ウェザーマスターの2ルームテント「コーチ」が人気急上昇中!?

 コールマンの最高峰モデル「ウェザーマスター」シリーズが身近なところで大人気!スノーピーク製品の1ユーザーとしても興味があり、なぜウェザーマスターが人気爆発しているのか調べてみました。

 スポーツオーソリティやヒマラヤのセール期間に入り、はじめての2ルームテント選びをお手伝いする機会に恵まれたので昨今の状況を聞き取りしてみると、コールマン「ウェザーマスター ワイド2ルーム コーチ」の人気が高まっている模様。

 どうやら「相対的にスノーピーク製品が高くなりすぎて、徐々に新規ユーザーからの人気が落ちてる」というのが理由の一つではあるのですが(苦笑)

2ルームテントの魅力

フリーサイトで設営完了

 初夏を迎え本格的なキャンプシーズンが到来し「そろそろレンタルテントを卒業してマイテントが欲しい!セール期間に買いたい!」と考えるキャンパーが増えてきているようです。

 2ルームテントを購入検討されている方に向けて、スノーピークのトルテュproユーザーとして感じた2ルームの魅力を伝えてみようかと思います。

  1. リビングに入ってくる虫が少ない。スカート付きなら更に快適。
  2. 設営手順が少ない。ドーム型テントとスクリーンタープの連結作業が不要。
  3. ドーム型テントは夏とても暑い。2ルームはフルメッシュなら快適。

 これまでの拙い経験を踏まえると、代表的なものは上記3点に尽きるかなと。2ルームのデザインが好きとか、悪天候にも強いとか、立って着替えやすいとか、インナーが吊り下げ式で濡れにくいとか、他にもメリットと感じることはあります。

虫対策としての2ルーム

 女性を中心に虫を苦手とする方は結構多く、ヘキサタープのようなオープンタープだと食卓に虫が集まってくることも多々あります。虫が苦手だから2ルーム、というチョイスは検討の余地があるかもしれません!

GWキャンプはリビシェル大活躍

 ヘキサタープで過ごすのが厳しいときは、上の写真のようなスクリーンタープを購入して「虫が入ってこないように大きな蚊帳の中で過ごす」というスタイルが魅力的に感じるのかな、と。

 ドーム型テントとスクリーンタープを別々に設営すると、双方の往来が多くなり扉の開閉回数が増える=虫が入る可能性が高まるといえます。

 そうすると次に考えるのは「スクリーンタープとドーム型テントを連結しておけば、寝室とリビングを行き来しても虫が入りにくいのでは?」となります。スノーピーク製品だとよくあるのが「アメニティドーム+メッシュシェルター+メッシュシェルタートンネル」のパターンです。

さすがに張り綱しないと厳しい

 ドーム型テントとスクリーンタープの2張を設営してから双方を連結すると、トータルではかなりの労力と時間をかけていることに。実際にやってみるとわかりますが、意外と骨の折れる仕事です。

 2ルームテントだったら1張だけ設営すれば済むし「ちょっと高いけど、トータルで考えれば苦労も減りそう!」となるわけです。

 キャンプに詳しい店員さんの意見をよく聞いておかないと、2ルームテントにたどり着く前に(我が家のように)経験を積むための出費をしてるかもしれませんね(苦笑)

ウェザーマスターの2ルーム

 ウェザーマスターやコンフォートマスターは「マスター」シリーズとして性能・価格帯ともにコールマンの最高峰モデルとの位置付けで販売されており、ドーム型テントや2ルームテント、テーブルやチェアなど幅広くラインナップされています。

ウェザーマスターシリーズのラインナップ

 2016年現在、ウェザーマスターの2ルームテントとしては以下の3種類が用意されており、ライバルであるスノーピークの2ルームシェルターに対抗できる品揃えとなっています。

  1. ウェザーマスター ワイド2ルーム コクーンⅡ(以下、コクーン)
  2. ウェザーマスター ワイド2ルーム コーチ(以下、コーチ)
  3. ウェザーマスター ワイド2ルーム STD(以下、STD)

トルテュとランドロックの比較

 ウェザーマスターとスノーピークを直接比較するなら大きさ的にコクーンとランドロック、コーチとトルテュ(もしくはリビシェルロング)、STDとタシークといったところでしょうか。

 どれもレベルの高い2ルームですが、ウェザーマスターのスペックを比較してみると特徴がよく現れているように感じました。

2ルームのスペック比較

単位:cm コクーン コーチ STD
全長 670 610 565
全幅 400 365 335
全高 220 205 200
インナー長辺 360 330 300
インナー短辺 260 290 240
インナー奥行 240 220 225
インナー高さ 195 185 175
リビング奥行 405 365 315
総重量 約30kg 約26kg 約18kg
税抜定価 15万円 13万円 9.5万円

 スノーピークのラインナップとは異なり、サイズと値段が徐々に小さく安くなるのがウェザーマスターワイド2ルームの特徴です。STDは2ルームとしては結構小さめなサイズ。

ウェザーマスター2ルームSTD

 単純なスペック比較ではコクーンが5人家族、コーチが4人家族、STDがデュオもしくは3人家族に適しているように感じました。大人2名+子供2名のファミリー向けに最適なコーチの魅力を少し掘り下げてみます。

ウェザーマスター コーチの魅力

 スペック比較の通り「コクーンよりも一回り小さく、STDよりも一回り大きな」2ルームテントがコーチ。我が家の使っているトルテュとガチンコでぶつかるライバルです。

ウェザーマスターワイド2ルームコーチ

 ランドロックやコクーンの広々とした居住空間はとても魅力的ですが、実物を見て「こんな大きなテント、初心者には立てるの無理かも」と怯んでしまう方もいるかと思います。

 一般的にテントは小さく低いほうが設営しやすくなっており、あまりに大きなサイズを買うのは合理的ではありません。

 千葉市にあるスポーツクロス蘇我店にはコーチが設営された状態で展示してあったため、机上のスペックだけではわからない細かい部分まで実際に確認することができます。

ウェザーマスターのスクリーンタープ

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スカイビューベンチレーション

 コーチの最大の特徴が「スカイビューベンチレーション」。天井のファスナーの開閉で換気と採光を調整することが出来る仕組みです。

 日除けや寒いときはフルクローズ、換気をしながら直射日光を避けたいときはハーフオープン、換気&採光ならフルオープンすることで状況に応じて対応することが出来る様になっています。

 同じ仕組みが新型コクーンにも採用されており、ウェザーマスターの2ルームの目玉機能となっています。天気の良い夜、リビングに月明かりを取り込めるというのは雰囲気的にも明るさ的にも最高、実に羨ましい機能!

ウェザーマスター vs スノーピーク

朝の富士山とトルテュ

 上位モデルのメインストリーム、ウェザーマスター「コーチ」とスノーピーク「トルテュpro」、ついでに「リビングシェルロングpro」も比較してみました。

単位:cm コーチ トルテュ リビシェル
ロング
全長 610 580 530
全幅 365 360 415
全高 205 205 220
インナー
長辺
330 300 365
インナー
短辺
290 220 255
インナー
奥行
220 220 215
リビング
奥行
365 355 310
総重量 約26kg 約24kg 約19kg
税抜定価 13.0万円 17.8万円 17.3万円

 コーチとトルテュのサイズを比べてみると相当近い幕体スペックだと思います。コーチのほうが全体的に少し大きく、インナーテントのサイズにも余裕があるため4人家族にピッタリ。

 参考として載せたリビシェルロングは正方形に近い形状となっており直接的な比較が難しいです。やはりコーチの直接相手はトルテュになるのかなと。

真夏にトルテュproをフルメッシュ化

  • 天井のスカイビューはコーチのみ
  • キャノピーのサイドウォールはトルテュのみ
  • フライシートのメッシュはトルテュが多め
  • インナーテントのメッシュはコーチが多め
  • キャノピーポールとインナーテントは両方とも付属
  • ルーフフライ(シールドルーフ)はコーチのみ付属
  • グランドシートは両方とも別売りで設定あり
  • インナーマットはトルテュのみ別売りで設定あり
  • 設営難易度はトルテュ>コーチ>>リビシェル

 スペック表での比較以外で両者の差異を並べると上記の通りですが、やはりコーチとトルテュの一番大きな違いとしては「セールでの実売価格差」。

 しかも上記比較表に記載した金額は本体定価のみで比較しており、標準付属品の違いとスポーツオーソリティでのセール割引率にも着目する必要があります。

無視できないほどの実売価格差

無印津南でトルテュ

 トルテュのオプション品として遮光性能向上と結露軽減に効果のある「シールドルーフ」があります。コーチにはルーフフライが付属していますが、トルテュのシールドルーフは税抜定価12300円で別売り。

 スポーツオーソリティのセールでスノーピーク製品が15%オフ、ウェザーマスターが20%オフとなることを踏まえオプションを加味した合計金額を計算してみると、実売価格には次のとおり大きな差がありました。

  • コーチ:112320円(税込)
  • トルテュ:174695円(税込)

立ち並ぶランドロックの数々

 もちろん完全に同一スペックではないのですが、ほぼ似たようなスペックを持った2ルームが実売価格で6万円以上異なる現状となっています。

 もしスノーピーク製品がヒマラヤセールのように2割引だったとしても、依然として5万円以上の価格差があり一般人が無視できないほどの価格差。

 コールマンの価格設定の巧妙さにより、スノーピーク製品(トルテュ)と比較して相対的にコーチの人気が出た理由がある気がしてきました。スノーピーク製品の価格設定が、いくらなんでも強気すぎると感じてしまいます。

なぜスノーピーク製品が選ばれないのか

スノーピーク本社見学ツアー

 幕体だけは(値上げ前に駆け込みで)スノーピーク製品に統一した我が家ですが、最近まわりでよく聞くのが「スノーピーク製品っていくらなんでもちょっと高すぎじゃないの!?」という話。

 2015年後半のスポーツオーソリティのセール割引率変更、2016年初にスノーピーク製品が一斉値上げされたことで割高感を感じる人が一気に増えてきたようです。コストパフォーマンスに優れ、沼の入口として有名なアメニティドームMサイズですら値上げでしたし。

 スノーピークのビジネスモデルはおそらく「累計購入金額の多い(≒忠誠心の高い)一部のユーザーがたくさん商品を買ってくれるから、ブランドイメージを崩さないように高く維持しておけば、ある一定の層は(既存ユーザーから伝播して)自動的に新規ユーザーとなってくれるはず」というものなのかな・・・?

昔懐かしいスノーピーク

 最近テントを新しく買いたいと言っていた人々が、軒並みスノーピークを毛嫌いというか「オプション含め諸々揃えると予算オーバーすぎてスノーピークは無理!」と言って候補から即座に外しているのが気がかり。

 あくまでも一例としてですが、トルテュproの廉価版であるトルテュライトをあんなに値上げして本当に販売戦略として大丈夫だったんでしょうか!?

 エントリーモデルで10万円を軽く超えた2ルームに「価格を抑えてお求めやすくしました」っていわれても、その金銭感覚って普通でしょうか・・・値上げ後あまり売れてないんじゃないですかね(苦笑)

コールマンの隆盛、再びかも!?

コンフォートマスターシリーズのテーブル

 昨今のアウトドアブームと景気動向もあってスノーピーク人口が増えていると思いますが、これからは再びコールマン人口が増えてくるような気がしています。

 スノーピークは「キャンプ業界のアップル」なんて言われることがあるのですが、アップルとはマーケティング戦略の違いを感じていて(1ユーザーとして)行く末がちょっと気になります。

 2015年当時、スノーピークに多少の良心(?)が残っていた頃の価格設定でもフルセットはかなり高いと感じますが、現在はさらに3万円以上値上がりしているかと。

ウェザーマスターコーチが人気なわけ

コーチのスカイビューベンチレーションが良い

 比較対象となるスノーピーク製品がキャンプビギナーの間でざわついているという追い風もあり、ウェザーマスターの人気が高まっているのではないかと思われます。

  • 幕体としての基本スペックが優秀。スノーピーク製品と同等レベル。
  • 一般的なサラリーマンのボーナスで買える価格帯に抑えてある。
  • スノーピーク製品と比べコストパフォーマンスに優れている。
  • スカイビューベンチレーションが女性陣から特に好評らしい。
  • 設営に必要なアイテムが一式含まれており追加購入しなくてよい。
  • インナーテントのメッシュが左右にもあるため真夏への対処は万全。
  • トルテュよりも立ち上げやすいフレーム構成と設営手順。
  • カラーもシックで落ち着いておりデザインも秀逸。

 全国各地でコーチが売り切れ続出!とはならないと思いますが、少なくとも我が家のまわりでは既に1組が購入済み、もう1組が購入間近となっている現状。ものすごく大人気です。

 ウェザーマスターワイド2ルームコーチはファミリーキャンプで大活躍しそうな2ルームテントの名作ですが、大幅値上げ前のトルテュproなら好勝負だったような気がしています。スノーピークユーザーとしては複雑な気分・・・。

まとめ

マスターシリーズはコールマンの最高峰モデル

 コールマンの最高峰モデル「ウェザーマスター」シリーズ、2ルームテント「コーチ」の人気が出ている理由を考察してみました。

 ライバルとなるべきスノーピーク製品が勝手に自滅している感が否めないのですが、2ルームというのはファミリーキャンプにおいて中核をなす道具かな、と。2ルームにどのメーカーを選ぶかは、後々のキャンプ用品の買い増し行動に大きな影響を与えている気がします。

 なお虫がそこまで苦手でなければ(スクリーンタープではなく)ヘキサタープとドーム型テントの組み合わせもオススメ。ヘキサタープの開放感こそ「これぞアウトドア!」的な感覚かも!?

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