通称シロクマこと北欧のアウトドアブランド「ノルディスク」の小型テント、ユドゥン(Ydun)をキャンプで体験する機会に恵まれました。
タープのように2本のポールで立ち上がり25分ほどで張り綱含め設営完了。子供達の自由な遊び場としてコンパクトなテクニカルコットン幕が大活躍!
テンマクデザインの大型レクタ「焚き火タープTCレクタ」とセッティングテープを用いユドゥンの上に被せるよう小川張りし、タープ直下で焚き火してみました。
この記事の目次
シロクマテント初体験
キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原のオートキャンプサイト「語らい」(以下、AC語らいサイト)でユドゥンをレンタルしてみました。
AC語らいサイトのレンタルセットには社外品のグランドシートとインナーマットが含まれていたものの、純正のインナーキャビンは含まれていませんでした。
背負えるシロクマくん
ユドゥンは収納袋に入れた状態で背負って持ち運ぶことができます。じゃぶじゃぶ池の桟橋を渡ってAC語らいサイトに向け歩いていると「あの人、ゴーストバスターズみたい」と思われたかもしれませんw
付属品を含め13kgという重量はスノーピークのリビングシェルとほぼ同じですが、収納袋にぎっしりと詰まっているためかユドゥンのほうが重く感じました。
ポリエステルとコットンの混紡素材ということで晴れた日は良いものの、猛烈に重くなる雨撤収を想像するとゾッとします。ポリエステル幕に慣れた老体には厳しすぎるorz
焚き火タープのデビュー戦
この日の目標はシロクマとテンマクの小川張り。AC語らいサイトが場内で一番広い区画とはいえ、焚き火タープTCレクタはサイズが大きく小川張りが必要だろうと考えました。
あらかじめ野田市スポーツ公園で開封&試し張りこそしていたもののキャンプで使うのは初めて。優れた遮光性能とタープの直下で焚き火ができる大型幕に期待大(^^)
小川張りするときの設営順は最初にタープ、次にテントが王道らしい。普段2ルームテントに横向きで小型ヘキサを連結しているときとは逆の手順になるようです。
小川張りセッティングテープ
ヘキサやレクタに取り付けてテントの上を通す小川張り用のセッティングテープ。市販のベルトやハトメで自作される方も多いアイテムですが、面倒くさがりやの自分は迷うことなく外注w
テープは全長6メートルで作ってもらいました。トルテュproのような中型2ルームテントにも小川張りできる長さで、半分に折り返して最小3メートルでも使うことができるのが良い感じです。
そういえば海外のコールマンから小川張りキットが発売されてたんだった…2年ほど前にWILD-1で見つけて記事にしておきながら存在を忘れる失態orz
テープの有無に関わらずタープの設営手順は二股ロープをペグダウンしたあとにメインポールを順番に立ち上げるだけ。慣れてしまえば1人で難なく作業できます。
気をつけたのは片側を立ち上げているとき反対側の二股ロープが外れてしまわないよう、ポールの先端にループを二重に巻きつけることくらい。これだけで失敗知らず。
焚き火タープが5メートル、テープが3メートル、二股ロープがそれぞれ1メートルずつ張り出すとして最低でも10メートル以上ないと張れない計算になりますが、なんとかギリギリ区画に収まりました。本当は12メートルあれば最高でしたが(^^)
小川張りの高低差
メインポールの高さは250cmと280cmにしてみました。もう少しテント側を高くしたほうが良いかもしれないと予想していましたが、実際にやってみると30cm差で全く問題なし。
テープが3メートルのとき30cm差があれば十分ということは、アバウトに言って「テープ1mあたり高低差10cm」くらいが目安でしょうか。
例えばテープが6メートルだと240cmと300cmの組み合わせ。このあたりの感覚はタープの重さや形状、大きさに依存するためあくまでも1つの目安ということで(^^)
作業開始から15分ほどで焚き火タープの設営完了。キャンポールが邪魔してキレイにレクタ張り(サブポールを4本使った基本的な立て方)することができませんでした…自己評価70点orz
逆サイドの片方もサブポールを入れるより建屋(屋根付きの語らいスペース)の柱にロープを縛り付けてスムーズな動線を確保することに。ヘキサやレクタはスクリーンタープよりも設営が簡単なのが最高ですね!
グループキャンプの共用スペースとして使うにあたり未就学児も何人かいたので、足を引っかけにくくする工夫として小川張りを使うのも悪くない選択だと思いました。風にはかなり弱そうですけど(^^;)
NORDISK Ydun 5.5の設営
借りてきたユドゥンはとにかく収納袋から出すのが大変!ギュウギュウに詰め込まれており「大きなカブ」状態でうんとこしょ、どっこいしょと大人2人がかりでようやくスポッと抜けましたw
手順が書かれた冊子らしきものが見当たらないためノールック説明書で設営開始。シロクマによくある立て方だろうとフロアの四隅をペグダウンしたあと、2本のポールで全体を立ち上げ周囲にロープを張るだけ(のはず)。
コンパクトなテントとはいえテクニカルコットンはそれなりに重く、じわじわと体力を奪います。設営や撤収のとき1人で広げたり畳んだりしているとそれなりに大変かも。設営自体はモノポールテントを1回でも立てたことがあれば楽勝だと思います。
というわけで初シロクマ、約25分で張り綱含め設営完了。帰宅後にノルディスクワークスさんの「ノルディスクのユドゥン5.5をマスターしたい人が読むべき記事はこれだ!」を読んでみたところ、設営手順は正しかったようでホッと一安心(^^)
当初の予定では出入口がタープ側に来るようにしたかったのですが、張り綱をペグ打ちしている途中で一旦止めて90度回転させたため、思いのほか時間かかってしまいましたorz
回転させた理由は「出入口の張り綱が真っ直ぐ伸びて動線的に邪魔だった」から。タープ下を有効に使えないなら小川張りする意味もないので、連結方法を方針転換したら全体的にスッキリ!
ユドゥンをキッズルーム化
今回は寝泊りするつもりで借りたのではなく「子供達が自由に出入りして遊べるキッズルーム」として使うため出入口を終日開放してました。
中央に邪魔なポールがなく全体的に背の低い空間が秘密基地のように感じられるのか、子供達もユドゥンを気に入ってくれた模様。夜は大人抜きで雑魚寝したいと騒いでました(^^;)
普段コット寝をしている関係で失念していましたが、子供達が靴を脱ぎ履きするたびに砂利がどんどんユドゥンに入り込みます…どう考えてもスノコ必須な気がします。
焚き火タープTCレクタの感想
まずはグループキャンプで焚き火タープを使ってみた感想を。さすがはスノーピークのPro幕に匹敵する遮光性能を有していたポリコットン幕、強い日差しの下で使用してみると相当実用性あります。
日陰の濃さを比べてみると、木造の建屋には劣るもののこれだけ遮光すれば十分といったレベル。上を見上げたときの織った感じも凄く良い雰囲気でした。
とはいえポリコットンの大型幕はそれなりに重いです。更に風合いの良いコットンは一段と重いと聞いていますが、今のところ手入れの簡単なポリコットンで十分かなと(^^;)
涼しくなった夜は以前からの憧れだった「タープの直下で焚き火」をしてみました。火の粉がそれなりに飛んでおり多少のダメージはあったかも…と思い翌朝じっくり確認すると、まさかのノーダメージ。これは凄い!
ポリエステル幕だとできないことがポリコットン幕だとできるんですね。夜ご飯やBINGOパーティーに追われ忘れていましたが、本来であれば難燃シートをセッティングすべきでした(^^;)
焚き火タープは幕体サイズがかなり大きく、焚火台2台+10人くらいは余裕で収容できそうです。このままでは宴会幕として買ったランドステーションの出番が減ってしまいそう(汗)
ユドゥンの感想(メリット)
続いてユドゥンを使ってみた感想、まずは良いところから。とにかく見た目がレトロでカワイイ。ノルディスクのロゴが入った三角自在もシックな色合いが普通にオシャレだなと思いました。
平凡な個性なしキャンパーの自分には似つかわしくないシャレオツなデザイン。オシャレ感度の高い方にはビビッとくるものがあるかもしれませんね!
ちなみに付属のペグもロゴ入り。AC語らいサイトの地面が固かったので今回はシロクマペグを使わずにエリステ28cmでペグダウンしました(^^;)
とにかくレアな幕体
最近は「レアなものがオシャレ」という風潮があるらしいので、その観点でもユドゥンは完璧。過去にキャンプ場で1度しか見かけたことがなく、普通のテント展示会でもまず見かけません。
ノルディスクのテントはアスガルドとアルフェイムを使っているキャンパーが多くて、ウトガルドとレイサを時々見かけるもののユドゥンやヴァナヘイムは相当レア。もしキャンプ場で誰かと被ったらそれは幸運の証かも!?
海外幕にしては手頃な価格
高価な製品の多いノルディスクのなかでもユドゥンは(あくまでもノルディスクにしては)手頃な価格設定。個人輸入や並行輸入品であれば6~7万円台で入手できるはずです。
しかもユドゥンにはフロアが付属していて、そのフロアはかなり分厚く丈夫です。アスガルドやアルフェイムはフロア別売り&高額なため詐欺的な売り方としか思えないのですがw
とはいえフロアサイズ210cm×260cmのテントが7万円というのは普通の感覚だと贅沢品。一回り大きくて便利な前室のあるスノーピークのアメニティドーム(Mサイズ)が2つも買えてしまう金額です(^^;)
想像していたよりも涼しい
ユドゥンの出入口は両方向ともフルメッシュにすることができます。5月後半の晴れた日に全開放しておくと風が通り抜け熱気が篭ることもなく、想像していたよりもずっと快適でした。
スポオソ主催のアウトドアフェアで張ってあったアスガルドとアルフェイムは数分で逃げ出したくなるほど地獄のような暑さでしたが、ユドゥンは幕体面積に対し開放部が大きいため涼しく感じられるようです。
さらに左右4ヵ所に小窓が付いており、これらをメッシュにすると真夏と真冬以外は快適に過ごせるかと思います。ちなみに小窓は室内から紐を引っ張って開け閉めできるレトロな仕組みでした(^^)
ユドゥンの感想(デメリット)
続いてユドゥンのイマイチと感じたところ。収納袋から取り出した直後に現物を見て驚いたのですが、いくらなんでも縫製が雑すぎます。ほつれた部分が目立ちすぎ。
ノルディスクは当たり外れが激しいと聞いたことがあるのですが、現状では品質のバラツキが大きいのかもしれませんね。日本人が几帳面すぎるだけで海外製品なんてそんなもの、と言われればそれまでですがw
もしこれがスノーピーク製品だったら即座に返品や交換をお願いするレベル。2本のポールの地面側に付いているキャップも思いっきり歪んでいましたorz
隙間風の進入(フルクローズ時)
フルオープン時の快適さとは裏腹に、どうしても気になったのがフルクローズ時。真冬に石油ストーブを入れたとしても、隙間風が吹き込んで少し寒いかもしれません。
出入口はダブルウォール構造になっているのですが、内側のメッシュこそ観音開きの中央と下部にファスナーがあるため虫が入ってこないようフルクローズ可。その外側にあるテクニカルコットン生地のファスナーが中央にしかなく、下部がスカスカに開いてますorz
ある意味常時換気ができる優れものかもしれません。スカートのある幕体に慣れていると寒々しく感じそうです。スクリーンタープや2ルームテントにコットで寝るほうがオールシーズン、特に夏と冬は快適だと思います(^^;)
張り綱とペグ打ちの多さ
設営時においては張り綱とペグ打ちの多さが気になります。2本のポールを立ち上げるところまでは数分で終わっても、そこから先の作業が何だか長く感じました。
本来的にはどのメーカーのテントも張り綱をすべきですが、特に風の弱いキャンプだと張り綱なしでも自立するリビングシェルのようなシェルターのほうが楽チン(^^)
また撤収時においては収納袋に入れるのが大変でした。結局5分ほど格闘して面倒くさくなってきたので、管理棟でスタッフの方と相談して収納袋には入れずに丸めて返却しましたw
張り綱に足を引っ掛けやすい
さらに天井の低いユドゥンの場合、前後左右に真っ直ぐ延びる張り綱が通行の邪魔をします。低い位置から伸びる張り綱に子供達がよく足を引っかけていました(どうしてもロープが水平気味になるため)。
高い位置から地面に向かって伸びる張り綱は角度が付いているため足をひっかけにくい(=視認しやすい)のですが、低い位置から伸びる張り綱は大人でも見えにくく足をよく引っかけます。
コールマンのトリップレスライトを取り付けると子供達もほとんど足をひっかけなくなりましたが、さすがに張り綱全部に取り付けるのも財政的にも手間的にも厳しいorz
4人家族で使うときはタープ必須
ファミリーキャンプで使うときは何も荷物を入れなければ4人で並んで寝れます。センターポールがなくベル型テントのように側面下部の立ち上がりがあるためフロアサイズをフルに使えました。
もしストーブを入れたりラックを並べたりするときはデュオキャンプに最適なサイズです。家族4人で使うならタープが必要だと思います。子供達のオシャレな秘密基地として使うというのも悪くない選択ですがw
ユドゥンはポール先端に雨が侵入しないようキャップをはめ込むのですが、この部分にテンマクデザインのムササビウイングを取り付けるとデザイン的にも大きさ的にも良い感じになりそうな気がします!
まとめ
キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原のオートキャンプサイト「語らい」でノルディスクを初体験。コンパクトなユドゥン5.5は子供達が自由に出入りして好きなだけ遊ぶことができる共用スペースにピッタリでした。機会があれば親子キャンプで試してみたくなる大きさです。
テンマクデザインの焚き火タープTCレクタもポリコットンの特徴を活かし、昼は大きな日陰、夜はタープの直下で焚き火と終日使い勝手が良く、今度はスノーピークのシェルターと組み合わせてみたくなりました。
小川張りのセッティングテープも値段以外、特に不満なし。次は焚き火タープに合う赤いポールが欲しくなってきた…村の鍛冶屋(エリッゼ)かスノーピークか、はたまたクソ高いMSRか…ポール6本で3万円以上とかムリポw