千葉の山奥の廃校跡地を再生させたキャンプ場があるという情報を聞きつけ、宇筒原ふれあいセンター・オートキャンプ場を見てきました!
世間一般はお盆期間中ということでさぞ混んでるだろうと見込んでいたものの、まさかの宿泊者不在で場内を探検し放題。いわゆる「穴場のキャンプ場」になるかと思います。
元校庭のグラウンドが芝生サイトに生まれ変わり、元校舎はトイレやプレイルームとして有効活用。水まわりは理科室の流し台を再利用するなど往年の学校生活を思い出す不思議なキャンプ場でした。
宇筒原キャンプ場
宇筒原ふれあいセンター・オートキャンプ場(以下、宇筒原キャンプ場)は海外製の大型キャンピングカーを取り扱うニートRV社が運営するキャンプ場。
千葉県内陸部の夷隅郡大多喜町にあった「西畑小学校 宇筒原(うとうばら)分校」が今から20年以上前に廃校となり、その跡地をキャンプ場として転用したものです。
地方の過疎化と人口減少、少子高齢化が進むなか全国各地で小中学校の廃校が進んでおり、廃墟跡地の土地と建物を有効活用する好例だと思います(^^)
そもそも分校とは?
分校といわれても都会に住んでる方には全くなじみがないかもしれません。逆に地方に住んでた方だと分校の存在をご存知の方もいるかと思います。
分校とは簡単にいうと「学区が広くて子供達が通えないので、1つの学校を複数に分けたもの」といったところです。ちなみに分校の反対語は本校。
どの程度学区が広いと分校があるのか明確な基準はわからないのですが、本校だけだと徒歩通学が不可能な場合を考慮して設置されていたようです。
自分の通っていた小学校も学区が広大で、本校に通うと片道10キロ近くかつ峠越えなんて同級生もいたため遠くの山奥に分校が設置されていました。
分校の様子がどんな感じか友人から話を聞くだけでしたが、全校生徒が10~15人しかいなくて先生も数人、1学年1クラスではなく2学年で1クラスだったとのこと。
超少人数制で先生にみっちり勉強を教えてもらえるかもしれないけど、先生も生徒もいろいろと苦労が耐えなかっただろうと推察。
キャンプ場内の雰囲気
オートキャンプ場としての雰囲気や設備を確かめるべく夏休みのど真ん中に行ってみました。訪問したのはお盆期間中の土曜日でしたが、場内を清掃されていた管理人さんによるとお客様ゼロだったようです。
お盆休みとなれば全国各地の人気キャンプ場が予約いっぱいとなりキャンプ難民が続出するなか、誰も滞在していなかった宇筒原キャンプ場は千葉県内でもかなりの穴場といって間違いないと思います(^^)
改めてサイトや設備を見渡してみると、廃校跡地をコンパクトなキャンプ場として転用する作戦は運営者としての初期投資額を抑える意味でも合理的かもしれません。
オートキャンプ場として最低限必要なトイレや上下水道は既に揃っているし、子供達の好きな屋外遊具もあります。多少整備すればキャンプ場として営業できる土壌が整っているんですね!
元学校なのでキャンプ場らしい雰囲気があるかといえば若干微妙ですが、例えば校舎でかくれんぼしたり宝探しするのは普通に楽しめそうです。大人としても数十年前の気分に戻れる感覚もあります(^^)
元グラウンドには今にも朽ち果てそうな鉄棒や滑り台、ブランコやうんていなどが設置されていました。まさに田舎によくある小学校の校庭といった雰囲気。
遊具の奥には木々が生い茂る小高い丘があり、夏休みにはカブトムシやクワガタが見つけられるかも。自然が大好きなアウトドア派には面白い探検スポットとなりそうです。
Google Mapで都心ベイエリアの豊洲駅からの所要時間を調べてみると、東京湾アクアラインを経由し1時間20分ほど。多少混雑しても1時間半程度です。
宇筒原キャンプ場の近隣にはスーパーやコンビニがないため、食材やお酒などを買うためには少し遠くまで買い出しに行く必要があります。
できれば自宅近くもしくは圏央道を降りた後に購入してからキャンプ場に向かうと安心です。現地で入手しにくい板氷や保冷剤は多めに持ってくることをオススメします。
サイトの設備
宇筒原キャンプ場の駐車場からサイト全体を確認してみると、元グラウンドということもあり傾斜はなく極めて平坦。遊具はさておき全体的には整っている印象があります。
サイトの広さとしては我が家のホームグラウンドである成田ゆめ牧場キャンプ場のFサイトの半分程度。全体的にはコンパクトなキャンプ場といえます。
サイト全体は草地ですが、真夏の暑い時期にしてはキチンと短く手入れされておりフカフカ。クッション性があるためテント泊でも地面の固さは感じにくそうです。
20年以上前とはいえ元校庭ということで硬い土や細かい砂利を予想していましたが、地面に関しては良い意味で裏切られました。わかりやすく例えるとゴルフ場の浅いラフのような状態です。
キャンプ場としての知名度が上がり利用者が増えたのか正確な理由はわかりませんが、2015年夏に訪れたときのような美しいサイトコンディションから徐々に悪化中。
キャンピングカーを取り扱うニートRV社が運営するオートキャンプ場ということで、キャンピングカーでの利用を意識した設備として20Aの電源ボックスとTVアンテナが各所に配置されていました。
サイト手前部分(駐車場側)がキャンピングカーを停めるモーターホームサイト、サイト奥側(ログキャビン側)がオートキャンプサイトです。テントやタープを立てるなら奥側になるかと思います。
オートキャンプサイト付近にはログキャビンが2棟建っていました。泊まれる設備なのか外観だけではわかりませんが、ウッドデッキの雰囲気は良い感じです。
洗い場は場内に3ヶ所ありましたがお湯は出ないようです。シンクとしては深さもあって洗いやすそうではあるものの、よくみると理科室とかから流用したのかも(^^)
ゴルフ場のような地面の感じからするとつい練習したくなりそうですがもちろん禁止。他にも球技全般や直火、打ち上げ花火は禁止とのこと。
校舎の外見はあまり手をつけていないまま昔ながらの状態を残しているようです。とはいえ周りの草木もキレイにメンテナンスされており、全体的に汚れていると感じることはありません。
山間部のためデジタル機器の電波状況は厳しかったです。auのiPhone 6だと電波が微弱(アンテナ1~2本程度)で、タブレットでのフルセグは全く映らずワンセグもほとんど映りませんでした。
校舎内にあるトイレはとてもキレイ。小学校時代のものではなくキャンプ場ができたときに見直したものと思います。空気で手を乾かすハンドドライヤーまでありかなり立派です。
校舎の入り口は本来サイト側ではなく校舎の周りをぐるっと半周していくのですが、トイレはサイトから直接入れるようになっていました。
かつての体育館は多目的ホールとして自由に使えるようになっています。雨の日に子供達が自由に遊べるスペースがあるのは心強いです。
キャンプ場の駐車場から見下ろすと貯水池があります。こういう池には何かしら魚がいそうなので、釣り道具とか持っていれば試してみたいですね!
周りの景色は山と田んぼ、点々と民家があるのみ。これぞ日本の田舎の原風景といった感じで、特に都会育ちの方には新鮮ではないかと。
最寄と思われるバス停から徒歩5分程度。とはいえ1日3本しかバスが来ない、しかも土日祝日は運休しているため、キャンプ場に来るため使うことはほぼ皆無かと思いますが(^^)
養老渓谷の観光スポット
宇筒原キャンプ場の近隣で観光できるスポットといえば徳川四天王の一人、本多忠勝が城主として君臨していた大多喜城(現在は千葉県立中央博物館大多喜城分館)や、紅葉が美しい養老渓谷周辺かと思います。
他にもガイドブックでは養老の滝(粟又の滝)や幻の滝(小沢又の滝)などが紹介されていることが多いため、一風変わった観光スポットを撮ってきました。
駐在文庫
勝浦警察署の老川駐在所。木を活かした立派な建物ですが、交番なので当然パトカーやバイクが止まってます。実はこの老川駐在所、通常の交番とは別の顔を持っています。
老川駐在所
住所:夷隅郡大多喜町小田代148-2
電話番号:0470-85-0039
老川駐在所は、明治21年に置かれ、現在の施設は平成12年に建てられました。新緑や紅葉が素晴らしい養老渓谷を受持ちにしており、素朴で閑静なこの地区もその季節には多くの観光客で賑わいます。また、当駐在所は、全国で2カ所しかない駐在所文庫があり、勤務員が館長を兼務していますので、文庫を利用する小学生・中学生などとの交流を通じ、より地域と密着した活動を進めたいと思っています。出典:千葉県警察ホームページ
全国に2ヶ所しかない駐在所文庫のひとつ「おいかわ駐在文庫」です。大きな図書館というわけではなく図書スペースが併設された交番というイメージ。例えば路線バスを待っている間にここで一休みしたりするのもよさそうですね!
川遊びの穴場
老川駐在所のすぐ裏に小川が流れており河原まで歩いておりることができます。少し場所がわかりにくいので写真多めです。
木々に囲まれた小道がありますので坂を下っていくと徐々に川のせせらぎが聞こえてきます。小さな子供でも大人がしっかり見ていれば問題ないためご安心を。
キレイな川と天然のトンネルがありました。川といっても浅瀬で子供達が遊んでも流されることはなさそうな場所です。下流側だけ滝のような急流になるため少し上流で遊ぶとよさそうです。
天然のトンネルを抜けると緑が広がっています。川を渡る際、大きめの石がたくさんあるためほぼ濡れずに対岸まで渡ることができ、マイナスイオンをいっぱい浴びれます。
お盆シーズンで観光客も多かったはずですが、かなりの穴場スポットという感じで数人しか見かけませんでした。
養老渓谷観光センター(やまびこ)に車を停め歩いて2分程度です。夏~秋にちょっと変わったところに行ってみたい方におすすめのスポットでした(^^)
まとめ
宇筒原ふれあいセンター・オートキャンプ場は廃校になった小学校の校舎と校庭を活かした穴場のキャンプ場。数十年前のクソガキ時代に気分だけでも戻りたい大人におすすめw
キャンプ場としては小規模で同時に宿泊できる組数が限られているため、少し大きなグループキャンプで利用すれば貸し切りになるかも!