群!
これぞアウトドアというべき優れたビジュアルだけでなく手軽に美味しい料理を作れるローストスタンドは、バーベキューやグループキャンプで大活躍しそうな予感(^^)
この記事の目次
新ブランド「TSBBQ」
村の鍛冶屋を展開する山谷産業が新たに『TSBBQ』というBBQブランドを展開しますよ〜!! 第一弾はローストスタンド! ものづくりの町 燕三条が提案する新しいバーベキューの楽しみ方|さんち 〜工芸と探訪〜 https://t.co/bAAVTj8hHq
— 村の鍛冶屋 (@murakaji) May 6, 2017
遡ること2017年GW、村の鍛冶屋の公式Twitterで新ブランド「TSBBQ」が展開されることが発表されました。その第一弾製品がローストスタンド、いわゆる肉焼き機です。
何といっても調理しているときの見た目がモンハンっぽい、ワイルドな感じが堪りません!グループキャンプでローストビーフを作るべく半分真面目・半分ウケ狙いで新製品を買ってみることにしました。
ローストビーフの難しさ
これまで何度かローストビーフを作ったことはありますが、ダッチオーブンやスキレットに蓋をして上下から加熱する方式だと成功確率50%と2回に1回は失敗(^^;)
低温でじっくり肉の中心まで火を通しつつキレイな赤みを残すには温度管理が非常に重要なため、絶妙な火力の維持に注意を払う必要がありました。
TSBBQ ローストスタンド
ローストスタンドはスタンド本体、サーベル、六角棒の3点セット。燕三条地域の職人達が丹念に手作りした製品です。スタンド本体を収納する袋と取扱説明書も付属していました。
サーベルの刃、六角形の口金部分、スタンドは錆びにくく丈夫なステンレス製。刃は潰れているものの先端が激しく尖っているため怪我しないよう注意が必要です。
この製品の最大の特徴が六角形の口金とスタンドコネクション。まんべんなく火を通すため60度ずつ回転させながら焼くのですが、絶妙な隙間が空いていることで金属同士の引っかかりがなく回しやすい!
サーベルの柄と六角棒はシックな風合い。特許取得済みの特殊加熱処理で加工されたタダフサの「抗菌炭化木」が採用されています。
抗菌炭化木とは木材を炉の中で燻製状態にし、炭の一歩手前にした木材のこと。菌が付着した場合も栄養分となる水分や栄養がほとんどないため、菌が繁殖できなくなり死滅する。
出典:村の鍛冶屋
ありふれた市販の既製品に慣れた身としては職人技で精巧に作られた道具というのは所有感を満たしてくれますね(^^)
ローストビーフ作りの準備
USプライムビーフの肩ロースカタマリを使ってローストビーフを作ります。取扱説明書に掲載されているレシピでは牛肉500gとなっていますが、コストコで買ってきた塊肉は1.37kgと巨大。
肩ロースにはスジや脂身が多分にあるため、できるだけ直方体になるよう不要な部分を削ぎ落としたら800gくらいになりました。同じくコストコで買った「プレスンシール」に包んでクーラーボックスでキャンプ場まで持ち運び。
保冷された状態の塊肉は時間をかけて常温に戻し、岩塩をすり込み肉を落ち着かせたら食材の準備は完了。並行して炭火を熾します。
ローストスタンドは炭火の火力がダイレクトに伝わる豪快な調理法となるため、嫌な臭いや煙が出ずに長時間火力が安定しているオガ炭もしくはナラ切炭が安心。30分ほどチャコスタに放置すると熾火のできあがり!
豪快なローストビーフ作り
塊肉の中心にサーベルを突き刺し、ファイアグリルの金網にスタンドをセットしたら調理開始。刺して回して焼くだけで簡単に作れる…はず!
できるだけ油が落ちないよう慎重に回転させていくと、少しずつ表面に焼き色が付いてローストビーフの見た目に近づいてきました。これは結構楽しい(^^)
残念ながら塊肉の重心にキチンとサーベルが刺さっていなかったのか、勝手に回転して重いほうが下に来てしまうことがありました。
ユニセラでバーベキューしながら見張るために少し改良。塊肉をタコ糸で縛って直方体に近づけ、サーベルの逆側からツインスキュアーで肉を突き刺して手を離しても回転しないようにしました。
さらに並行してダッチオーブンでローストチキンを作りはじめ炭を分け与えた結果、火力が大幅ダウン。金網を止めてファイアグリルのロストルに直接スタンドを設置し炭との距離を近づけました。
この状態から更に20分ほど調理を続けていると見た目はすっかりローストビーフに仕上がりました。調理用の温度計で塊肉の中心部を測ると58℃!これは良さげな予感。
ローストビーフの完成!
火から下ろし十分に冷ましたら食べやすい大きさに切り分けて「牛肩ロースのローストビーフ」の完成!すぐにスライスすると貴重な肉汁がダダ漏れするので、実際に切って食べたのは翌朝になってから。
サーベルを抜き忘れたのが影響したのか少し肉汁が流れ出てしまいました…あぁもったいない。もしかすると焼き終えたらサーベルは抜いたほうが良いのかもしれません。
切った断面もキチンと表面だけ焼けており中心はピンク色。スジや脂身の少ないモモ肉のほうが見た目はキレイですが、肝心の味は肩ロースのほうが好みでした。
コストコで買ったローストビーフサンドも肉の柔らかさからいって牛モモ肉かと思いますが、いつもとは違う肩ロースで作ると全く食感が別物のよう。
柔らかく子供でも噛み切れるのがモモ、歯ごたえがあってジューシーなのが肩ロース。これは他の部位でも試してみたい!
如何に低温(55~65℃)を維持できるかがローストビーフ作りのポイントらしく、ローストスタンドでの初調理は期待以上の結果となりました。満足度かなり高いです。
ちなみに赤みをキレイに残しつつ火を通す最善の策は塊肉をジップロックに入れて60度前後のお湯にしばらく入れておくこと。もしAC電源があればANOVAを使うと失敗知らずのようです。
改良に期待したい点
発売直後の初期ロットに限りなく近い商品を購入したため、今後の改良に期待したいことがあります(致命的な欠陥ではありません)。
- サーベルの両端を六角形で支えて固定したい
- サーベルの先端を保護するカバーが欲しい
- スタンドの強度を高めてほしい
ローストビーフを作るために準備した塊肉がキレイな直方体になっていることは稀で、いびつな形状がほとんど。肉の重心にサーベルを突き刺すのは簡単ではありません。
60度ずつ回して焼いていると塊肉の重さに耐え切れず勝手に回転しました。サーベルの柄の部分だけ六角形になっており、先端は剣の形のまま。ここに一工夫欲しいと感じました。
具体的にはサーベルに差し込める刀の鞘(さや)のようなカバーを六角形で作っていただけると、不意に肉が回転することなく位置が安定し持ち運ぶときも怪我をしにくく安心です。
先端カバーのサンプルイメージを作ってみました。耐熱素材であれば抗菌炭化木でもステンレスでも良さそうですが、サーベルを差し込む部分の衛生面は少し気になるかも。シリコンだと洗いやすそうですね。
本体のぐらつきも気になりました。スタンドの位置の微調整をしようとしたとき簡単に崩壊…スタンドにピアスの裏の留め具(キャッチ)のような被せる部品があると本体の強度が増し多少の移動でも崩れにくくなりそうです。
ユニセラでロースト
ユニフレームの卓上BBQグリル「ユニセラTG-III」でもローストスタンドはバッチリ使えます!より大きなユニセラロングでも使えますが、コンパクトなユニセラミニでは使えません。
焼き網を逆さまにすることで高さを2段階に調節できるため、火力に応じて計4パターンから焼き加減を調節することができます。上の写真はユニセラが高、ローストスタンドが低の組み合わせ。
ユニセラを使うとセラミックパネルの遠赤外線効果で美味しくお肉が焼けそう。ファイアグリルより後片付けが簡単なのと、少ない炭で安定した火力を得られるため次回のキャンプで試してみるつもりです。
コスパ重視の代用品
ローストスタンドの原理が「食材に突き刺し、一定の角度で回転することができる棒」なのであれば安価な代替策があるかもしれないと考え、試行錯誤してみた結果が上の写真の通り。
ユニセラの焼き網をあえて使わずに食材の左右から2本ずつツインスキュアーを刺すとローストスタンドと似たようなことが簡単に実現できました(^^;)
ツインスキュアーだと食材の両側が必ず2点ずつで支えられるため勝手に回転しません。もし安い鉄串で再現する場合は両側から4本ずつツインスキュアーのように刺せば安定します。
回転は60度ずつではなく90度ずつとなりますが、キチンと炭から浮いているし勝手に回転することもありません。コツは両側から刺すとき90度回転させて刺すことくらいです。
まとめ
スタイリッシュなバーベキューを志向する新ブランド「TSBBQ」のローストスタンドで美味しいローストビーフを作ることができ大満足!
見た目重視の嗜好品かと思いきや意外と実用性もあり、他の部位(モモやミスジなど)でも試してみたくなりました。いずれデザートにパイナップル焼きとかやってみたい(^^)
村の鍛冶屋(エリッゼ)が好きなキャンパーには堪らない製品かもしれませんね。グループキャンプやバーベキューで盛り上がること間違いなしのローストスタンドでした。