雪山でも火力が落ちない「MUKAストーブ」が低燃費で頼りになる

SOTO「MUKAストーブ」

 寒くても火力が落ちず、安定した燃焼を保ち続けるガソリン機器。初心者でも扱いやすいSOTOのシングルバーナー「MUKAストーブ SOD-371」を使い始めました。

 マイナス10℃の雪山でも煮炊きでき、安価で入手しやすいレギュラーガソリンが使える優れもの。MUKAストーブを使って感じたメリット、デメリットを紹介します。

MUKAストーブのイチオシ

MUKAストーブの性能比較表

出典:新富士バーナー

ストーブというと一般的には暖房器具をイメージしますが、キャンプや登山の世界では火器(バーナーやコンロ)のことを指しています。

寒さに強い

冬キャンプでガスストーブを使うとドロップダウンが発生

 キャンプでよく使われているガスストーブは、寒くなると火力が落ちるドロップダウン(ガスが気化しない現象)が起き、お湯を沸かすのも一苦労。

 安いカセットボンベに入っているブタンガスの沸点は-0.5℃なので、氷点下にならなければ問題なく使えるかと思いきや、実際には5℃以下で使うとイマイチ(^^;)

湯沢中里スノーリゾートでMUKAストーブでお湯を沸かす

 ガソリンストーブは寒さに強く、氷点下でも普通に使えます。スキー場の近くで使ってみたところ、ガスストーブとは比べ物にならない速さでお湯が沸きました。

 最低気温10℃以上なら安くて入手しやすい市販のブタン、5℃以上ならイソブタンやプロパンを配合したアウトドア用のガス、5℃未満ならガソリンがおすすめです。

持ち運びやすいサイズと形状

MUKAストーブSOD-371とレギュレーターストーブST-310を比較

 以前はコールマンのスポーツスターII 508Aを使っていたのですが、ケースに入れて持ち運ぶときサイズが大きく、タンク一体型のため燃料が漏れそうで斜めにもできずorz

 MUKAストーブはタンク分離型かつコンパクトにゴトクを折りたためるため、かなり持ち運びやすい!斜めや横にして荷物の隙間に押し込めるのが良い感じです。

 レギュレーターストーブST-310がキャンプで定評のあるシングルバーナーですが、収納時の大きさを比べるとほぼ同等もしくはMUKAストーブのほうがやや小さめ。

とにかく火力が強い

パインウッドキャンプ場でMUKAストーブを試す

 MUKAストーブの出力は最大4,000kcal/hの超強火力。外気温0℃のとき計測したガスとガソリンの湯沸かし時間対決がある程度参考になるかと思います。

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 スポーツスターIIが最大2,125kcal/h、ST-310が最大2,500kcal/hなので差は歴然。ちなみにユニフレームのツインバーナーUS-1900も最大3,900kcal/hと強火力です。

レギュラーガソリンも使える

ガソリンスタンドで給油するなら携行缶が必要

 MUKAストーブは高価なホワイトガソリン(白ガス)だけでなく、ガソリンスタンドで売っている安価なレギュラーガソリン(赤ガス)も使えます。

 コールマンのホワイトガソリン(青ガス)が1リットルあたり700円~1,000円程度なのに対し、レギュラーガソリンは100円~150円。使えば使うほど差が出てきます。

ハイオクガソリンは添加剤などが入っているため使用不可。もしハイオクを使うとノズルが詰まりやすくなるそうです。

コールマンのホワイトガソリンは青い色が付いている

 ホワイトガソリンとレギュラーガソリンで性能に差がないので、燃料の統一を優先するならホワイトガソリン、燃費を優先するならレギュラーガソリンを使うのがおすすめです。

 もしガソリンスタンドで給油する場合、MUKAストーブ用の広口ヒューエルボトルには直接給油することができないため、消防法に適合した携行缶が別途必要となります。

MUKAストーブのイマイチ

MUKAストーブの点火から消火、停止までの手順

出典:新富士バーナー

とにかく風に弱い

MUKAストーブは風に弱いためウインドスクリーンが必要

 噂には聞いていましたが、MUKAストーブは想像以上に風に弱かったです。付属品として風防が付いているのも納得。市販のウインドスクリーンを使うのも良さそうです。

 MUKAストーブの耐風性を大幅に増強したのが2018年の新製品「ストームブレイカー」。値段は上がってしまいましたが、1台でガソリンもガスも使えるようになりました。

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ポンピングが必要

MUKAストーブ用の広口ヒューエルボトル

 あらかじめ圧力のかかった状態で缶に入っているガスと比べ、ガソリンは手動で圧力をかける「ポンピング作業」が必要。自転車のタイヤに空気を入れるのと似ています。

 最初に1度やるだけで済めば大した手間ではありませんが、消火&再点火のたびに数十回のポンピングが不可欠なので、時間のあるソロキャンプ以外だと結構大変!

 平らな場所に置いて斜め上からポンピングするスポーツスターIIやワンマントルランタンと比べ、ボトルを持って真上から垂直にポンピングしやすいのはありがたいです。

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点火用のライターが必要

霜の下りたTHE FARMにてMUKAストーブでお湯を沸かす

 MUKAストーブには自動着火装置(イグナイター)がないため、手元の火傷を防げるスライド式のガストーチもしくは100均でも売っている柄の長いライターがあると安心です。

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おすすめはしませんが、もしシェルター内で使う場合は外に出て点火し炎が安定してから持ち込んだほうが良いかと。MUKAストーブは点火時に火柱が上がりやすく危険です。

弱火(とろ火)が苦手

MUKAストーブで肉まんをプレスして焼く

 ガソリンストーブ全般に言えることとして、弱火での調理は期待できません。自宅のガスコンロの強火~超強火に相当する範囲内での火力調整となります。

 もし弱火~中火で調理する場合は、炎から鍋が遠ざかるようにしないと難しい。アジャスタブルグリルのような高さを変えられるゴトクがあると何かと便利です。

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ゴトクが貧弱

MUKAストーブとクッカースタンドで湯たんぽの準備中

 MUKAストーブはコンパクトさを優先しているため、大鍋やダッチオーブンを乗せることができません。直径21cm(最大4.5kg)までの鍋は乗せることが可能です。

ユニフレームのクッカーセット「fan5DX」を例にすると、大鍋とフライパンは不可、片手鍋は可能、ライスクッカーDXはギリギリです。

 普段愛用しているステンレス製の湯たんぽもそのまま乗せると不安定になったので、シングルバーナー用のクッカースタンドをゴトク代わりに使うと安定しました。

まとめ

 ガソリンはガスのような手軽さはありません。ゴールデンウィークからシルバーウィークまでしかキャンプしないのであれば、ガスストーブだけで事足ります。

 晩秋から春休みの期間にキャンプするときは、ガソリンストーブの安定した火力が頼もしく感じられます。燃焼時の爆音はするものの不快な音ではないですしね。

ローチェアと焚き火テーブルとMUKAストーブの組み合わせ

 15年ほどスバル車を乗り継いできた自分としてはSUBARUオリジナルの青いヒューエルボトルも気にはなっていたのですが、値段の違いに負けてしまいました(^^;)

 広口フューエルボトルは一番小さな400mlサイズが便利。サイズが小さいほどポンピングの回数が少なくて済みます。持ち運びやすいガソリン携行缶との併用をおすすめします。

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