ヘキサタープのメインロープ・サブロープが経年劣化で痛んできたため、ロスコのパラコード&村の鍛冶屋のアルミ自在に交換してみました。
アウトドア用ロープの素材にはナイロンやポリプロピレンなど何種類かあり、伸縮性や耐水性などキャンプでの使い勝手を比較しポリエステル製のロープに決定!
ポリプロロープの経年劣化
キャンプ3年目の実力診断として設営タイムアタックに挑んだとき、スノーピークのヘキサタープ「HDタープシールドヘキサ」のロープに強いテンションが掛からず大苦戦orz
何度やっても自在金具が滑ってしまうためスノーピークストアで相談したところ、アルミ自在の問題ではなく、ロープの表面が経年劣化で傷んできたため交換するのが妥当とアドバイスを貰いました。
見慣れたポリプロロープの白い色合いも悪くはないものの、気分転換も兼ねてグレー&レッド系の色合いに変えてみたく純正品を探してみると…
グレーロープは10mで税抜900円。予備含め60m分+アルミ自在を買い揃えると税込7000円。やっぱり予想通り高いw
他社製の代替品を探してみると、カラーバリエーションの豊富なROTHCO(ロスコ)のパラコードを見つけました。元々はパラシュートに採用されていたロープらしく丈夫らしい!
アウトドア用ロープの素材選び
ロスコのパラコードにはナイロン製とポリエステル製の2種類があり、素材の違いによる性能や使い勝手が気になります。主要メーカーが採用している素材を調べてみました。
- スノーピーク:ポリプロピレン製
- コールマン:ポリエステル製
- ウェザーマスター:ポリプロピレン製
ブランドイメージだけを頼りにすると、スノーピークとウェザーマスターが同一素材を採用しているということはポリプロピレン製=高性能なのかも!?
材質の違い
ナイロン | ポリエステル | ポリプロピレン | |
---|---|---|---|
強度 | ◎ | ○ | ○ |
紫外線 | ○ | ◎ | △ |
悪天候 | △ | ◎ | ○ |
水に浮く | × | × | ○ |
伸び | ◎ | △ | ○ |
アウトドア用ロープに採用されている代表的な3素材、いずれも優れた合成繊維であるナイロン・ポリエステル・ポリプロピレンの特徴を比較してみました。
ナイロン
- 伸縮性があり衝撃を吸収しやすい
- 強度に優れ磨耗にも強い
- 肌触りが滑らか
- 水を含むと硬くなる(悪天候に弱い)
ポリプロピレンやポリエステルと比べ同じ太さで約2倍の強度があるナイロン。濡れると固くなる性質を持っているため雨中設営のときロープを結びにくく、雨中撤収のときロープをほどきにくい印象があります。
ロープを編んで飾りを作るときは肌触りや柔らかさが大きなメリットとなります。自在金具をしっかり止めておきたいキャンプ用ガイロープとしては耐水性と滑らかさが少し気になるかも!?
ポリエステル
Photo by Amazon
- 海水や紫外線に強く環境を選ばない
- 水を吸収しないため悪天候に強い
- 表面が少しゴワゴワしている
- ほとんど伸びない
ポリプロピレン
- 水に浮く
- 水を吸収しないため悪天候に強い
- 軽量かつ安価
- 紫外線に弱い
大抵の合成素材・天然繊維は水に沈むものの、ポリプロピレンは比重が1以下のため水に浮きます。誤って池や川に落下しても紛失しにくいというメリットがありますね。
材質的には紫外線に弱いらしく、ポリプロロープの表面が経年劣化したのはキャンプやバーベキューで直射日光をたくさん浴びたことが原因だったのかも!?
ポリエステル製に決定!
新たなアウトドア用ロープはロスコのポリエステル製パラコードにしました!選んだカラーは「ブラックトレーサーズ」という黒い色合いです。
黒いロープとか夜になると子供が足を引っかけそう…と思いきや、このブラックトレーサーズは中に反射する素材の入った繊維が織り込まれています。
普段はシックな色合いだけど暗いとき光を当てると反射して見やすく、赤や黄色など明るい色合いのロープはちょっと苦手という方にピッタリかと。
ナイロンほどの強度もなくポリプロピレンのように水に浮くわけではないものの、アウトドアの悪天候でも安心して使える「ポリエステルの素材としてのバランスの良さ」が決め手でした。
推測ですが、ナイロンが主要メーカーに採用されていなかったのは日本特有の高温多湿かつ寒暖の差が激しい気候が影響しているのかもしれません。ナイロン製ロープはアメリカやオーストラリアのようなカラッと乾燥した気候に適していそうです。
天然素材ロープ(綿や麻)
天然素材である綿や麻をアウトドア用ロープとして使っているワイルド感溢れるキャンパーは相当レアだと思いますが…一応調べてみました。
ポリエステルやポリプロピレンのような合成繊維とどの程度違いがあるか調べてみると「同じ太さで約半分の強度」とのこと。
植物由来の綿や麻は風合いが良く自然に還る特徴がありますが、あくまでも飾りつけや仮留めするとき使うもので、メインロープとして使うのは難しいかもしれません。
ポリエチレンロープ
100均ショップ「ダイソー」には太さ4mmの黄混ロープ(12mで100円)が売っていました。ポリエステル(白い部分)とポリエチレン(黄色い部分)の複合素材です。
ポリエステルと比べポリエチレンは繊維自体が硬く、表面を触るとツルツルと滑りやすいため自在金具でテンションをかけるのは難しそうです。例えるならプラスチックの箱を紐状にした感じ。
かなりゴワゴワしており縛ったり束ねたりするときの扱いにくさが目立ちます。なおポリエステルのように濡れても強度が変わらず、ポリプロピレンのように水に浮くのがポリエチレンの特徴となっています。
自在金具選び
ロスコのポリエステル製パラコードはスノーピーク純正のポリプロロープと同じ太さ4mmのはずですが、両者を手に取ってみるとロスコのほうが少し細く感じました。
手元にあったテンマクデザインの三角アルミ自在で試してみると、ロープの太さに対し穴が大きく不安が残ります。WILD-1店頭で4mmでも大丈夫と聞いてはいたんですけどね。
自在金具はスノーピーク純正品でも悪くはないものの、折角なのでお試しを兼ねて村の鍛冶屋のアルミ自在(レッド)にしました。10個で600円と比較的安価なのも魅力です。
エリッゼのアルミ自在でパラコードがキッチリ止まってくれるか室内で軽く試してみると、テンションがかかっても滑ることはなかったのでホッと一安心。
村の鍛冶屋の製品はエリッゼステーク、リラックスハイバックチェアに続いて3つ目。コストパフォーマンスに優れた製品が多くお財布に優しい(^^)
まとめ
キャンプやバーベキューなどアウトドアでの用途に適したロープの素材を調べた結果、濡れても使い勝手の変わらないロスコのポリエステル製パラコードが最適と判断しました。
どういうわけか週末になると雨が降り、かつてないほど雨キャンプの多かった2016年秋。手際よく設営・撤収するためには便利なキャンプ道具が欠かせないので!←経験不足を棚に上げてみるw
なぜスノーピークやウェザーマスターにポリプロピレン製ロープが採用されているのかわかりませんでしたが、もしかして…原料費が安価で儲けが出やすいからとか!?
もし突風が吹き不慮の事態となったとき、ペグが抜けたりポールが折れたりするのは怪我の危険性が高く、幕体が裂けるよりも先にロープが破断してくれたほうが(金銭面的にも)助かるな、と。
ヘキサタープのロープ交換
ヘキサタープの傷んだロープをポリエステル製パラコードに交換してみました。もやい結びや二重8の字結びなどキャンプで役立つロープワークが大活躍!