居住地にまん延防止等重点措置が適用され、県境をまたいだ移動に制限がかかっているため、房総半島南東部の海沿いにある「雀島(夫婦岩)」に行ってきました。
23時半に到着すると、まさかの誰もいない「完ソロ」状態。自宅を出てから帰宅するまで誰とも会わず、ひとりぼっちで気兼ねなく星空撮影を楽しめました。
夫婦岩は太平洋に横たわる天の川を手軽に撮影できるスポットの1つ。海岸特有の湿度と雲多めの空でしたが、リア側にフィルターを付けた効果を実感できました。
この記事の目次
星空撮影スポット「夫婦岩」
九十九里浜の最南端からほど近い「雀島(夫婦岩)」。同名の景勝地は全国各地にありますが、今回訪れたのは千葉県いすみ市の津々ヶ浦にある夫婦岩です。
いすみ市といえば踏切と星空しか映らない写真を撮れる「いすみ鉄道 第二五之町踏切」がある自治体。第二五之町踏切は旧夷隅町、夫婦岩は旧岬町とのことです。
ワイルドキッズ岬の目と鼻の先
南関東でファミリーキャンプをされる方には、ワイルドキッズ岬オートキャンプ場から歩いて数分の場所と言ったら多少わかりやすいかもしれません。
クルマで向かう場合は、国道128号線から細い道を3分ほど通っていきます。深夜に対向車とすれ違うのが難しい道ですが、途中に民家が多くあり、舗装路です。
現地には20台ほど駐車できるスペースと雨宿りできる東屋、仮設トイレらしきものがありました。近くに街灯はなく、最寄りのコンビニまで約5分です。
コロナ禍でも安心!完ソロ撮影
今回は久しぶりの誰もいない「完ソロ」でした。月没は0時18分でほぼ上弦の月。マイナーな撮影地ではないのに完ソロだったのは、雲あり予報だったからかも。
さて、クルマのすぐ横に三脚を立てて撮ろうと思ったのですが、どうもこの場所、真東を向いているようです。前景を入れて撮ろうとすると、少し難しく感じます。
東向きは撮影できる時期が限られる
夏の大三角(ベガ・デネブ・アルタイル)は比較的入れやすいのですが、天の川の濃い部分(いて座・さそり座)を入れるなら南東もしくは真南を向きたくなります。
一方で日の出を撮るにはなかなか良い立地ではないかと思います。東を向いたときの写真の左側、つまり北側は街明かりの影響をモロに受けているのがわかります。
70mほど北に歩くと、なんとか夫婦岩を入れつつ天の川を撮れそうな感じ。月が沈んだ状態でもヘッドライトを付けずに行動できる撮影地は安心感がありますね。
少し北側から南東を向いて撮影
上の写真は固定撮影で10枚コンポジットし、ハイライトを切り詰めただけのもの。かすみの除去や明瞭度を使わなくても十分なSamyang 12mmはホント優秀だと感じます。
太東崎灯台の影響はあまりない
スターリーナイトだけ付けて、いつもの設定で固定1枚撮り。ほぼ真南方向、1.3kmほど離れた場所に太東崎灯台がありますが、灯台の光はあまり気になりませんでした。
感覚的に、山の向こうが周期的に明るくなっている程度です。野島崎灯台のようにもろに光がくるわけではないので、南を向いてもあまり心配しなくて良いかと。
駐車スペースのすぐ近くに大きな民家(上の写真のクルマの右に1軒)があります。夜中に大きな音や明るい光でご迷惑をおかけしないよう注意したいですね。
LEE Soft No.3で星を強調
レンズ前面(フロント側)にソフトフィルターを付けると明るい星が伸びてしまう問題、いつかレンズ後面(リア側)にソフトフィルターを付けたいと思っていました。
撮影前にLEE Soft No.3を入手したので、コンパスカッターで円形にくりぬき、Samyang 12mmのリア側に貼り付けようと思ったら、後ろ玉が出目金で大失敗orz
Fujifilm X-T3のセンサー面を見るとフィルターを入れることができそうなスペースがあり、レンズ後面ではなくカメラ側に両面テープで貼り付けることにしました。
対角線魚眼の周辺画像をチェック
赤道儀で追尾するときは北極星(ポラリス)が視界に入るかが一つのポイント。夫婦岩周辺からは問題なく北極星をのぞき穴に入れることができるのも良い点ですね。
対角魚眼レンズのリア側にもソフトフィルターを貼り付けると、画像の周辺に明るい星を入れても全く伸びず、強調効果も強すぎず弱すぎず、これはなかなか凄いと実感しました。
とりあえず西方向(写真の右側)は街明かりの影響がかなりありますね。普段ほとんど星野写真を撮らないので、構図もよくわからず、我ながら作例が微妙すぎ(苦笑)
まとめ
夏休みの天の川は南東から南西にかけて立ち上るように見えるため(大洗磯前神社と同じく)津々ヶ浦の夫婦岩で天の川を撮るなら春がおすすめになるかと思います。
海特有の湿度がありスッキリ空気が澄んでいるとは言い難く、北東方向に雲があって特に対角魚眼で撮ると気になる状況でしたが、期待以上に撮れたかなと思います。
コロナ禍でも気兼ねなく楽しめるアクティビティとして夜間の星空撮影をメインにしていますが、特に完ソロだと後ろ指をさされる心配もなく、安心して遊べて最高ですね。