ogawa「グロッケ12 T/C」を初張り!設営も撤収も簡単で室内は広々

野田市スポーツ公園でグロッケを初張り

 ポリコットンとポリエステルを組み合わせたogawaのベル型テント「グロッケ12 T/C」を入手!GRAND lodgeで設営講習を受け、試し張りしてみました。

 広い居住空間を作り出す側面やリビングシェルに匹敵するほど簡単な設営など、キャンプ初心者にもおすすめしやすいテント。家族の評価も上々でした。

 製品の主な特徴や設営・撤収のポイント、ノルディスクのアスガルドとの比較やハロウィンキャンプで実際に使ってみた感想などグロッケ12 T/Cを紹介します。

グロッケ12 T/C

 ogawa グロッケ12 T/C(以下、グロッケ)はキャンパルジャパン2018年の新製品。ポリエステルとコットンの白い混紡生地が印象的な5角形のベル型テントです。

グロッケを選んだ理由

ogawaグロッケ12T/Cを開封&初張り

  • アポロンもトルテュも設営がしんどい!アメニティドームやリビングシェルくらい簡単なテントがほしい
  • 春秋は結露が少ないと撤収するとき助かる!区画サイトに張れるサイズで家族4人が過ごせるのがベスト
  • 薪ストーブを使う予定は今のところ無いものの、可能であれば石油ストーブを使ってコット寝したい

 晩秋から初春にかけてはキャンプ場で北欧系のワンポールテントを見かける機会が増え、我が家もそろそろトンガリテントが欲しいなぁと思っていました。

 設営の簡単なテンティピのジルコン15CPを第一候補にしていたのですが、本体とフロアで30万円を余裕で超える値段に尻込み…グロッケが3つも買えてしまう(^^;)

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グロッケの主な特徴

グロッケは2種類の生地を組み合わせたテント

 グロッケ最大の特徴はオフホワイトとブラウンのツートンカラー。上半分ならびに出入口が通気性に優れたポリコットン、庇や側面の立ち上がりが汚れに強いポリエステル210d。

 上部に2ヶ所、側面に4ヶ所のベンチレーション(通気口)があり、いずれもテントの内側から開閉することができます。頂上部は開放できない仕様となっています。

 付属のグランドシートは側面に立ち上がりのあるバスタブ型。グランドシートの下に敷いて傷や汚れからテントを守るPVCマルチシートは別売りです。

グロッケ設営講習会

グロッケの側面から薪ストーブの煙突を出す

 グロッケはogawaのコンセプトストア「GRAND lodge」で購入しました。他店のセールより価格は高めなものの、3年間修理無料券が付いてくるメリットがあります。

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 グロッケ購入前に設営講習を受けました。アポロンほど複雑な構造ではないため、ヘキサテーブルやG-Stoveを入れたときのイメージなど直営店ならではのポイントをチェック。

グロッケの側面から煙突を出すと庇に干渉する

 薪ストーブの煙突を側面から出す場合、庇が煙突に接触するため幕除けが必要となりそう。同じポリコットンのピルツ15 T/Cの頂上部から煙突を出すほうが難易度は低い気がします。

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 また薪ストーブの煙突は横の長さに対し3倍程度の高さを出すのが通説らしく、側面から出そうとすると大掛かりなものに。思い切ってテントに穴を開けたほうが便利かも。

グロッケの設営方法

 グロッケの設営手順については、初回と2回目以降で少し異なる部分があります。GRAND lodgeで学んだことを交えて細かく紹介したいと思います。

 もし純正のPVCマルチシートを使わずに設営する場合は、代わりにユタカメイクの防水シート(5.4mサイズ)などを5角形に切って使うと安上がりです。

PVCマルチシートを地面に広げる

5角形のPVCマルチシートを地面に広げる

 まず初めに5角形のPVCマルチシートを地面に広げます。このときペグは打ちません。PVCマルチシートには重みがあるため、多少の風であれば耐えてくれます。

 このタイミングでテントの位置と出入口の方向を決めてしまいます。目安として周囲に1m以上スペースを空けておくと張り綱を張ったりペグダウンするとき動きやすいです。

PVCマルチシートは折り返しが下になる

 グロッケはファスナーを開けて出入りするとき、正面から強風を受けると吹き飛ばされる可能性があるため、可能であれば風下方向に向けて出入口を設けるのがおすすめ。

 少しわかりにくいですが、PVCマルチシートには表裏があります。地面と接するのが折り返しがある面。上から見たとき折り返しが見えない状態で敷くのが正解とのことでした。

本体を広げ正面の向きを合わせる

PVCマルチシートの上にグロッケを広げる

 PVCマルチシートの上にグロッケ本体を広げ、正面の向きを合わせます。開封直後の初回設営時は畳み方が異なるため、PVCマルチシートとの向き合わせが必要です。

 後ほど紹介する公式撤収動画で畳んであると、出入口側から奥に向かってコロコロ転がして広げるだけで、設営のたびに出入口の向きを合わせる手間がありません。

5角形の角をペグダウン

 グロッケ本体の角5ヶ所にあるベルト(ラダーロックコード)を半分ほどの長さにし、PVCマルチシートの角の30cmほど先にペグダウンします。

 ペグは仮打ち状態で構いません。のちほど打ち直すと全体的に形がキレイに出るはずです。よほど風が強くない限りベルト部分は20㎝前後の短い鍛造ペグでも大丈夫。

メインポールで立ち上げる

グロッケの中に入りメインポールで立ち上げる

 出入口のファスナーを開け、組み立てたメインポールでグロッケの中央を立ち上げます。メインポールの上下はランタンフックがあるほうが上、フックがないほうが下です。

メインポールで立ち上げる前にPVCマルチシートをグロッケ本体に接続するやり方もあります。グロッケの底面には折り返しがあり外側から作業しにくいので、今回の手順では立ち上げ後に内側から取り付けています。

Aフレームを取り付ける

グロッケの出入口にAフレームを取り付ける

 次にAフレームを組み立てる前の状態でテント内に持っていき、テント内で組み立てつつグロメットに挿していきます。Aフレームを挿したら面テープとベルクロで留めます。

 GRAND lodgeで教えてもらったアドバイスとして、Aフレームは右、真ん中、左のように端から順番にグロメットに挿していくと比較的差し込みやすいらしいです。

グランドシートを取り付ける

グロッケ本体のリングにトグルでグランドシートを取り付ける

 初回設営時はグロッケ本体とグランドシートが別に梱包されています。メインポールを軽く持ち上げてグランドシートを通し、側面10ヶ所をグロッケ本体に接続します。

 グランドシートの表裏は外側にトグルがあるため比較的わかりやすいかと思います。同じタイミングでPVCマルチシートも下のリングに5ヶ所取り付けます。

 グランドシートがあるとテンションが強すぎる箇所にシワが寄ったり側面の立ち上がりが垂直にならないため、正しい5角形で張れているかの目安になります。

ガイロープを張る

グロッケ12 T/Cの設営完了

 Aフレームの先端にキャップを被せ、グロッケの正面を一番長いガイロープでペグダウン。5角形の頂点にあるロープをペグダウンし全体のテンションを調節したら設営完了。

 形がキレイに出ない場合は最初に5ヶ所ペグダウンした位置がイマイチだった可能性が高いため、ペグを抜いて5角形の頂点の延長線上にペグダウンしなおします。

 風が強い場合は正面以外の庇の中央のロープもペグダウンするとより風に強くなります。もし地面に接する側面が浮く場合は、短めのペグで固定すればバタつきが少なくなります。

グロッケの撤収方法

 グロッケの撤収手順はogawaの公式動画に沿って畳むのがベスト。ポイントは白いポリコットン生地が地面に接しないよう内側に折りたたんでいくことです。

 地面に接する面が常にブラウンのポリエステル生地となることで汚れに強くなります。側面に細いフレームが入っているため、うまく巻き込むとキレイに収納袋に収まります。

ポリエステル生地で汚れを防ぐ

GRAND lodgeでグロッケが畳まれた状態

 次回設営するときも出入口側からコロコロ奥に転がして広げるだけで正面の向きを合わせる必要がなく、グロッケに適した理想的な撤収方法だと思います。

 PVCマルチシートの上で畳めばさらに汚れる心配が少なくなります。もしグロッケの下に何も敷いていないとグランドシートの底が濡れているはずなので畳むときはご注意を。

撤収タイムアタック

グロッケ撤収タイムアタック

 以下の条件で撤収タイムを計測してみたところグロッケは6分14秒で撤収できました。初回なので慣れてくればもう少し短時間で撤収できる気がしています。

  • グランドシートはグロッケ本体に取り付けたまま畳む
  • PVCマルチシートやハーフインナーは無しの状態
  • ガイロープは6本、ペグは11本(本体5ヶ所、ガイロープ6ヶ所)

 分厚いPVCマルチシートが5角形で重くて畳みにくいものの、もしPVCマルチシートを使っていたとしてもトータル10分あれば楽に撤収できそうです。

アスガルドとグロッケ

C&C那須高原のキャンプハロウィーンでグロッケを設営

 おしゃれキャンパーさんがよく使っているノルディスクのベル型テント「アスガルド12.6」をキャンプで試したことがあるため、グロッケと比較してみました。

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ジップインフロアとグランドシート

 アスガルドの分厚いグランドシート(ジップインフロア)はテント本体とファスナーで連結するため、地面との間にほとんど隙間がありません。

 グロッケのグランドシートはトグルとリングで本体に繋げているだけ。ただ本体の折り返しの上にPVCマルチシートとグランドシートが重なるため隙間はあまりありませんでした。

ベルテントとしての使い勝手

ハロウィンキャンプで控えめなデコを施したグロッケ

 アスガルドは12角形、グロッケは5角形。角の数がペグを打つ本数に直結するため、設営のしやすさが全く違います。感覚的には約半分の時間で設営できました。

 汚れの目立ちにくさはクリーム色に近いアスガルドの勝利。グロッケは地面に近いブラウン部分こそ汚れを落としやすくても、オフホワイトのポリコットンは汚れが目立ちます。

 室内空間の広さはほぼ互角もしくは若干アスガルドのほうが上と感じました。12角形のほうがより円に近いため、グロッケよりもテントの端の使い勝手は良さそうです。

クロンダイクも候補の一つ

ハロウィンキャンプでグロッケデビュー

 結局のところグロッケとアスガルドは好みの問題かと思います。ユーザーが多い分、アスガルドのほうが情報は揃っているし、意気投合する機会も多いのではないでしょうか。

 グロッケはデンマークのローベンス「クロンダイク」にも似ているそうです。北欧テント展示会で見た限り、クロンダイクのほうが出入口の高さがあるため腰に優しそう。

 自分はとにかく設営の簡単そうなグロッケを選択しただけで、シロクマが好きなら12角形のアスガルド、男性的な色合いが好きなら10角形のクロンダイクへどうぞ(^^)

グロッケの感想

 野田市スポーツ公園での初張りやキャンプアンドキャビンズ那須高原でキャンプハロウィーンに参加したとき感じたグロッケの主な感想は次の通りです。

設営や撤収はとても簡単

ハロウィンキャンプでグロッケを撤収中

 グロッケをキャンプ場で立ててみると(ガイロープを毎回張る必要があるものの)トータルでみてアメニティドームより少し簡単かもしれません。慣れれば10分かからないはず。

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 ガイロープを張らないときのリビングシェルのほうが自分的にはより簡単ですが、ガイロープを張ったときのリビングシェルよりはグロッケのほうが簡単です。

 出入口の中央下をペグダウンするときはソリステやエリステのような頭頂部が出っ張ったペグではなく、パワーペグSUS200のような出っ張りが邪魔しにくいものがおすすめ。

室内の居住空間はなかなか

ハイランダーのインフレーターマットを敷いてサイズをチェック

 家族4人で寝泊まりするテントとしては十分な広さがありました。ハイランダーのインフレーターマットを左右に2枚ずつ敷いて、周囲に荷物を置いても充分な余裕あり。

 グロッケには純正のインナーマットが存在しませんが、5角形のワンポールテントということでサーカスTCのフルインナー用マットがほぼ同じサイズで流用可能かと思います。

ハイコットでもコット寝できそう

グロッケにハイコットを並べられるか実験中

 撤収前の実験として普段使っているハイコットをグロッケ内に入れてみたところ、4台がスッキリ収まって、起き上がっても頭が天井が付くことなくコット寝できることが判明。

 もしコット寝する場合はグランドシートを使わずシェルターのように使うのがおすすめ。グランドシートを外した状態でテンティピ方式で立てればより時短になりますね。

 ポール上部のランタンフック、本体上部に2ヶ所にあるベンチレーションともに身長175cmの自分がギリギリ操作できる高さ。踏み台を使うか設営前に仕込んでおくと楽チンです。

グロッケの気になる点

グロッケの出入口にあるファスナー

 出入口のファスナーが全て同じエンジ色となっており、開け閉めするときメッシュなのかポリコットンなのか判別できるように改良したほうが便利そうでした。

 グロッケだけでなくベル型テント全般に言えることですが、出入口のAフレームから伸びるガイロープが正直鬱陶しい…正面にタープを連結するとスムーズに出入りできます。

ドーム型テントと同じくグロッケの出入口にスノコを置くと、靴を脱ぎ履きするときテント内に草や砂が入り込みにくくなります。

グロッケのPVCマルチシートをぶら下げて乾燥中

 ポリコットン生地は結露が少なく、軽く日に当たるだけであっという間に乾いたのですが、ポリエステル生地のボトムや分厚いPVCマルチシートはすぐには乾かず。

 設営も撤収も簡単なグロッケ本体と比べ、5角形のPVCマルチシートが重くて畳みにくく、持ち運ぶときかさばります。上手く畳まないと収納袋にも入れづらいです。

グロッケのまとめ

グロッケのベンチレーションを開放

 ogawaのグロッケ12 T/CはSnowPeakのリビングシェルに匹敵するほど設営が簡単。ベル型テントにしてはペグダウン箇所が少ない(=疲れにくい)のも気に入りました。

 側面の立ち上がりが70cm以上あることで室内空間が広く、ハイコット4台と石油ストーブを入れて家族4人で寝泊まりできるのも好印象。春秋キャンプが捗りそう!

 唯一の懸念はオフホワイトの生地がいつまでキレイな状態を保てるか。畳み方次第である程度は汚れを防げるものの、こればっかりは長期で使用してみないと評価が難しいですね。

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