甲府盆地を見下ろす高台にあり、絶景と名高い「ほったらかし温泉」。その温泉のすぐ隣にあるほったらかしキャンプ場でタイムラプスを撮影してみました。
明るさの大きく変わる環境においてマニュアルでインターバル撮影すると、カメラの前に張り付いて数時間の作業が必要ですが、オートであれば基本的に放置可能。
かつてはオートで撮ることは困難と言われていた領域が、技術の進歩によって可能になったことを実感できました。オートホーリーグレイル撮影ってすごいんですね!
この記事の目次
ほったらかしタイムラプス
ほったらかしキャンプ場にカメラを放置してタイムラプスを撮ったから「ほったらかしタイムラプス」。そんな撮影用語は聞いたことがないので、適当な造語です。
年末をキャンプ場で過ごし、そのまま新年を迎える「年越しキャンプ」。カメラ2台でタイムラプスを撮ってみました。まずは軽量コンパクトで機動力のあるサブ機から。
コンデジでタイムラプスを撮ってみた
今回お借りしたコンパクトデジカメ「RICOH GR III」は、APS-Cセンサーと単焦点レンズの写りに定評あり。借り物なのに3日間で7,000枚以上も撮ってしまった(^^;)
最初から最後まで明るさのあまり変わらない被写体、例えば星空のみとか設営手順であれば、コンデジでも簡単に撮影できるかと思います。にしても良いカメラだなぁこれ。
トルテュPro設営時に風上をペグダウンしてからスタートしたのに、その後風向きが変わって1人でワタワタした(吹き飛ばされそうになった)のはお恥ずかしい限りです。
満月期かつ雲多めの星空
写真撮影するときは雲が少ないほうが星がキレイに写るため良いとされていますが、ことタイムラプスに関しては雲がないと動きが少なく単調になりがち。
満月が雲に隠れたり出てきたりすると明るさが変わるので、コンデジで露出が安定するか気になりましたが、意外とほったらかしタイムラプスでも撮れるんですね。
Z6で初日の出タイムラプス
続いてメイン機で撮った初日の出。テントに戻って片付けをしていたため、途中1時間ほどカメラから離れていたのですが、大きな問題なく撮れたようです。
Z6はUSB給電に対応しておらず、残念ながら3時間以上の撮影は途中でバッテリー交換しないと厳しそうですね。1時間半であればまだ残量はありました。
シャッタースピードだけ変化させてみる
今回は遠景にピントを固定(マニュアルフォーカス)し、絞り優先オートでf2.8に固定。露出平滑化ON、ISO100固定、インターバル5秒、合計987枚を合成しています。
シャッタースピードは、撮影開始直後が3秒。その後2.5秒・2秒・1.6秒と空が明るくなるに従って短くなっていき、日の出直前の7時ちょうどで1/1250秒になりました。
明るさが大きく変化する環境での撮影
測光の低輝度限界を拡張できる「サイレントインターバルタイマー撮影」
「インターバルタイマー撮影」に「サイレント撮影」を併用し、さらに「露出平滑化」を使用すると、測光の低輝度限界を、通常撮影時を大幅に超える暗さまで拡張できます。夕暮れから星空までなど明るさが大きく変化する情景の移り変わりも、絞り優先オートで適正露出を保ちながらひと続きで撮影できます。
オートで撮れるか否かは何か具体的な機能があるわけでなく、星空のようなカメラにとって厳しい環境でも自動露出が効く(適正露出になる)という話みたいです。
星空撮影=フルマニュアルが基本中の基本でしたが、いずれはフルオート(フォーカスも露出もカメラにお任せ)でも撮影可能、なんて実現されるかもしれませんね。
Auto Holy Grail撮影
つい最近、この動画の存在を知りました。この道のプロである成澤先生が詳しく解説されています。なるほど、オートホーリーグレイル撮影っていうんですね。
ホーリー・グレイル(英語:Holy Grail)は聖杯の意味。聖杯伝説における神秘的なオブジェクトであり、転じて、非常に貴重な物、困難な探求の対象、至高の目標を表すためにも使用される。
出典:Wikipedia「ホーリー・グレイル」
ホーリーグレイル、聖杯から転じて「難易度の高いもの」という意味とのこと。確かに明るさが大きく変化すると、露出が安定せず、下手すれば画面がちらつきますしね。
まとめ
初日の出タイムラプスでは、薄明後に撮り始めたためISO固定でも対応できる範囲でした。これが星空から撮り始めるとなると、ISOも可変にしないと難しそう。
RICOH GR IIIは動画性能こそイマイチですが、静止画やタイムラプスにはかなり強い機種でした。SONY RX100シリーズより画質は上、キャンプで何かと役立ちそうです。