富士山の周辺を中心に高規格キャンプ場やレストランなどの施設を運営するPICAリゾート。その総本山ともいうべきキャンプ場がPICA富士吉田です。
AC電源付テントサイトに加え、コテージやトレーラーハウスなどの多彩な宿泊施設、木々に囲まれた場内の落ち着いた雰囲気、清潔な水まわりなど快適に過ごせる人気キャンプ場。
キャンピカ富士ぐりんぱや有野実苑オートキャンプ場と比較しつつ、山梨を代表する高規格キャンプ場の1つ「PICA富士吉田」のキャンプ場レポをまとめてみました。
PICA富士吉田
PICA富士吉田は富士山北側のふもと、山梨県富士吉田市にある林間サイト。標高約1,000mの高地にあるため東京近郊と比べ真夏でも涼しく、高い木々に囲まれた場内は適度に木陰もあり雰囲気が良いと感じます。
AC電源あり・なしの区画サイトに加えキャンピングパオやコテージ、テントヴィラなど様々なタイプの宿泊施設が点在しており、その時々の参加メンバーや目的に応じてスタイルを変えながら何度来ても楽しむことができます(^^)
場内にドッグランがあるだけでなくクルマで片道10分程度の距離には河口湖や富士急ハイランドがあり、ただ寝泊りするだけではなくアクティブに行動したいキャンパーにも喜ばれるキャンプ場です。
都内からどの程度かかるかGoogleマップで調べてみると、豊洲駅からPICA富士吉田まで中央自動車道を経由して約1時間45分と適度な距離感。
渋滞さえ無ければ富士山の南側にあるキャンピカ富士ぐりんぱより少し近いのですが、残念ながら週末になると相模湖インター周辺で渋滞が発生するため都内から片道2時間半~3時間程度を見込んでおくのが無難です。
有野実苑やパディントンベアのように都内から1時間半~2時間で到着するキャンプ場とは異なり、片道3時間というのは小さな子連れキャンパーにとっては少しタフかも。
次にご紹介するPICAリゾート最大のメリット「ハッピーフライデー」もしくは「アフターホリデー」を活かして渋滞を避けるのがオススメです。
滞在時間をより長く!
テントサイトのチェックインは13時~19時と一般的な設定。一方でチェックアウトが7時~12時というのは撤収作業に手間取るキャンプ初心者にとって非常にありがたいと感じます。
チェックアウト時刻が10時・11時・12時の違いで朝の忙しさが桁違い。他のキャンプ場も12時チェックアウトにしていただきたいくらい(^^;)
10時撤収だと時間なさすぎて5時には起きて朝ごはん作り始めないと撤収厳しいかもと感じてしまいます。大型幕体を使わない、凝った料理を作らないという作戦が有効ですが、PICA富士吉田なら12時まで余裕があるため心配いりません!
PICAリゾートのキャンプ場といえば「ハッピーフライデー」や「アフターホリデー」を活用して滞在時間を長くすることができるのが大きなメリット。
土日の1泊2日でテントサイトに滞在するときはハッピーフライデー利用として2泊3日で予約し、金曜にチェックインもしくは土曜朝早くにチェックインできます!
このウラ技はご遠慮ください。
- 『おま金。』 でサイトを確保しつつ、土曜日の朝一番にチェックインする→禁じ手です。
- 2区画以上ご予約の方で、先に一組の方がすべてのチェックイン清算を済ませ、もう一組が20時以降、もしくは土曜日朝一番に入場する→禁じ手です。
出典:C&Cおまけの金曜日。
ガルヴィの人気キャンプ場ランキング2015で東日本1位になったキャンプ・アンド・キャビンズ那須高原の「おまけの金曜日。」が似たような仕組みですが、おま金は金曜日のチェックインが必須となっています。
PICA富士吉田ではコテージやキャンピングパオであれば金曜宿泊分が半額扱いに、テントサイトなら金曜宿泊分が無料なうえ「金曜日に宿泊せず土曜朝から利用する」という方法が公式で認められています。
日々忙しいサラリーマンキャンパーが土日をフルに使ってキャンプを楽しみたいときは、ハッピーフライデーを利用して土曜朝にチェックイン、滞在中にレイトチェックアウトを申し込み日曜夕にチェックアウトすれば完璧!
なおハッピーフライデー適用時は金曜日夜なら21時まで、土曜朝なら7時からチェックイン可能という素晴らしいシステム。PICAリゾートに行くならハッピーフライデーを活用しない手はありませんね(^^)
レンタル無料→現在は有料
PICA富士吉田ならではの嬉しいポイントがダッチオーブンの無料レンタル!キャンプの70%は食事のための時間ということで本格的なアウトドア料理を作るためには欠かせないダッチオーブンを貸してもらえます。
いつかはダッチオーブンが欲しいと考えているキャンプ初心者は多いかと思いますが、ロッジ製にせよユニフレーム製にせよ購入する前に使い勝手を試してみたいもの。
レンタルであれば面倒なシーズニングも不要だし、もし疑問や質問があればスタッフに具体的なアドバイスをいただくこともできます。何よりも無料であることが嬉しい(^^)
ダッチオーブンを使えばローストビーフやローストチキンを作ったり、パンやピザを焼いたりと何でもできちゃいます。焼く・煮る・蒸す・炒めるなど1台で何でもこなす万能調理器具として大活躍間違いなし。
我が家が2016年4月に初めてPICA富士吉田を訪れたときは以前より使ってみたかったユニフレームのダッチオーブン(ディープタイプ)を貸していただけました。その後、同じユニフレーム製を購入するきっかけに(^^)
ちなみにダッチオーブン本体だけでなく、底網とリッドリフター(熱くて重い蓋を持ち上げるキャンプ道具)も無料レンタル可能とのこと。必要な方はスタッフに申し出てみると良いかと思います。
PICA富士吉田でダッチオーブンをレンタルするときの注意点としては「数に限りがあるため早めにチェックインする」ことです。
ハッピーフライデーを活用して金曜夜もしくは土曜朝にチェックインするキャンパーが多数いるため、のんびり土曜日午後にチェックインすると既に無料レンタル分のダッチオーブンが在庫切れとなっている場合があります。
ちなみにダッチオーブンを使い終わって返却するときは、普通に洗い流しておくだけでOK。ガシガシ洗ったあと水気を飛ばしてオリーブオイルを塗っておく必要はなし。
キャンプ場スタッフの方から「洗うだけで大丈夫ですよ(スタッフにてオイル塗るところまでやり直すらしい)」と教えてもらいました(^^)
キャンプ場の雰囲気
PICA富士吉田は高い木々に囲まれた林間サイト。優しい木漏れ日が差し込む雰囲気が抜群に良いです。水も空気も美味しいし癒されること間違いなし!
関東にある林間サイトで人気のあるキャンプ場といえば千葉県内なら「有野実苑オートキャンプ場」ですが、PICA富士吉田は有野実苑ほど木々の密度が高くないためサイト全体が適度に明るく気に入りました。
有野実苑はどうしても標高が低いため6月~9月は暑く、かつ虫がかなり多いのが気になります。PICA富士吉田は標高が高いため涼しく、虫が少ないというのはありがたいな、と。
水まわりをチェック
PICA富士吉田の水まわりは高規格キャンプ場らしく清潔になっています。全部ではないもののお湯は出るし、炊事棟自体は古くても掃除はキチンとされています。
自動販売機や踏み台もありキャンプ初心者にも安心。テントサイトの端から炊事棟まで遠いのは少し気になりますが、予約するとき水場やトイレの近くを希望していることを申し出れば何かしら考慮してもらえるかもしれませんね(^^)
なお同じPICA系列の「キャンピカ富士ぐりんぱ」と比べると、PICA富士吉田のほうが少し劣ってしまいます。
ぐりんぱのキレイさは全国屈指のレベルにあるため比較するのは酷ですが、もし水まわりを非常に気にするならPICA富士吉田よりおすすめ!
トイレも十分キレイです。特に管理棟にあるトイレはキャンプ場としては最高レベルだと感じます。とはいえキャンピカ富士ぐりんぱにはやっぱり敵わないわけですが(^^)
同じPICA系列のパディントンベアキャンプグラウンド@相模湖が想像以上に低規格キャンプ場だったので驚いたのですが、やはりPICAリゾートでパディントンベアは異例なんだと思います。
PICA富士吉田の管理棟にはお風呂(浴槽あり)があります。キャンピカ富士ぐりんぱ同様、サイト料金に含まれており滞在中は何度でも利用することができます。
土日であれば午後3時~12時、午前8時~10時半が入浴可能時間となっており、夕飯前に子供達と入って寝る前に一人でゆったり、さらに朝風呂することも!
脱衣所含めたお風呂全体の清潔さではキャンピカ富士ぐりんぱに敵わないものの高規格キャンプ場として問題ないレベル。サイト数に対してお風呂の規模は妥当だと思います。
ぐりんぱにも言えることですが、浴槽のお湯がぐりんぱ以上にぬるいのが若干気になりました。長風呂するには良いとしても、普通に入るには少しぬるすぎますかね(^^)
子供と遊ぶ場所が少ない
ファミリーキャンプでPICA富士吉田を訪れたとき、小さな子供が遊べるプレイスポットは意外と限られているなという印象が残りました。
ゲストハウスにある談話スペースには本が置いてあったり、ドッグランもキャンプ場内にあるためワンコをつれてキャンプするには良い場所かもしれませんが、有野実苑のような体験型キャンプ場ではなさそうです。
ツリーハウス
キャンプ場のほぼ中央に位置するツリーハウス。日中は自由に出入りすることができ多くの子供達で賑わう場所です。ツリーハウスの周辺は緩やかな斜面となっており、適度な木々と凸凹が追いかけて走り回るのに最適(^^)
有野実苑であれば収穫体験やクラフト体験、流しそうめんやポップコーン作りなどアクティビティが豊富に揃っています。キャンピカ富士ぐりんぱやパディントンベアであれば大きな遊園地が併設されています。
PICA富士吉田にはそのようなものは特になく、連泊しようものなら子供達が途中で飽きてしまう可能性が高いと感じました。キャンプ場内でファミリーキャンプが完結する場所ではないかもしれません。
他にもベンチに座ってリラックスできるようなエリアがありましたが、主だった子供向け遊具は特に無し。ツリーハウス以外にもう少し子供向けの遊具があったら良いかと思います!
なお富士山側にミネラルウォーターを詰めているであろう大きな建物があり、せっかくの雰囲気を壊しているのが気になりました。メインのテントサイトとは逆側にあるのですが、コテージ泊だと視界に入るかも。
場内の全体的な雰囲気は有野実苑より気に入りましたが、もし工場がなければ富士山を見ることができたのかもと思うと残念な気分。
なおコテージ周辺の木々に囲まれた雰囲気は、オートリゾート苫小牧アルテン@北海道と甲乙つけがたいほど素晴らしかったです。
まとめ
PICA富士吉田はサイトや水まわりに大きな不満のない「高規格キャンプ場のお手本」ともいうべき存在でした。
バランスに優れているという観点ではイレブンオートキャンプパークと似たところがありますが、全てにおいてPICA富士吉田のほうがレベルは高いかなと。
残念ながら小さな子供達が主役のファミリーキャンプに適しているキャンプ場かというと、ツリーハウス以外に遊ぶ場所がなく、ぐりんぱや成田ゆめ牧場、グリンヴィラには到底及ばず。PICA富士吉田は大人向けのキャンプ場という感じがしました。
我が家がこれまでに行ったキャンプ場だと有野実苑や苫小牧アルテンに雰囲気が近く、サイトの美しさは有野実苑以上アルテン以下といったところ。
中央自動車道の渋滞さえなければ週末にフラッと行きたいレベルのキャンプ場ですが、相模湖インターだけでなく圏央道開通により八王子ジャンクションも混雑している現状ではなかなか厳しい。
ガルヴィのベスト10には入らなかったものの人気キャンプ場として知名度があり総じて予約は取りづらいのですが、PICAリゾートの修行を積めば(累計20万円ほど使えば)ランクアップし予約開始日が一般人より一気に早くなりサイトを確保しやすくなります。
コテージ泊として行ったときは場内だけでは子供達が物足りなかったのですが、早めにチェックアウトして水族館や道の駅などに繰り出せばPICA富士吉田は十分楽しめました。
家族全員が小学生以上になればクルマで10分程度の距離にある富士急ハイランドで遊ぶのもありですね!