遠出キャンプは自分の目で見て、耳で聞き、肌で感じて学ぶ絶好の機会

道の駅高田松原から見る景色

 休暇村陸中宮古「姉ヶ崎オートキャンプ場」で過ごす夏休み。メインは外遊びですが、小学校の社会科について理解を深めるため、お勉強も兼ねた遠出キャンプです。

 小岩井農場で畜産について学び、盛岡3大麺の1つ「わんこそば」に初挑戦。日本三大鍾乳洞「龍泉洞」や三陸を代表する景勝地「浄土ヶ浜」などを巡りながら地理のお勉強。

 東日本大震災の被害を学ぶため、道の駅や奇跡の一本松、鯨と海の科学館などを見学したり、キャンプ場近くの崎山貝塚縄文の森ミュージアムで歴史のお勉強をしました。

休暇村陸中宮古周辺の観光スポット

 岩手キャンプ前編の続き。休暇村本館とキャンプ場に計4日間滞在し、盛岡周辺や三陸海岸沿いを散策。三陸自動車道が開通したことで南北の移動はしやすくなっています。

岩手を代表する観光地「小岩井農場」

岩手を代表する観光地「小岩井農場」

 乳製品等でおなじみの小岩井ブランド。休暇村陸中宮古から農場まで約2時間半です。片道約120kmのうち70kmほどが山道。途中に2ヶ所、道の駅(区界高原、やまびこ館)があります。

1891年(明治24年)、日本鉄道会社副社長の小野義眞、三菱社社長の岩崎彌之助、鉄道庁長官の井上勝の三名が共同創始者となり3名の姓の頭文字を採り「小岩井」農場と名付けられた。

真夏の小岩井農場で自転車遊び

 敷地の一部が「まきば園」として公開されており、年間約70万人が訪れる岩手を代表する観光地の1つ。広大な芝生が広がり、牛舎を見学したり遊具で遊ぶなどのんびりできます。

 往復5時間の道のりなので、連泊の中日に出かけるのがおすすめ。途中で盛岡市内を通過するため、冷麺やじゃじゃ麺を食べたり、名産品の南部鉄器を見たりするのも楽しそう。

公式サイト小岩井農場

家族で気軽に挑戦できる「わんこそば」

盛岡の初駒本店で人生初のわんこそばに挑戦

 せっかく盛岡まで来たら、冷麺やじゃじゃ麺ではなく、わんこそばを食べてみたい。小岩井農場から休暇村に戻る途中、盛岡八幡宮の門前にある「初駒本店」で初挑戦しました。

 大人の目標は記念品をもらえる100杯。わんこそば15杯でかけ蕎麦1杯分に相当するため約7杯分です。結果は余裕を残して111杯でした。小学生を含む家族みんなで楽しく参加できますよ。

公式サイト初駒本店

日本三大鍾乳洞「龍泉洞」

日本三大鍾乳洞の1つ「龍泉洞」

 日本三大鍾乳洞の1つ、岩泉町の龍泉洞。休暇村陸中宮古から約1時間です。なお龍泉洞以外の他2つは、いずれも西日本(山口の秋芳洞、高知の龍河洞)にあります。

洞内総延長は知られている所で4,088mで、そのうち700mが公開中。 見つかっている地底湖は8つで、そのうち3つが公開中。 現在も調査が継続中で未知の部分もまだまだ多く、総延長は5,000m以上ではないかと言われています。

悠久の時が生んだ芸術品の様な鍾乳石たち。世界有数の透明度の目の覚めるような青い地底湖。龍泉洞は一度見れば忘れられない感動を味あわせてくれることでしょう。

龍泉洞の地底湖は国内有数の透明度

 後述の浄土ヶ浜と共に、休暇村陸中宮古から出かける観光地の鉄板。気温33℃の真夏日でしたが、龍泉洞の内部は気温10℃前後。Tシャツ1枚だと肌寒いため、上着持参がおすすめ。

 雨が降った後に訪れると天井からポタポタと滴が落ちてくるので、防水性のあるレインウェアか撥水加工されたウインドブレーカーを羽織り、頭に帽子を被ると安心です。

公式サイト龍泉洞

道の駅たろう周辺の津波遺構

岩手県宮古市の津波到達点

出典:宮古市「津波到達点」

 岩手県宮古市田老地区。過去に何度も大きな被害を受けており、津波太郎(田老)と呼ばれるほど。巨大堤防の内側にある道の駅たろうまで休暇村陸中宮古から約20分です。

岩手県宮古市の田老地区(旧田老町)には、津波対策として、世界最大規模の総延長2433m、海抜10mに及ぶ巨大防潮堤「田老の防潮堤」が存在しており、比喩的に「万里の長城」とも呼ばれていたが、東北地方太平洋沖地震の津波はそれを破壊し、町は壊滅状態になった。

 道の駅の裏手にある防潮堤に上ると津波遺構「たろう観光ホテル」が見えます。震災から約10年経過し、復興が進む中、リアス式海岸の津波の脅威を見て感じることができます。

NHKアーカイブス津波のまち 田老の記憶

最大30mにもなる潮吹穴

道の駅陸中宮古から歩いても行ける潮吹穴

 休暇村陸中宮古から徒歩でも行ける観光スポットの1つ、潮吹穴。クルマだと駐車場から徒歩10分ほど。遊歩道はアップダウンが激しいため、サンダルではなくスニーカーがおすすめ。

 大きな波が打ち寄せると、岩の下にある洞窟から波の圧力で海水が一気に吹き出します。波と風の条件が揃うと高さ30mまで上がるほど規模が大きく、全国でも屈指の大きさとのこと。

 自分が行ったときは海が穏やかで風も弱かったため、目視でこそうっすら見えるものの、写真にはうまく残せず。出かける前に気象状況を調べてから行くと失敗せずに済みます。

崎山貝塚縄文の森ミュージアム

国指定史跡の崎山貝塚

 宮古市街地から休暇村に向かうとき、国道沿いの奥にチラッと見える崎山貝塚縄文の森ミュージアム。休暇村陸中宮古から約5分、最寄りのコンビニ(ファミリーマート)のすぐ近くです。

崎山貝塚縄文の森ミュージアムは、国指定史跡崎山貝塚から出土した遺物や貝塚をはぎ取った地層の展示、プロジェクションマッピングなどを用いた映像展示のほか、火おこし・弓矢体験など縄文体験を行うことができる、考古系ミュージアムです。

崎山貝塚縄文の森ミュージアムの展示物

 出土した土器や竪穴住居の再現があります。小学5年生の日本史は最初に旧石器時代や縄文時代が出てくるので、タイミング的にピッタリな場所でした。大人200円、高校生以下は無料です。

公式サイト崎山貝塚縄文の森ミュージアム

浄土ヶ浜を陸と海から眺める

 三陸を代表する景勝地、浄土ヶ浜。昔の和尚さんが「さながら極楽浄土の如し」と感嘆したことが由来とのこと。休暇村陸中宮古からクルマで約15分、星空撮影地としても有名な場所です。

三陸を代表する景勝地「浄土ヶ浜」

 一帯が観光地となっており、県立水産科学館や遊覧船などがあります。レストハウス近くの砂浜は海水浴場として賑わっていますが、駐車場から徒歩10分ほどかかるため要注意。

宮古観光文化交流協会浄土ヶ浜へ行ってみよう

道の駅みやこ「シートピアなあど」

道の駅みやこの津波による浸水ライン

 周辺の詳しい情報を集めたり、瓶ドンなどの名産品を探すとき便利な道の駅みやこ。休暇村陸中宮古から約15分、名称の「なあど」とは「いかがですか?」に近い意味の方言だそうです。

 港に面した海抜の低い場所にあるため津波で大きな被害を受けており、2階まで浸水したラインが残っていました。向かいの魚市場に水揚げされた魚介類を手軽に購入できます。

公式サイト道の駅みやこ シートピアなあど

鯨と海の科学館

鯨と海の科学館に展示されている実物骨格標本

 宮古市の南、山田町にある鯨と海の科学館。休暇村陸中宮古から約40分です。国道沿いの「道の駅やまだ」よりも低かった当科学館もまた、津波で大きな被害を受けていました。

鯨と海の科学館は、クジラを通じて彼らが住む三陸の海、そして海を育てる豊かな自然環境について知ることをテーマにしている自然科学博物館です。

 館内天井にある巨大なマッコウクジラの実物骨格標本ならびに実物大模型は見応え十分。鯨の進化についての展示や捕鯨の歴史などを学ぶことができます。

公式サイト鯨と海の科学館

釜石ラーメン「新華園本店」

釜石ラーメン発祥の店と言われる新華園本店で食べたラーメン

 盛岡三大麺ほど知名度はありませんが、鉄とラグビーの街「釜石」でいただいた釜石ラーメンもなかなか。休暇村陸中宮古から約1時間、発祥の地と呼ばれる新華園本店に行きました。

 新華園も津波で店内はめちゃくちゃになったとのこと。駐車場がわかりにくいですがお店の裏に数台分あります。すぐ近くにイオンタウンがあり、岩手県南東部では買い物に便利な場所です。

陸前高田「奇跡の一本松」など

道の駅高田松原周辺の震災遺構マップ

出典:道の駅高田松原

 宮城との県境にある陸前高田市もまた津波被害が大きかった場所。休暇村陸中宮古から約1時間30分です。道の駅高田松原や国営追悼祈念施設、津波伝承館などが整備されています。

 全国的にも有名な「奇跡の一本松」があり、旧道の駅や気仙中学校などが震災遺構として残されています。地震と津波で市内の99.5%の世帯が被害を受けたと知り、激しく衝撃を受けました。

公式サイト道の駅高田松原

まとめ

休暇村陸中宮古姉ヶ崎オートキャンプ場を拠点に岩手を観光

 真冬の安比高原には何度も行ったことがありますが、生まれて初めて訪れた三陸海岸。震災の爪痕が残る被災地の現状を目で見て、耳で聞き、肌で感じる貴重な機会となりました。

 キャンプは普段見かけない植物や動物と触れ合うため、意識せずとも理科の勉強になるのですが、滞在中に史跡や景勝地を巡れば社会科の勉強にもってこいかもしれませんね。

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