夏キャンプに欠かせない虫対策。暑い時期は虫がたくさんいるから嫌だ!という意見はそれほど珍しくもなく、虫全般が苦手なキャンパーは全国に一定数いるかと思います。
タープの下で食事していると、料理に入ってきたり顔のまわりをたくさん飛んでいたり…虫まみれのキャンプはできれば避けたい!という思いから、効果のありそうなものを色々と試してみました。
この記事の目次
虫除け対策の効果を検証
夏キャンプの虫除け対策には「確実に効果が期待できるもの」と「本当に効果があったのかよくわからないもの」があります。
当記事では個人的な感想に基づき、効果の有無を評価してみました。★★★★★が最高、★☆☆☆☆が最低で、5段階評価の虫除け効果には虫刺され防止を含みます。
- 虫がいる場所に行かない
- 肌を露出しない
- 蚊帳で居住空間を囲む
- 光源の配置を意識する
- 森林香や蚊取り線香を炊く
- シトロネラキャンドルを点ける
- 人工的に風を起こす
- パーフェクトポーションをかける
- ランタンで蚊取りマット
- ハッカ油スプレーをかける
- 朝夕に焚き火する
1. 虫がいる場所に行かない
虫除け効果:★★★★★
自然の中でキャンプする以上、虫とのある程度の共存はやむなしかもしれません。とはいえ蚊やブユがアクティブに活動する期間は初夏~初秋がほとんど。5月~9月は人間にとっても虫にとってもオンシーズン。
暖かい時期にキャンプするのを諦めオフシーズン狙いで10月~4月にキャンプすれば虫に遭遇する心配はほとんどありません。虫さえいなければタープでコット寝しても全く問題なし。
虫との遭遇を極力減らすには、どんな場所に生息しているかを知ることが不可欠。木々に囲まれた林間サイトと呼ばれるキャンプ場は日陰を確保できるし雰囲気も良いのですが、虫の生息域と被るためある程度の覚悟が必要です。
とはいえ林間サイトが一律虫多めというわけではありません。ガイドブックだけではなかなかわかりにくいのですが、地面や水辺の状況と木々の間伐・剪定度合いにより大きく異なる印象があります。
感覚的に地面は土や芝生ではなく砂利敷き、水辺が遠い、適度に間伐されている、高い木々の下半分の枝が剪定されているキャンプ場は虫が少なめ。大子グリンヴィラのように整備された高規格キャンプ場も虫が集まりにくいです。
また高地にある涼しいキャンプ場は平地とは気候が異なり虫が少なめ。これらの条件を満たすキレイなキャンプ場に行けば大自然のど真ん中で野宿するのと比べ格段に虫との遭遇機会が少なくなります。
標高1,000m前後のキャンピカ富士ぐりんぱや北軽井沢スウィートグラスは条件を満たしています。レビューやクチコミで虫が少ないと評判のキャンプ場を探してみるのも良い作戦かと思います(^^)
2. 肌を露出しない
虫除け効果:★★★★☆
虫との遭遇を減らすわけではないものの虫刺されの頻度を劇的に減らすためには肌をできるかぎり露出しないこと。暑い季節はハーフパンツにサンダルというスタイルが涼しく快適ですが、虫さんどうぞいらっしゃいと言っているようなものorz
ショートパンツやハーフパンツを履くにしても、かならず薄手のタイツやレギンスを重ね肌の露出を極力抑えると蚊やブユに刺されにくくなります。
上着もTシャルやポロシャツ1枚ではなく長袖のロングTシャツを重ねたり薄手のパーカーを羽織るなどして腕まわりや首まわりを露出しないようにすると安心です。もちろん帽子も必須。
3. 蚊帳で居住空間を囲む
虫除け効果:★★★★☆
居住空間全体をメッシュ状の蚊帳のような何かで覆うと大抵の虫の侵入を防ぐことができます。出入り時の開け閉めを最小限に抑えれば95%以上減らせる感覚あり。
代表的なキャンプ道具がスクリーンタープやシェルター。地面近くの隙間を塞ぐスカートが付いており四方をフルメッシュにできる「リビングシェル」のようなものが特におすすめ。
オプションパーツで後から全面メッシュを追加できるシェードは昼間は大型サンシェード、夕方以降はスクリーンタープとして使えるため、使い勝手が良いです(^^)
スクリーンタープ+ドーム型テントではなく、2ルームテント1張にする作戦も同じく効果大。夏場の大型幕設営は汗だく必至ですが、居住性が優れているのもまた事実。
我が家のようにスクリーンタープや2ルームにコット(簡易ベッド)を並べ、虫除けしつつ涼しく快適に寝るという作戦を採用している方もいます。
4. 光源の配置を意識する
虫除け効果:★★★☆☆
蛾やカナブン、羽蟻などは光に集まる習性があります。白く明るい光源に集中する一方、黄色く暗い光源にはほとんど見向きもしません。
居住空間から離れたところにガスやガソリンなどの明るいメインランタンを設置し、卓上には暗いサブランタンを置いて遠くに虫を引き寄せる作戦が一般的。対策することで80%以上虫が減る印象があります。
欠点としてはサイト全体が薄暗くなりロープに足を引っかけたりするなど危険が伴うこと。コールマンのトリップレスライトのような小物を併用すると転びにくくなるかと思います。
5. 森林香や蚊取り線香を焚く
虫除け効果:★★★☆☆
黄色い「森林香」と赤い「パワー森林香」の2種類が市販されている屋外用虫除け。アウトドアで一定の効果があるという評判が広がりキャンプ場で使っている方が多い印象があります。
オサレキャンパーの方々は蚊取り線香ホルダーのようなものを使用していますが、我が家的には荷物が増えるだけなのでペグに引っかけておくだけで十分。オシャレなホルダーに入れるとヤニの掃除が大変(^^;)
ソリステやエリステだけでなくジュラルミンペグでもキチンと固定して使えます。可能であれば専用の携帯防虫器に入れて腰に引っかけておくと高い効果が期待できます。
1泊2日のファミリーキャンプでは計4巻使うことが多いです。虫に刺されやすい夕方(早め)に2巻同時、翌朝(起きたらすぐ)に2巻同時に少し離れた場所で使用します。
できれば風上、無風の場合はタープのメインポール近くにそれぞれ置いておくと効果あり。市販の蚊取り線香と比べ単価が高いものの配置次第で効果はそれなりにあるという印象です。
いわゆる市販の蚊取り線香は缶で買うと蓋が不燃繊維の入ったケースになっているため、まとめて2缶以上買っておき最初からケースだけ複数個同時に使用するのがおすすめ。
パワー森林香と比べ圧倒的に単価が安く入手しやすいメリットも。1泊2日のファミリーキャンプでは6巻(夕方3巻、朝3巻)使うことが多いです。
サイズ違いやアロマ入りなど種類も豊富なので、好きな香りを探して色々試してみるのも楽しいかと思います。ちなみに我が家はベタな緑色のジャンボサイズに落ち着きました。
6. シトロネラキャンドルを点ける
虫除け効果:★☆☆☆☆
虫の忌避効果があるとされるシトロネラオイルを配合したアロマろうそく、シトロネラキャンドル。雑貨屋やキャンプ場の売店で販売されていることもあります。
ふもとっぱらで開催されたスノーピークのイベントにカメヤマキャンドルハウスが出店しており、ゼリーキャンドルやフレグランスサシェ作りをしたとき様々な製品を教えてもらいました。
バケツやカップに入ったものや太いロウソク形状、たいまつのようなトーチまでバリエーションが豊富で、風が吹いても消えにくいタイプがキャンプでは役立ちます。
点灯直後からレモングラスのようなシトロネラの香りがほのかに漂い始めるものの、本当にアウトドアの広い空間で効いているのか実に怪しい…かなりの数を同時に点けないと意味が無いかも!?
アウトドアに最適なのはバケツタイプのLサイズ。Lサイズを数個同時に使えばそれなりの効果を発揮してくれるはず。トーチを筆頭にコスパはものすごく悪いです(^^;)
7. 人工的に風を起こす
虫除け効果:★★☆☆☆
小虫は風に弱いことが知られています。強い風が吹くと虫が逃げていくため、赤壁の戦いの諸葛孔明的「風を起こして戦に勝つ」作戦として3日3晩祈り続けて…ではなく人工的にサイトに風を送り込みます(^^)
卓上USB扇風機は少ない電力でファンを回すことができるため、大容量のモバイルバッテリーに接続するだけ。1つでは心許ないときは2つ同時に使うのもあり。
日差しのあるサイトの場合はソーラーパネルとの併用がとにかくエコ。曇るとファンの回転数が少し落ちてきますが、晴れた日の朝晩であれば複数台のUSB扇風機を全速で動かせるほどパワーを生み出します。
AC電源サイトであればサーキュレーターの出番。寒い季節のキャンプではホットカーペットや電気毛布などAC電源を使う方が多いのですが、夏場はそれほどAC電源の出番もなく。
サーキュレーターであれば卓上USB扇風機数台とは比べ物にならないほど強力な風を巻き起こすため、上手く使いこなすと虫があまり気にならなくなります。
森林香や蚊取り線香と併用するときはあまりに強すぎる風を吹かせると効果が薄れてしまうため向きや強さに注意が必要です。静音タイプかつ首振りだと広範囲に風が行き渡ります。
8. パーフェクトポーションをかける
虫除け効果:★★☆☆☆
スプレータイプの虫除けとして楽天市場や雑貨屋で人気のあるパーフェクトポーションのアウトドアボディスプレー。シトロネラオイルなどが配合されています。
天然成分100%で、シトロネラ、ペパーミント、ユーカリ、ティーツリー、シダーウッドなど、選び抜いたエッセンシャルオイル使用。香水に使用されるサトウキビ由来のアルコールを使用。清涼感のある香りです。生後6か月の赤ちゃんから妊婦さんまでお使い頂けます。
日本で一番売れているアロマスプレーのようで、キャンプ場の売店でも売っていることがあります。エクストラとハッカの2種類を買ってみました。
正直なところコストパフォーマンスは相当悪いと感じました。大きい125mlタイプを家族4人で使うとキャンプ3~4回ですぐ空っぽになります。正直リピートはないかな…
未就学児、特に3歳以下の小さな子供がいるようなキャンパーには市販の虫除けスプレーよりも安心かと思います。全身にスプレーしてから効果がなくなるまで1時間半くらいというのが実感。
9. ランタンで蚊取りマット
虫除け効果:★☆☆☆☆
我が家のメイン光源である「ワンマントルランタン286A」にはリフレクター(反射板)としてSOTOの蚊トリフレクターをセットしてあります。取り付けたままでも収納サイズが変わらず純正オプションかのようなフィット感。
耐熱ガラスのグローブの外側にはめ込みマントルの光を前面に集約させる機能がある反射板ですが、熱源に近いためかなり熱くなる特徴を活かして蚊取りマットを挟めるようにしたアイディア商品です。
近年ノーマットが主流になってきたため蚊取りマット自体の入手性が悪くなってきており、近所のドラッグストアでは売っていませんでした。
使い方はシンプルで、蚊取りマットを挟んで使うだけ。もし電源サイトであればガソリンランタンの代わりに200Wクラスの白熱電球を使っているため、昔ながらのベープマット蚊取り器を使っています。
マット1枚で12時間効くためキャンプで使うには十分すぎるほど。1枚だけだと効果が薄いと感じたときは2枚使いするのも良さそうです。
なおマット自体は非常に小さいためワンマントルランタンのケース下部に数枚まとめて収納できます(マントルの予備を入れている方が多いかと)。
この製品は虫除けではなく蚊取りです。80年代はリキッドではなくマットが主流だった印象がありますが、独特の香りがするため苦手な方はいるかもしれません(^^;)
10. ハッカ油スプレーをかける
虫除け効果:★★☆☆☆
キャンパーおなじみのハッカ油スプレー。材料を購入し自作される方が多いかと思います。春から秋にかけてブユ(ブヨ)が出る季節に欠かせない虫除けグッズです。
ハッカ油と無水エタノールを混ぜたものに水を加えスプレーボトルに入れるだけ。原材料は近所の薬局やAmazonで売っており、スプレーボトル(アトマイザー)はアルコール対応の溶けない容器が100均で売っています。
個人的な感想ですが、ブユには効きますが他の虫にはあまり効かないかもしれません。汗で流れやすいこともあり効果のある時間がとても短く、最低でも1時間に1度は入念にスプレーしないと総攻撃にやられます。
混合したあとそれほど日持ちしないので、1度のキャンプで使い切る想定で毎回作るのが良いかと思います。1泊2日なら50mlスプレーボトル2本用意していきます。
11. 朝夕に焚き火する
虫除け効果:★★☆☆☆
蚊を含む小虫が多く発生する時間帯は朝と夕方。これらの時間帯に薪を燃やすと虫が集まりにくくなります。焚き火から出る煙が虫除け効果を発揮するようです。
穴の開きにくい素材(コットンやポリコットン)で作られたタープ下で焚き火をしながら食事や談笑すると虫除け効果を発揮しつつ楽しくキャンプできる気がします。
朝から焚き火をすると撤収するとき面倒と感じることも。太い広葉樹薪のように長い時間燃え続ける薪よりも細い針葉樹薪のほうが短時間で燃え尽きるため時間を計算しやすいかもしれませんね。
まとめ
夏のキャンプは川遊びや昆虫探しが楽しめる子供達にとって楽しいイベント。森林香やシトロネラキャンドル、ハッカ油スプレーやパーフェクトポーションなどを色々と試してみました。
本格的な実験をしたわけではないため運良く刺されなかったり運悪く刺されただけかもしれませんが、効果の有無はある程度把握できました。結論としては、どうしても虫が嫌いな方は夏以外の季節にキャンプすることをオススメします(^^;)
我が家では常に5種類くらいの虫除け対策を併用していることが多いです。それでも蚊に刺されたりすることはありますが、何も対策しないよりは断然被害が少なくなった気がします!