木々に囲まれた林間キャンプ場から見上げる晩秋のオリオン

南アルプス三景園2泊目の夜に撮影したオリオン座

 11月上旬の週末、山梨県北杜市にある南アルプス三景園オートキャンプ場(以下、三景園)に滞在し、オリオン座や冬の大三角、北斗七星を観察しました。

 木々の合間からオリオン座にある紅白の1等星と3つ並んだ2等星がハッキリと見え、北斗七星のミザールの脇にあるアルコルの存在をはじめて知りました。

 空気の澄んだ秋冬は結露との戦い。ステップアップリングとフィルターを組み合わせると中心部内側に結露が生じ、インターバル撮影に苦戦しました(^^;)

晩秋の星空撮影

 夏は天の川と夏の大三角、冬はオリオン座と冬の大三角を比較的手軽にカメラで撮影できます。晩秋は冬の星座を深夜から明け方にかけて撮影しやすい時期です。

  • オリオン座:主要な7つの星が2等星以上といずれも明るく、郊外でも容易に観察できる冬を代表する星座
  • 冬の大三角:オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンを結んだ三角形
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上弦の月は夜明け前が狙い目

南アルプス三景園で焚き火を囲んでまったり

 三景園での連泊キャンプ1日目の夜、SCWの予報では3時頃から徐々に晴れてくる見込み。4時に目が覚めトイレに向かうと、木々の合間から星が見えました。

 この日は月齢5と三日月と半月の中間、いわゆる「上弦の月」の2日前。22時半には西の空に月が沈んでおり、夜空は新月のように真っ暗。これは勝利の予感!

上弦の月は「昼間に東の空から上がり、夕方に南中し、日付が変わる頃に西の空に沈む」と小4の息子に教えてもらいました(^^)

オリオン座がひょっこり

南アルプス三景園から見上げるオリオン座

24mm, f2.0, 15sec, ISO1600

 三景園は初心者向けの高規格キャンプ場ではないため、場内の照明はやや暗め。星空撮影する自分にとっては好都合です。まずは三脚やカメラを担いで場所探し。

 全体的に高い木々に囲まれているため、視界の開けた場所をなかなか見つけられず。中央道の大渋滞で到着が遅れ、あらかじめ下見できなかったのが痛い。

 炊事場の近くで空を見上げるとオリオン座がひょっこり。ちょうど収まるように撮ったつもりだったけど、左下の2等星(サイフ)だけ隠れてしまったorz

冬の淡い天の川は見えず

南アルプス三景園の管理棟前で星空撮影

24mm, f1.4, 15sec, ISO800

 11月上旬はオリオン座やシリウスが上がってくる時刻が遅いため、林間サイトから見上げる角度で撮影に適している時間帯は夜中の2時以降と思われます。

2月上旬に浩庵キャンプ場@本栖湖でソロキャンプしていたときは、21時には富士山の上まで上がっており、シリウスもバッチリ見えていました。
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 管理棟前に移動すると、場内が明るすぎるからか冬の淡い天の川は見えておらず、冬の大三角も木々に遮られ確認できず。この日は1時間ほどで撮影終了zzz

オリオン座リターンズ

木々に囲まれた林間サイトから見上げるオリオン座

24mm, f1.4, 8sec, ISO1600

 三景園での連泊キャンプ2日目の夜、サントリー白州蒸溜所から帰還後に場内を見てまわり、それなりに視界の開けていそうな場所をいくつか探しておきました。

 前夜よりもやや雲がかかり、満天の星々は撮れなそう。期待せずに星空撮影を始めると、前日同様に月明かりはなく、なんとかオリオン座の7星が全て見えました(^^)

 オレンジ色のベテルギウスはさそり座のアンタレスと同じく1等星かつ赤色超巨星、青白いリゲルは青色超巨星。3連星を挟んで1等星が対峙しているのが興味深いです。

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ほぼ正三角形の冬の大三角

南アルプス三景園から見上げる冬の大三角

24mm, f1.4, 10sec, ISO800

 少し場所を変えると更に視界が開け、オリオン座の左下にはとても明るいシリウス、その左上にはプロキオンがあり、ほぼ正三角形になる冬の大三角が見えました(^^)

 5枚ほど冬の大三角を撮ったところで写りに変化あり。レンズの先端に付けていたソフトフィルターが曇っており、秋冬の星空撮影特有の夜露(結露)にやられた模様orz

 三脚とカメラを担いでテントに戻り、モバイルバッテリーとレンズヒーターを持ち出し、レンズの先端に巻いてフィルターの曇りが取れるのを待ってから撮影再開。

フィルターの内側が曇る

フィルター内側の中央が曇って大失敗

 コンポジット用にインターバルタイマー撮影を仕込んで待っていると、レンズヒーターの効果で周辺部の曇りはなくても、なぜか中央部が再び曇ってきたorz

 もしや…フィルターの内側の中央部だけ曇っているのかも?真っ暗闇の中、ソフトフィルターを外して内側を拭き、付け直して数枚撮影の繰り返し。

  • レンズヒーターの出力が足りない?安物だからダメなのか!?
  • ステップアップリングのせい?レンズフードを付けられなかったから?
  • レンズヒーターの熱がフィルターの中央まで届いていない?

通路沿いから眺める北斗七星

炊事場前から見上げる北斗七星

24mm, f1.4, 10sec, ISO800

 オリオン座とは反対側を向き、林間サイトの通路沿いから北斗七星を軽く撮影。なんとなく下から二番目の星のすぐ近くに別の星があるようなないような…

地方によっては「寿命星」などと呼ばれ、この星が見えなくなると年内に死ぬという言い伝えがある。ただし、以前に見えていたアルコルが見えなくなるのは老眼のせいと考えられるため、全く根拠のない迷信とは言い切れない部分もある。

出典:Wikipedia「アルコル」

 Wikipediaによると2等星「ミザール」のすぐ脇には4等星「アルコル」があり、目が良い方は肉眼でも見分けることができるそう。視力0.1の自分はまったく見分けられず。

北斗七星で視力測定

北斗七星のミザールとアルコルを見分ける

24mm, f1.4, 10sec, ISO800, トリミングあり

 キャンプでこういう新しい発見があるのって面白いですね。北斗七星は北の方角にあるので、端から2番目のミザールとアルコルが分離されているかキャンプ場でご確認を(^^)

 2日目夜の撮影は1時間半ほどで終了。今回は24mm単焦点1本で撮影しましたが、オリオン座や冬の大三角を撮るなら35mmや50mmも良さそうに感じました。

 どの時期にどの場所から、どの方角にどの星座が見えるか。どのレンズ(焦点距離)を使うと程良く星座が写真に収まるかは、ステラナビゲーターを使うと一目瞭然です。

まとめ

紅葉キャンプには少し早かった南アルプス三景園オートキャンプ場

 思いのほか夜露と結露に苦戦し、あまり撮影枚数を稼げませんでした。そもそも曇っていることに気付くのが遅れ、ボツになった写真多数というのもあります。

 今更ながら、ソフトフィルターを前面に付けると周辺部が流れてしまうような気がします。それよりもまずはフィルターの内側が曇る問題を先に解決しないとorz

 ふもとっぱらや浩庵キャンプ場のような視界の開けたキャンプ場は星空撮影に適していますが、三景園のような林間キャンプ場は木々があり、やや難しい気がしました。

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