ホーロー食器セット付属のマグカップの代用品としてサーモス「真空断熱カップ」を入手。冷たいジュースや温かいスープにピッタリなステンレス製のカップです。
汎用性のある真空断熱カップは重ねやすさや持ちやすさ、洗いやすさなどバランスに優れており、環境変化の大きなアウトドアにピッタリ!
大きい400mlサイズと小さい300mlサイズの使い勝手や保冷力&保温力を確かめるべく、ホーロー食器やシェラカップ、陶器マグとリアルな性能を比較検証してみました。
ホーローコップの欠点
キャンプやバーベキューではキャプテンスタッグのウエストホーロー食器セットを愛用しています。家族4人分の大皿・深皿・コップと持ち運び用のケースが揃うコスパに優れた名品です。
アウトドアで100日近く苦楽を共にした結果、洗いやすく丈夫な大皿と深皿は今でもバリバリ現役。セット品のコップだけが半ば引退状態となっており、温かいスープや冷たいジュースを入れる代用品を探していました。
なぜコップが使われなくなってしまったのかというと、4個中3個を地面に落としてしまいガラス面が割れて鉄が露出しコップの内側から錆びてしまっただけでなく、以下の不満な点がありました。
- コーヒーや紅茶など温かい飲み物を入れるとコップが熱くて持てなくなる
- 冷たい飲み物を入れると激しく結露しコップの下が濡れる
- 保冷力や保温力は皆無に等しく短時間で常温化する
- 重ねてコンパクトに収納できず持ち運ぶとき場所を取っている
特に1~3はホーロー素材の特徴の1つでもある「熱伝導の良さ」が大きく影響しています。熱を遮断する真空断熱タンブラーなら不満を解消できるけど…スープを飲むためのカップ代わりとしては不向きな形状orz
サーモスの真空断熱カップ
比較的背が低く飲み口の広い真空断熱の容器がないかネットで探してみると、サーモスと象印にコンパクトな300mlサイズがありました。
比較 | 真空断熱 カップ |
真空断熱 タンブラー |
ステンレス タンブラー |
---|---|---|---|
メーカー | サーモス | サーモス | 象印 |
品番 | JDD-301 | JDI-300 | SX-DD30 |
容量 | 300ml | 300ml | 300ml |
幅・奥行 | 9.5cm | 7.0cm | 8.5cm |
高さ | 8.0cm | 12.5cm | 10.5cm |
重量 | 0.1kg | 0.1kg | 0.15kg |
実売価格 | Rakuten | Rakuten | Rakuten |
真空断熱タンブラーとステンレスタンブラーは口径より背の高い「タンブラー」形状をしており、真空断熱カップだけが背の低い「カップ」形状。いずれも真空層のある魔法びん構造です。
真空断熱タンブラーや保冷バッグの性能は十分期待に応えているし、サーモスというブランドに対する信頼感もあります。真空断熱カップなら具のあるスープを入れることもできそう!
型番変更に伴い旧型モデルが安くなっており300mlサイズと400mlサイズが併売されています。シェラカップのように汎用性のある食器は多いほうが助かるので大小4つずつ購入してみました。
旧モデルはアイボリー・ピンク・ブルー・グレーの4色、新モデルはキャロット・アボガド・トマト・モカの4色。新旧で性能面の違いはないようです。
地味な色合いが好きなのでベージュとグレーの組み合わせにしましたが、明るいトマトやキャロットも意外と悪くないと思います。ちなみに旧モデルのピンクとブルーは落ち着いた色合いです。
重ねるとコンパクト!
真空断熱カップは持ち手がないため複数個を重ねやすくなっており、ホーローコップ4つを重ねた大きさと真空断熱カップ8つを重ねた大きさがほぼ同じ!
これまではホーロー食器セットに付属するプラスチック製のキャリングケースにホーローコップ4つを入れていましたが、代わりに真空断熱カップ8つがキレイに収まりました。代用品として申し分ないサイズです。
真空断熱カップは真空断熱タンブラーと同じく大きいサイズに小さいサイズがスッポリ収まる「マトリョーシカ仕様」となっており、夫婦や親子でデュオキャンプに行くとき大小1つずつ持っていると使い勝手が良さそうです。
洗いやすい形状
細長い真空断熱タンブラーはとにかく洗いにくい!哺乳瓶を洗うような柄の付いたスポンジを使わないと底まで届かず、奥までキレイに洗うことができない不満点がありました。
浅くて口の広い真空断熱カップなら大人でも洗いやすく、ステンレスのため特段汚れが落ちにくいということもありません。小さな300mlサイズでも洗いやすいです。
真空断熱カップの底は簡単に取り外せるシリコンが付いており、机に置くとき音が小さく滑りにくくなっています。カバーを外して使うと少し不格好に。
自宅やキャンプで使ったとき倒してしまうことはありませんでしたが、横から力が加わったときテーブルの上をうまく滑らず倒れてしまう可能性も。シリコンカバーにはメリットだけでなくデメリットもあるといえます。
なおシリコンとステンレスの間に水が入り込むことがあるため、洗うときや乾かすときはカバーを取り外しておいたほうが無難です。ちなみに本体・ソコカバーともに食洗器で洗えます。
真空断熱カップの性能検証
真空断熱カップの性能を確かめるため保冷力と保温力を比較検証してみました。精密な実験ではないため計測結果は参考程度に見てください。
- 真空ステンレスタンブラー(セブンイレブン)
- 真空断熱タンブラー(サーモス)
- 真空断熱カップ大(サーモス)
- 真空断熱カップ小(サーモス)
- ホーローコップ(キャプテンスタッグ)
- 陶器のマグカップ(モスバーガー)
- シェラカップ(スノーピーク)
約20℃の室内に常温放置された状態(予冷・予熱なし)からスタート。保冷力は100gの氷と100mlの麦茶、保温力は95℃のお湯200mlを入れ、調理用の温度計で定期的に計測しました。グラフの縦軸は温度です。
保冷力比較
保冷力比較の結果、真空層のある容器が驚異的な性能を発揮しました。キンキンに冷えたビールやジュースを数時間冷たいまま飲むことができそうです。
真空断熱タンブラーは「翌朝まで氷が残ってる!」というのが定番の売り文句ですが、サイズに見合う氷を入れれば嘘偽りない事実だと感じます。
真空断熱カップもタンブラーには敵わないものの十分な保冷力を有していました。かき氷やアイスを入れる器として真夏に大活躍すること間違いなし。
1時間経過した時点で容器を移動し結露がどの程度垂れていたのか調べてみると、期待通り左の4つ(タンブラーや真空断熱カップ)は一切結露なし。完璧です。
真空層のないホーローコップや陶器マグ、シェラカップは側面に付いた結露が垂れて、下に敷いてあるコルクボードがかなり濡れていました。結露が気になるときはコースターを敷いたほうが良さそうです。
保温力比較
保温力比較は保冷力とは異なる結果となりました。セブンイレブンの真空ステンレスタンブラーが驚異的な保温力を発揮する一方、真空断熱カップは大小とも振るわない結果。
真空断熱カップのように飲み口が広い容器は側面や底面が真空層でも冷めやすいです。最も空気と接する面の大きなシェラカップが一番早く常温化したのが最たる例。
真空断熱系の容器がいつでも手に持てる一方、ホーローコップと陶器のマグカップは20分ほど経過しないと熱くて持てません。シェラカップの持ち手はいつ持っても大丈夫でした。
30分経過時点でセブンタンブラーが71℃、サーモスタンブラーが55.5℃。1時間経過時点でセブンタンブラーが63℃、サーモスタンブラーが44℃と上蓋の有無で大きな性能差がありました。
セブンタンブラーは底の滑り止めと上蓋が付いて税抜934円とコストパフォーマンス抜群。ブラックとシルバーの2色がコンビニで市販されています。
350mlとサイズが少し小さいうえアウトドアに持ち出すとき複数個をスタッキングしにくい形状ですが、車内や会社で普段使いするときとても便利。2つ衝動買いして日々使いまわしています。
使い勝手の比較結果
保冷力と保温力は上蓋のあるセブンタンブラーの大勝利。真空断熱カップはほどほどの結果、ホーローコップとシェラカップはイマイチでした。
スタッキングの観点ではシェラカップの圧勝。真空断熱カップもそれなりに重ねることができますが、王者シェラカップとは大きな差があります。荷物をできるだけコンパクトにしたいキャンパーにとって、やはりシェラカップは欠かせない食器といえますね。
ホーロー食器の洗いやすさは群を抜いており、熱いものを飲む機会の少ない夏キャンプ中心なら初心者にもオススメ。真空断熱カップはバランスに優れており汎用性の高さが売りです。
まとめ
サーモスの真空断熱カップはアウトドアに適した「重ねてコンパクトに持ち運べる」スタッキング仕様。シェラカップとタンブラーのメリットを取り入れた使い勝手の良い食器だと感じました。
洗練されたデザインと高い機能性は自宅で普段使いしたくなるほど。チャムスのマグのようなキュートでポップな印象はないけど、ステンレスを活かしたシンプルで無骨な感じが男心をくすぐりました。
ファミリーキャンプで使うなら大きい400mlサイズよりも小さい300mlサイズのほうが小さな子供が片手で持ちやすく断然使いやすいと思います。ポトフもアイスも真空断熱カップにお任せあれ。