富士フイルムのAPS-Cミラーレス一眼「X-T3 レンズキット XF18-55mm F2.8-4」を使っています。主な用途は広角での星空撮影、100mm以上の望遠、HDR動画です。
シャッタースピードとISO感度と露出補正をカメラ上部のダイヤルで、絞りをレンズのリングで変える独特の操作性は慣れれば扱いやすく、レトロ風なデザインも秀逸。
型落ちに伴い新品や中古美品が値下がりし、買うなら今でしょ!と思える10万円前後になりました。X-T3レンズキットを半年ほど使ってみた感想をまとめてみました。
この記事の目次
FUJIFILM X-T3 レビュー
「X-T3」は、小型軽量ボディに、新開発の裏面照射型2610万画素「X-Trans™ CMOS 4」センサーと現行比約3倍の処理速度の高速画像処理エンジン「X-Processor 4」を搭載し、シリーズ史上最高の画質とAF精度を実現。ブラックアウトフリー高速連写などにより動体追従性能も向上させています。さらに、色調豊かで滑らかな4K動画の記録が可能な4K/60P 10bitに世界で初めて対応するなど、動画撮影機能も拡充し、プロの映像制作ニーズにこたえます。
大幅値引きで買いやすくなった
2020年4月に後継モデル「FUJIFILM X-T4」、2020年11月に新モデル「X-S10」が登場し、2018年発売のX-T3はいわゆる「型落ち」となりました。
型落ちモデルとなったことで実売価格は大幅に値下がりし、特に2020年10月頃から急激に最安値が更新されていきました。発売当初の半額近くで新品を買えた人も。
自分は状態の良いX-T3レンズキットを税込106,000円で入手できました。展示品ではあったものの新品扱いでメーカー1年保証は付いているし、目立つ傷や汚れも特になし。
ファームアップで最新機と同等の性能
型落ちモデルだと性能が心配…かと思いきや、X-T3のイメージセンサーや画像処理エンジンはX-T4やX-S10と同じもの。同一条件で撮れる写真は限りなく同じです。
AF処理のシーケンスを最適化する事で、AF速度を0.06秒から、「X-T4」同等の最速0.02秒に向上させました。また、被写体の動きを予測するアルゴリズム改善により、約90%以上のAF合焦率を実現。決定的瞬間を逃しません。
しかもオートフォーカスがファームウエアver.4.0でX-T4と同等まで向上しています。並行してNIKON Z50を試用していましたが、X-T3のほうが歩留まりは上と感じました。
3軸チルト液晶はスチル撮影に最適
X-T4とX-S10はバリアングルモニター、X-T3は3軸チルト液晶。バリアングルは自撮りや動画撮影に便利ですが、静止画撮影なら断然3軸チルトが使いやすいと感じます。
CANONもSONYもバリアングルの採用が増えてきました。やはりYouTuberの存在が大きくなってきたのが一因ではないかと思います。ジンバルとの相性も良いですしね。
光軸のずれとか、縦構図の見やすさとか、モニターの角度調整とか、リグを付けた時の扱いやすさとか、個人的には3軸チルトのほうが好き。でも今やニッチな存在orz
独特の操作系がレトロ風で楽しい
X-T3やX-T4は操作系がとにかく独特です。特に他社のカメラから移ってきた方には少し慣れが必要かもしれません。でもこれが好きという方が多い操作系でもあります。
モードダイヤルなんてありませんが、全てをAにすればPモード、絞りリングだけ変えればAモード、シャッタースピードだけ変えればSモード、複数を変えればMモードです。
露出補正がやや奥まった場所にあって操作しにくかったり、リアコマンドダイヤルが押し込むタイプで誤動作が多かったり、多少不満はありましたが概ね満足かなと。
自動化されたシャッター方式が秀逸
X-T3を使っていて良いなと感じた点の1つがシャッター方式。メカニカルシャッターと電子先幕シャッターと電子シャッターを良い塩梅に選んでくれます。
通常の範囲内(1/2000以下)は汎用的な電子先幕シャッター、ローリングシャッター歪みが気になる速度域(1/8000以下)はメカシャッター、それ以上は電子シャッター。
電子シャッターが最速1/32000秒までいけるので、ほとんどの静止画撮影でNDフィルター不要なはず。真夏の晴れた屋外でも露出オーバーにならずに撮れます。
星空撮影もこなせるAPS-Cミラーレス
X-T3は明るいレンズを選べば星空撮影にも使えます。コストパフォーマンス最強の超広角単焦点レンズ「SAMYANG 12mm f2.0」が星景写真を撮るときの相棒でした。
普段フルサイズを使っているので高感度ノイズや解像度が劣ることは感じますが、一式揃えたときの費用が3倍近く違いますし、手軽に撮るならAPS-Cミラーレスは良い選択かと。
富士フイルム機は赤が写りやすいと言われているため、星野写真や天体写真の撮影にも使われることが多いそうです。なお星空撮影時は電子シャッター固定にしています。
ブリージングの少ないキットレンズ
X-T3のキットレンズ「XF18-55mm f2.8-4」は動画にも適しています。大口径単焦点レンズほど明るくはないですが、広角端であれば開放f2.8とまずまず。
XF18-55mmはフォーカスブリージングの少ないレンズです。夜間撮影でピント位置が安定しなくても、画角がほとんど変わらないため、違和感の少ない動画を撮れます。
4K/60P 4:2:0 10bitを内部記録で撮れるほど動画に強いモデルなので、F-LogやHLGを用いてのHDR動画を始めたい方にとっては今こそ買いかもしれません!
まとめ
FUJIFILM X-T3は後継モデルのX-T4や他社製品に近い操作感のX-S10が登場したことで新品も中古も値崩れしており、だいぶ手の届きやすい価格帯になりました。
カメラ本体の手ぶれ補正(ボディ内手ぶれ補正)がないのと、ややグリップしにくいだけで、他の機能はかなり優秀だと思います。防塵防滴もアウトドアで使いやすいですしね。
フジ機は特にJPEG(フィルムシミュレーションや絵作り)が優秀と言われています。フルサイズ全盛の時代でもメイン機として十分使えるX-T3、なかなかおすすめです。