つり具の上州屋で夏キャンプ用のクーラーボックスを比較検討してみた

アウトドアワールドのクーラーボックス

 ユニフレームのほぼ全てのアイテムが揃うプレミアムショップ「アウトドアワールド」は、つり具の上州屋が運営するアウトドア用品店。

 釣りとは無縁にも関わらず釣具屋を本業とするお店に訪れた真の目的はずばり、夏キャンプの悩みや不満を解決してくれる「クーラーボックス」を見つけること!

 シマノやダイワなど高性能を誇る釣り用クーラーを多数取り揃えたアウトドアワールドで、ファミリーキャンプに役立つクーラーボックスを比較・検討してみました。

夏キャンプの悩みごと

フォレスターで夏キャンプ

 我が家の現愛車はスバルの中型SUV、フォレスター。収納力と使い勝手に優れたレガシィツーリングワゴンから乗り換えてみましたが…これがある意味、不幸の始まりでした。

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 フォレスターのラゲッジ(トランク)はレガシィと比べ背が高く奥行きが短いため積載が以前よりも難しくなり、収納力確保を目指してルーフボックスを載せたりインテリアバーを設置したりしています。

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 かつて我が家がメインで使っていたクーラーボックスは、コストコホールセールで購入したイグルーのマックスコールド62QT(以下、マックスコールド)という58Lサイズ。

 大きなタイヤがキャスター側にあるため持ち運ぶとき便利なのと、上蓋含め断熱材としてウレタンがたっぷり入っており保冷力も十分すぎるほど!

フォレスターにマックスコールド62QT

 マックスコールドは4人家族で2泊3日するときの食材や飲み物をまとめて収納できるサイズであり、性能は良いのですがどうしても外寸が大きくなってしまいます。

 レガシィ時代はトランクの奥行きがあるため問題なかったのですが、過去数十回のキャンプ経験で確立したコットやテーブルの積み方ではどんなに頑張ってもフォレスターのトランクに入らなくなってしまいましたorz

 トランクに入らないなら後部座席や助手席に積んでしまおうと試してみるも、家族からは不評。仕方なくマックスコールドを諦め、代替策としてアマゾンのタイムセールで安くなっていたイグルーのマリーンウルトラ30(以下、マリーンウルトラ)を購入しました。

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マリーンウルトラの不満点

イグルーのクーラーボックスを積み重ね

 マリーンウルトラはキャスターなしで持ち運べるギリギリサイズ。2リットルのペットボトルが縦に6本入り、奥行きも30cm以下とコンパクトです。

 いつもの積載方法でトランクにもキチンと収まるだけでなく後部座席の足元にも置くことができ、フォレスター乗り換え後はマックスコールドに代わって我が家のメインクーラーに。

 マックスコールドの58リットルに対してマリーンウルトラは28リットル。足りない容量はサーモスのクーラーバッグで補うようにしてキャンプに出撃していました。

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イグルーのマリーンウルトラ

 お花見キャンプやゴールデンウイークキャンプであれば全く問題なかったマリーンウルトラですが、残念ながら7月頃から保冷力の弱さが目立ってきました。

 家族4人分の食材や飲み物を冷えた状態でマリーンウルトラに入れ、市販の保冷剤や板氷で保冷を試みるも1泊2日の夏キャンプには厳しすぎる状況。

 朝出発したときはヒエヒエだったはずなのに、翌朝にはほぼ氷が溶け残念な結果に。夏キャンプではマックスコールドに遠く及ばない性能だと痛感しましたorz

コールマンのスチールベルトクーラー

 キャンプ場の売店で板氷やロックアイスが購入できる場合は帰宅時まで何とか保冷することができるものの、真夏のファミリーキャンプには力不足。

 なるべく日陰に置いておく、地面には直置きしないでフィールドラックなどに載せておく、保冷剤や氷はなるべく上に載せるなどできる限りの対策は取っているつもりでした。

 保冷力の弱さが最大のウィークポイントですが、もう一つ気になる点がクーラーボックスの深さ。高さのあるクーラーボックスは思いのほか使い勝手が悪かったのです。

深いクーラーの使い勝手

大きすぎるクーラーボックス

 マックスコールドしかりマリーンウルトラしかり、キャンプやバーベキューを主目的として販売されているクーラーボックスは、全体的に深さのある製品が多いように感じます。

 冷たい飲み物をたくさん入れて持ち運ぶとき1.5リットルもしくは2リットルのペットボトルを縦に入れられるというのは大きなメリットとなるので、設計思想として悪くはないと思うのですが…。

 ファミリーキャンプでの使い勝手でどうかというと、缶ビールや食材が混在した状態だとクーラーボックスの奥深くに入っているものを取り出すのが超大変!

イグルーのマックスコールド

 クーラーボックスの保冷力を維持するためには如何に冷気を逃がさないかが重要だと言われていますが、奥深くにあるものを取り出そうとすればゴソゴソとかき分け上蓋を長時間開封することに…。

 これまでのキャンプ経験と我が家の制約事項を踏まえ、現状の悩みを解決するために必要なポイントをまとめると

  • 奥行き(短辺)が38cm以下
  • マックスコールド並みの保冷力
  • 使い勝手は妥協したくない
  • できれば深すぎないほうが良い

となります。これらの条件と要望を踏まえて、新たなファミリーキャンプ用クーラーボックスを探してみることにしました。

クーラーボックスを探す!

つり具の上州屋

 トランクに収まるかを実際に確かめながら比較・検討するためには、スポーツオーソリティやヒマラヤ店頭でクーラーボックスを探してみようかとも考えましたが、コールマンやイグルー以外にも選択肢を広げてみようと釣具屋さんも候補に。

 善は急げと近所の釣具屋さんに行ってみると、本格的な釣り用クーラーボックスを中心に置いてありキャンプ用と直接比較できそうにない。

 キャンプ用と釣り用の両方を同時に比較できるお店はないかと探してたどり着いたのが、つり具の上州屋が運営する「アウトドアワールド」でした(^^)

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アウトドアワールドの品揃え

アウトドアワールドのパーティースタッカー

 アウトドアワールドはつり具の上州屋らしく、キャンプ用のクーラーボックスだけでなく釣り用のクーラーボックスも充実。両方を見比べるには絶好のお店!

 まず気になったのはコールマンのパーティースタッカー。サイズ・カラー共に豊富に揃っており、保冷力を左右する断熱材がキチンと入っているかトントンしてみると…どうやらスカスカな感じ。

 口コミによると保冷力にはあまり期待できないとのことでしたが、確かに納得のつくり。サイズも形も見た目も気に入ったのですが、残念ながら候補からは即刻外すことにorz

コールマンのエクストリームクーラー

 イグルーのマックスコールドと双璧を成すコールマンのエクストリームクーラー。アウトドアワールドにはキャスターの無い28QT・70QT、キャスターのある50QT・62QTがありました。

 カタログスペックで奥行き38cm以下となると、エクストリームクーラーだと28QTしか選択肢に残りませんでした。フォレスターがドSすぎる…。

 しかし28QTはマリーンウルトラとほぼ同サイズ…と思いきや、奥行きが5cmほど増えてしまい後部座席の足元に入らない!保冷力も3日間と大差なく、特に買い替える理由も見当たらず断念。

 もしかしたら奥行き39cmかつキャスター付きの62QTならギリギリ収まるかも!?と思い実物で試させてもらうと、クーラーボックス自体の高さがあるためリアゲートにぶつかってアウト!

 底面的にはギリギリ入るのですが、フォレスターはミニバンのようにリアゲートが垂直になっているわけではないためクーラーボックスの上部が干渉して閉まらない模様…残念。

 やはり奥行きはもう少し短く、高さももう少し低くしないと我が家の制約を突破できないようです。店内を探し回っても条件を満たすコールマンのクーラーボックスが見当たらず。

釣り用クーラーボックス

アウトドアワールドの釣り用クーラーボックス

 どうしても背の高いものが多いキャンプ用クーラーボックスを諦め、釣り用クーラーボックスが販売されているゾーンへ。さすがは釣具屋さん、サイズも種類も豊富です。

 釣り用のクーラーボックスというと、高性能だけど値段が高くて重量が重いという漠然としたイメージ。店員さんの協力を仰ぎつつ実物を見比べながら候補を絞り込みます。

 とにかくクルマに載せられないことには意味がないため、サイズを強く意識しつつ店頭で気になったのは3商品。キャンプ用クーラーボックスのように深さがあるタイプではなく、大きな魚を入れておくことができるよう横長になっていました。

本格的なクーラーボックス!

  スペーザホエール トランク大将 トランク大将II
メーカー シマノ ダイワ ダイワ
外寸奥行 36.5cm 37.5cm 35cm
外寸横幅 83cm 72cm 76cm
外寸高さ 32.5cm 33.5cm 32cm
内寸奥行 28cm 28.5cm 24cm
内寸横幅 70cm 59.5cm 66cm
内寸高さ 23cm 23cm 24cm
本体重量 8.1kg 9.3kg 7.7kg
容量 45L 40L 43L
真空断熱 底面+側面2面 側面2面
断熱材 スチロール ウレタン
上蓋 スチロール

(注)ダイワの外寸は一番広い所、内寸は一番狭い所を計測。シマノの外寸は最大値、内寸は中央値を計測しているそうです。

  1. スペーザ ホエール リミテッド 450
  2. トランク大将 TSS-X 4000X
  3. NSシンクートランク大将II 4300WD

 釣り用クーラーボックスは同じシリーズだと外寸・内寸が同じで断熱材の性能の違いにより値段と重量が変わるというラインナップ。個人的にはわかりやすいです。

1.スペーザホエール

スペーザ ホエール リミテッド 450

 シマノのスペーザホエールリミテッド450(HC-045L)は、70cmクラスの魚を折り曲げずに収納できるほど横幅のあるクーラーボックス。

Good!!

  • 大きなタイヤとハンドルは便利(ハンドルの端を持てば足にぶつからない)
  • 上蓋が取り外せるため使い終わった後の掃除は便利
  • シマノのワンタッチ水栓は水抜きするとき使いやすい
  • 底面がアーチ状になっているため熱を逃がしてくれそう

Bad!!

  • 横幅83cmは想像以上に大きく、トランクの積み下ろしは二人がかり
  • 大人二人が座れるらしいが…試してみると強度的に不安でいっぱい
  • 外寸に対して内寸が小さく感じる(カタログ上も内寸は中央値)
  • 3面真空パネルは良いが、断熱材はスチロール
  • すべてロックした状態から上蓋を開けるとき4ヵ所解除が必要
  • 上蓋が1枚になっており部分的に開けることができない

 店員さんの話を聞く限り3商品の中で最もバランスの取れたクーラーボックスではないかと感じました。横幅がかなりあるのと内寸が思いのほか小さく感じたのが残念ポイントですが、この商品は何かパンチが効いていないというか物足りない感が否めませんでした。

2.トランク大将

ダイワ(Daiwa) クーラーボックス トランク大将 TSS-4000X シルバー

 ダイワのトランク大将 TSS-X 4000Xは、アウトドアワールド店頭で実物を確かめるまで今回の本命商品と考えていたクーラーボックス。

Good!!

  • 上蓋が2つに分かれている
  • 上蓋を左右どちらからでも開けることができる
  • 上蓋に座ることはできないが取り外しは可能
  • 内容量もサイズもちょうど良い

Bad!!

  • 上蓋が絶望的に開け閉めしにくい(←ほぼこれに尽きる)
  • 上蓋がそれぞれ独立しているように見えてそうでもない
  • キャスター付きだがタイヤは小さい

 横長のクーラーボックスは上蓋を開けると冷気が一気に逃げてしまうため、可能であれば部分的に開放できるほうが使いやすいだろうと予想していました。

 確かに一部分だけ開けて素早くものを取り出せれば保冷力を維持できるのは間違いないのですが…この商品、とにかく上蓋が開閉しにくくて驚きました。

 特に閉めるときは上から蓋を押さえ込みながらでないとロックがカチッとしまらない。その分パッキンが密閉空間を作ってくれるはずですが、いかんせん使い勝手が悪すぎます。

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 クーラーボックスをフィールドラックに乗せることを考えたとき、ただでさえ本体重量が重く食材や飲み物が入ると耐荷重ギリギリとなっているはず。そこに対して蓋を閉じるとき上から圧力をかけるとフィールドラックが壊れる可能性大。

 ネットでも同様の口コミは見受けられましたが、実運用上の使い勝手は手に取って動作確認しないとわからないなあと。ネットでポチらなくて本当に良かった…。

3.トランク大将II

ダイワ(Daiwa) クーラーボックス NSシンクートランク大将II 4300WD

 ダイワのNSシンクートランク大将II 4300WDは、アウトドアワールド店頭で見た目の懐かしさに惚れ惚れしたクーラーボックス。

Good!!

  • 昔ながらのバックルがデザイン的には好み
  • 上蓋に小さな投入口があるため、うまく使えば冷気が逃げにくい

Bad!!

  • キャスターやタイヤは付いていない
  • 内寸の奥行きが約24cmと小さく、お肉のパックが入らないかも
  • トランク大将IIという名前にもかかわらずトランク大将より古いらしい
  • 最も断熱効果を発揮すると言われている底面に真空パネルがない

 見た目の無骨さがユニフレームに通じるものがあり、デザイン的には好きなほう。車を横付けできないフリーサイトなどでは二人がかりで持ち運ぶ必要がありそうなのと、底面に真空パネルがないことが気になりました。

 ロックを解除するときもシマノほど手軽ではなく、使っていると少しずつ不満が出てきそう。店員さんの意見を聞いてみると、上蓋の閉めにくさを除けばトランク大将のほうが使い勝手良いとのことでしたが…それって除いてはいけない重要なポイントかも(^^)

帯に短し襷に長し

 横長になっている釣り用クーラーボックスを3商品比較してみると、結局のところ「帯に短し襷に長し」状態で決定打となるものは得られず、この日はアウトドアワールドから退散。

 奥行きが短くて上蓋含め断熱材がウレタンで、3面以上真空パネルで保冷力が優れており、一人でも持ち運びやすくて子供でも開け閉めしやすいものがないものか…と思っていたら要望にかなう品がありました!

シマノのフィクセル300

 シマノのフィクセルシリーズ。横長に拘らず考えを改めてダウンサイジングすれば候補が広がり、細かすぎる要望に沿ったものがキチンと見つかるんですね。

 エクストリームクーラーやマックスコールド、スペーザやトランク大将を更に上回る最強の保冷力、6面に真空断熱パネルが入ったモデルを攻めてしまいました!

 どうやらフィクセルプレミアムを超える性能を発揮する市販のクーラーボックスを探すとなると、もう冷蔵庫しかないらしいです。これで夏場も余裕で凌げるはず(^^)

まとめ

シマノのフィクセルプレミアム300

 つり具の上州屋でのクーラーボックス探しは、当初の思惑とは異なる方向にコロコロ転がりコールマンでもイグルーでも、スペーザでもトランク大将でもないフィクセルに。

 なお我が家のような ドMキャンパー 細かい制限事項がない限りは、イグルーのマックスコールド62QTが非常に優れています。ファミリーキャンプ用のクーラーボックスとして必要十分な保冷性能・容量・使い勝手だと断言できます。

 もしクルマのサイズ+デザイン的に許すのであれば、コストパフォーマンスにも優れておりイチオシです!

追記1:フィクセルの詳細レビュー

 フィクセルプレミアム300の保冷力やファミリーキャンプにおける使い勝手をレビュー記事にまとめてみました。電源のいらない冷蔵庫とも言われる6面真空パネルを搭載した釣り用クーラーボックスは伊達ではなかった!

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追記2:保冷力を徹底比較

 クーラーボックスやクーラーバッグの保冷力を確かめるべく、コンビニの板氷を使った比較実験を行いました!

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