噴火湾パノラマパークにある「オートリゾート八雲」は道南随一・北海道屈指の高規格キャンプ場。海を見下ろす眺望が抜群に優れ、美しく広々としたサイトは開放感たっぷり!
函館や大沼などの観光地にも近く道南を旅行するときの拠点にも最適だと思います。トイレや炊事場など水まわりの清潔さはキャンプ初心者にも安心です。
全国的な知名度こそ高くないものの、過去に行ったことのあるキャンプ場をランキングすると確実にトップ5入りするほど気に入ったオートリゾート八雲のキャンプ場レポをお送りします。
この記事の目次
基本情報
オートリゾート八雲は北海道立噴火湾パノラマパーク内にあるオートキャンプ場。函館市中心部からクルマで北へ約1時間半、北海道二海郡八雲町にあります。
内浦湾を見下ろす高台にキャンプ場があり、カーサイトやフリーテントサイト、ロッジなど充実した施設と美しい景色を有する高規格キャンプ場です。
噴火湾パノラマパークは道央自動車道の八雲PAに隣接しており徒歩で園内を散策できるものの、キャンプ場に行くためには八雲ICもしくは落部ICで道央道を降りて向かいます。
photo by 施設案内
オートリゾート八雲にはクルマを横付けするオートキャンプスタイルのカーサイトが30区画、星座の名を冠した二階建てのロッジが12棟、フリーサイトが16組分ほどあります。
場内は芝生が美しく維持されており、自前のバーベキューグリルを芝生で使うときは地面から40cm離すのがルール。キャンパーのモラルが高いのか焼け焦げたあとなどは一切見かけませんでした。
ユニフレームのファイアグリルやスノーピークの焚火台は地面から40cm離れていないため、下にコンクリート製のブロックを敷いて使う必要があります。ブロックはセンターサークルなどに置いてあります。
カーサイト
入場ゲートからセンターハウスの方向に向かって真っ直ぐ緩やかに下る舗装路の両側に点在するカーサイト。オートリゾート八雲の主役ともいうべき区画サイトです。
カーサイトは全区画AC電源付となっており、ホットカーペットや電気ケトルなど便利な家電を持ち込むスタイルにもピッタリ。
大型のベンチテーブルと焚き火可能な野外炉もカーサイト全区画に設置されています。地面の芝生はペグの抜き差しも良好でキャンプ初心者にも安心!
カーサイトA
カーサイトAは周囲に木々がなく圧倒的な開放感と眺望を得られる、最もオートリゾート八雲らしいエリア。各区画には炊事用の個別シンクが設置されています。
開放感の裏返しとしてプライベート感はあまりないものの、区画同士の距離が十分に確保されており窮屈に感じることは全くありません。
カーサイトAの近くには展望台やウッドデッキなどがあり、子供達が遊びに行っても目の届く範囲の距離感です。とにかく敷地に余裕があるためのびのびできます。
朝から夕方まで天然の日陰を確保することはできないため、日差しの強い季節はタープやシェルターが必須になるかと思います。
キャンプ場が高台にあり場内全体に遮蔽物が少ないため強い風には気をつけたいところ。海から吹き上げてくる突風によりタープが下から持ち上げられるとペグが抜けたりタープ本体がポールから抜けてしまうかもしれません。
カーサイトB
カーサイトBは場内で唯一、ペット同伴が可能なエリア。センターハウスやツリーハウスよりも下段にあり、他のエリアから少しだけ離れた場所です。
カーサイトA同様に個別シンクが設置されておりサイトも平坦。地面の芝生が非常に美しく、隣の区画ともキチンと距離が確保されています。
ペットはエリア内のみ同伴可能で、エリア外に連れ出したり散歩させたりすることはできません。 塀で囲みノーリード可能となっているキャンプ場が全国にはいくつかありますが、オートリゾート八雲は放し飼い不可です。
私自身が動物アレルギーなので気持ちがよくわかるのですが、世の中にはペットが大好きなキャンパーと苦手なキャンパーがいます。同伴できるエリアがキッチリわかれているのはペットNG側として本当にありがたいです。
区画内ではリードを付けておけばよく、スノーピークのドッグアンカーのようなものを地面に突き刺すと便利かもしれません。
下段にあるためカーサイトAほどの開放感はなく一部市街地が視界に入ってしまうものの、カーサイトBの一部区画からは内浦湾を見下ろすことができました。
区画の目の前ではないもののキャンプ場内にドッグランが用意されています。パノラマパークの遊具ゾーンに向かって坂道を下る途中にあります。
カーサイトB近くにはオートリゾート八雲名物の五右衛門風呂もあります。自らお湯を沸かして入るお風呂はアウトドアらしい体験として大人も子供も楽しめそうです。
宿泊予約するときエリアを選べるため、ペットありならカーサイトBを、ペットなしならカーサイトAを選ぶとキャンプ初心者にも安心です。
カーサイトC
カーサイトCは開放感抜群なオートリゾート八雲では珍しく木々に囲まれ日陰を確保できる区画があるエリア。C1~C6が林間サイト、C7~C10が平原サイトとなっています。
カーサイトA・Bとは異なり個別シンクが設置されておらず、利用料金も1泊1,000円ほど安くなっています。野外炉やベンチテーブル、AC電源は設置済みです。
林間サイトは朝日や夕日を遮ることができるため、真夏の暑い日など少しでも涼しさが欲しいとき高い木々が役立ちそうです。特にC1~C4は日陰を期待できます!
カーサイトCの平原サイトC7~C10はカーサイトAと似た雰囲気で、開放感に優れ各区画も3張設営できそうなほど広いものの、内浦湾やパノラマパークを見下ろすことができませんでした。
また個別シンクがないため、共同の炊事棟としてキャンプ場の中央にある星の広場もしくはフリーサイト近くのフリーテントサークルを使います。
個人的な感想としては、あえてカーサイトCに滞在するなら他のキャンプ場でも良いかもしれません。けして悪い印象はないもののオートリゾート八雲らしい特徴には少し欠ける印象があります。
カーサイト以外
入場ゲートから最も遠い場所にあるのがフリーサイト。カーサイトのように区画で仕切られていないため広々と使えるものの、クルマを乗り入れることができないため近くの駐車場に停めて荷物を運ぶことになります。
フリーサイトの収容数は16サイト程度。センターハウスから伸びる道路を挟んで両側に美しい芝生が広がっており、傾斜地に沿ってテントやタープを設営していきます。
フリーサイトの平坦な場所は限られており、ほとんどの場所が緩やかな斜面になります。傾斜地の宿泊に慣れていれば問題ないものの、キャンプ初心者が大きな幕体を設営すると水平の確保に苦戦するかと思います。
個別シンクやテーブルベンチは存在しないため共用の炊事棟を利用します。距離としては遠くないものの斜面の一番下に設営すると往復はそれなりに苦労しそうです。
フリーサイトは比較的軽装備なソロキャンパーやキャンプしながらツーリングで旅しているキャンパーに適していると感じます。
キャンピングカーサイト
数は少ないながらもキャンピングカー用のエリアも用意されています。キャンピングカーサイト(カーサイトD)はセンターハウスの目の前にある3つの区画サイト。
オートサイトA・Bと同じくAC電源・個別シンク・ベンチテーブル・野外炉付き。キャンピングカーでの旅行で役立つであろう、カセットトイレが処理可能な汚水排水口も設置されていました。
充実のロッジ
オートリゾート八雲の中で最も高台にあるロッジは、設備が超充実しているだけでなく建物内が清潔にメンテナンスされており快適そのもの。
計12棟ある各ロッジにはおひつじ座からうお座まで星座の名前が付いてます。1階がキッチン・ダイニング・バス・トイレ、2階が寝室です。
クーラーなどの冷房設備はありませんでしたが、内浦湾に向かって大きなガラス戸があり網戸にしておけば風が通るため十分涼しいかと思います。
キッチンには冷蔵庫・電子レンジ・トースター・電気ポット・炊飯器などの電化製品の他、ガス台が設置されており、不自由なく過ごせてしまうほど備品が充実!
あらかじめ備え付けられている調理器具や食器はやかん・両手鍋・片手鍋・フライパン・まな板・ボール・ザル・水切りかご・汁わん5つ・ご飯茶碗5つ・皿(大中小)5枚ずつ・カレー皿5枚・グラス5つ・ビールジョッキ5つ・急須・コーヒーカップ5つ・食器用洗剤・スポンジです。
スプーンやフォークなどはプラスチック製のケースに一式入っており、チェックイン時に鍵と共に預かりチェックアウト時に鍵と一緒に返却。なおセンターハウスでダッチオーブンや飯盒などをレンタル可能です。
タープを屋根代わりに
内浦湾側に設置されているウッドデッキ部分には屋根が一切ないため、自前もしくはレンタルしたタープを張ることができます。
ヘキサやレクタのようなオープンタープだけではなく、リビングシェルのようなスクリーンタープでも問題ありません。なおテントはNGとのこと。
大きなガラス戸を網戸にしておくと雨が入りやすくなるため、小さなレクタを庇のように張っておくとロッジがより快適になりそうです。
ロッジでは大きなロフトが寝室となります。マットレスや寝袋、枕まで備え付けられており、マットレスはクッション性に優れていました。
快適なコット寝でキャンプしている自分としても寝心地は良かったです。ロフトの窓には1つだけ網戸が付いており、窓を開放したまま寝ると8月でも風が通って涼しく快適でした(^^)
北海道キャンピングガイドに載っていること以外に大した情報も調べずロッジに2泊滞在したのですが、それなりの値段を払ってリゾートホテルに泊まるのであればオートリゾート八雲のロッジのほうがずっと良いと思わせるレベルの高さ。
ドライヤーのレンタルが1泊500円もしたり、八雲町指定のゴミ袋が1枚単位で購入すると予想外に高かったりという細かい点以外はパーフェクトに近いです。
ロッジ12棟のうち2棟(やぎ座・うお座)はバリアフリー対応されています。美しい夜空を眺めながらバーベキューしたいときは星の広場にある設備を自由に使うこともでき、まさにリゾート感覚で楽しめる宿泊施設です。
水まわりとセンターハウス
オートリゾート八雲の水まわりは高規格キャンプ場らしい清潔さ。キレイな炊事場やトイレ、シャワーなどが場内に整備されています。
センターハウス内にある手洗い場では当然のごとくお湯が出て、手洗い用の洗剤と消毒用のアルコールが設置済み。トイレもウォシュレット付きです。
洗濯機は1回200円、乾燥機は30分100円、シャワーは1人1回100円といずれもも良心的な価格設定かつ24時間利用可能となっていました。我が家のようにキャンプ場を転々とするキャンプ旅行中の人や長期間滞在する人にとって便利な設備だと思います。
センターハウス内には売店や受付だけでなく、子供達が自由に遊ぶことができるキッズスペースが併設されており、おもちゃや絵本などが置いてありました。
また本棚には雑誌がたくさん並べられており、キャンパーが語らうことができるテーブルやイスもあります。薪を焚く暖炉が設置されており寒い季節にもピッタリです。
周辺の観光スポット
オートリゾート八雲周辺には徒歩でも行ける観光スポットがたくさん!何といっても噴火湾パノラマパークという巨大な公園内にあるため自由に遊び放題。
海に向かって真っ直ぐ伸びる下り坂の一本道、両側に並ぶ美しい白樺、青い空と白い雲。北海道の雄大さを味わえる「パノラマロード」は最高の光景を味わえます。
噴火湾パノラマパークにはパノラマ館やふれあい館、花畑やピクニック広場など様々な場所があり、丸一日遊んでいられそうなほど。パークゴルフ場+ディスクゴルフ場もあります。
八雲PAの駐車場に隣接する八雲町情報交流物産館「丘の駅」は、噴火湾パノラマパークを一望できる高台にあります。もちろん一般道で行くことも可能となっています。
丘の駅から噴火パノラマパークの斜面を下りパークゴルフ場の近くまで歩くと「まきばの冒険広場」という子供向けの遊具が揃った大きな広場があります。オートリゾート八雲のドッグランから更に斜面を下ってまっすぐ進むと5分程度で着く場所です。
まきばの冒険広場では大きなブランコや滑り台、ターザンロープなど思う存分遊べます。またパノラマ館には子供向けの室内遊具が充実しているため雨の日のアクティビティにピッタリ!
ハーベスター八雲
ハーベスター八雲は内浦湾の美しい景色を丘の上から眺めながら食事を楽しめる眺望抜群なレストラン。噴火湾パノラマパークに隣接しており、八雲PAにクルマを停め歩いていくこともできる好立地です。
元々はケンタッキーフライドチキンの実験農場だったこともあり、美味しいチキンを食べることができます。キャンプ場で作る料理とはまた違う美味しさがあります。
名物となっているハーブ鶏のフライドチキンをはじめローストチキンやグリルドチキン、エスニックチキンなどの鶏肉料理に加え、旬の食材を活かしたパスタや石窯で焼いたナポリピッツァなどメニューは豊富。
すぐ隣にある元山牧場の新鮮な牛乳も提供されていました。フライドチキンはKFCとは少し異なる味付けのように感じましたが、テラス席に座り雄大な景色を眺めながら食べると最高に美味しかったと思います(^^)
まとめ
道南随一の高規格キャンプ場「オートリゾート八雲」は函館や大沼など道南観光の拠点にピッタリ!カーサイトやロッジから眺める雄大な北海道の景色は感動的です。
道央自動車道の八雲PAからも行ける噴火湾パノラマパークのプレイスポットやハーベスター八雲のチキン料理は最高のファミリーキャンパー体験間違いなし。
関東周辺にもオートリゾート八雲クラスの高規格キャンプ場があると嬉しいのですが…しいて言えばアウトドア雑誌ガルヴィの人気キャンプ場ランキング2016で西日本1位に輝いた竜洋海洋公園オートキャンプ場@静岡が高台にあると雰囲気近いかもしれません(^^)