キヤノン・ソニー・ニコンなど各社の一眼レフやミラーレス一眼に対応したロワジャパンのタイマー機能付きレリーズ(タイマーリモコン)の使い方をまとめました。
等間隔でシャッターを切るインターバルタイマー撮影は、特にスタートレイル(星空ぐるぐる)やタイムラプス動画の作成に役立ちます。実例をまじえご紹介します。
この記事の目次
インターバルタイマーとは?
困ったことに、カメラに搭載されているインターバルタイマー撮影機能の考え方、特に使われている単語の意味がメーカーや機種によって異なる現状があります。
特に「撮影間隔」「インターバル」「待機時間」がごちゃ混ぜな印象。日本語の響き的に撮影間隔=待機時間?にも感じるけど、必ずしもそうはなっていないようです。
撮影間隔固定と待機時間固定の2方式
ここでは一旦、各社の用語のゆらぎを無視して、上記図のように定義してみます。だとしても機種によって設定の考え方が異なるのがインターバルタイマー撮影の難解なところ。
おおまかに分類すると、シャッターを切る(露光し始める)タイミングが一定間隔の「A方式」、シャッターを閉じている(露光していない)時間が固定の「B方式」があります。
- A方式:撮影間隔(設定値)ーシャッタースピード(設定値)=待機時間(計算値)
- B方式:シャッタースピード(設定値)+待機時間(設定値)=撮影間隔(計算値)
絞り優先やプログラムオートに要注意
A方式もB方式も、シャッタースピードを固定(シャッター優先オートやマニュアルモード)すれば、設定の仕方次第でほぼ同じ動作をさせることが可能です。
問題はシャッタースピードが変動する「絞り優先オート(Aモード)」や「プログラムオート(Pモード)」の場合。朝夕のタイムラプス動画でよく使われる手法です。
撮影間隔固定のA方式の場合
A方式のカメラに撮影間隔6秒、シャッタースピード最短1秒・最長5秒となるよう設定すると、以下のように動作します。
- A方式の最短:撮影間隔6秒=シャッタースピード1秒+待機時間5秒
- A方式の最長:撮影間隔6秒=シャッタースピード5秒+待機時間1秒
A方式は6秒ごとにシャッターを切る(露光開始する)よう動作します。待機時間がシャッタースピードに合わせて変動し、1時間あたりの撮影枚数は600枚です。
待機時間固定のB方式の場合
B方式のカメラに待機時間1秒、シャッタースピード最短1秒・最長5秒となるよう設定すると、以下のように動作します。
- B方式の最短:撮影間隔2秒=シャッタースピード1秒+待機時間1秒
- B方式の最長:撮影間隔6秒=シャッタースピード5秒+待機時間1秒
B方式は待機時間が固定なので、シャッターを切る(露光開始する)間隔が一定ではなく、1時間あたりの撮影枚数は600枚から1800枚まで変動します。
どのように使いたいかで方式が決まる
A方式とB方式を比べたとき、どちらが優れている・劣っているというわけではなく、用途に応じて選べるのがベストです。それぞれの主な用途は以下の通りです。
- A方式:星空タイムラプスなど定点観察で時間の経過を重視するとき
- B方式:スタートレイル(星空ぐるぐる)など待機時間を縮めたいとき
カメラ本体のインターバルタイマー撮影機能は、A方式を採用している機種が多い印象があります。私のメイン機「NIKON Z6」もA方式を採用しています。
タイマーレリーズの使い方
- DELAY:開始時間(初回の待ち時間)
- LONG:シャッタースピード
- INTVL:待機時間
- N:撮影枚数
改めてロワジャパンのタイマーレリーズに登場する用語を整理。シャッタースピードと待機時間を指定し撮影間隔が自動計算されるので、前述の「B方式」に該当します。
基本的なタイマーの設定方法
それではタイマーレリーズの基本的な使い方です。事前にカメラ本体のシャッタースピードをB(バルブ)にしておきます。T(タイム)ではなくB(バルブ)です。
左右ボタンを押してDELAY・LONG・INTVL・N・♪のいずれかを選びます。この時点では現在の設定値が表示されている状態(上の画像だと開始時間が5秒後)です。
次に中央のSETボタンを押します。そうすると時分秒のいずれかが点滅するので、左右ボタンで変更したい時分秒を点滅させ、上下ボタンで数値を変えます。
SETボタンを押すと値が確定します。DELAYから♪まで一通りの項目を変更したら準備は完了です。なお操作中に左上の電球ボタンを押すとバックライトが点きます。
右上のTIMER START/STOPボタンを押せば撮影開始です。操作に慣れれば難しくないため、事前に明るい場所で練習しておくと良いかもしれません。
実例1 シャッタースピードを固定
- 撮影モード:Mモード(マニュアル)
- ISO感度:800
- 長秒時ノイズ低減:OFF
シャッタースピード固定の場合、前述の基本的な使い方の通りです。カメラ本体のインターバルタイマー撮影機能でも同等のことができますが、問題はシャッタースピード。
一部の機種を除き、カメラ本体で設定できるシャッタースピードは最長30秒です。つまり30秒より長い時間露光する連続撮影にはタイマーレリーズが必要です。
- 開始時間:00:00:05
- シャッタースピード:00:01:00
- 待機時間:00:00:05
- 撮影枚数:∞(無制限)
私は星空撮影で使うとき、ポータブル赤道儀にカメラを乗せてタイマーレリーズでシャッタースピード長めに10枚程度撮って、帰宅後にコンポジット合成します。
実例2 シャッタースピードを変化
- 撮影モード:Aモード(絞り優先オート)
- ISO感度:AUTO(ISO上限6400)
- シャッタースピード下限:13秒
- 長秒時ノイズ低減:OFF
被写体の明るさに応じてシャッタースピードを変化させながら撮影するインターバルタイマーにもロワジャパンのタイマーレリーズは対応しているようです。
- 開始時間:00:00:05
- シャッタースピード:00:00:00
- 待機時間:00:00:15
- 撮影枚数:∞(無制限)
ポイントはシャッタースピードを0秒にし、シャッタースピードの下限より少し長めに待機時間を設定すること。実はこれでA方式のインターバルタイマーとして動作します。
このやり方が取扱説明書を何度読んでも見当たらず、正しい方法かわかりませんでした。ただ、オートホーリーグレイル撮影では(機種にもよりますが)使えています。
まとめ
ロワジャパンのタイマーレリーズは、設定さえしっかりできれば安定して動作しており、安価で使い勝手の良い製品だと感じます。各社向けの型番が用意されています。
等間隔に信号を送ることしかできない点をうまく逆手に取ると、A方式とB方式のどちらにも対応しているかのような動作をしてくれるのが地味にありがたいです。
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