製品・サービスともに高いクオリティを誇る国産ブランド「スノーピーク」は、ユーザーの高い忠誠心と高利益率に支えられ東証一部上場を果たし、今やアウトドア業界で飛ぶ鳥を落とす勢いといっても過言ではないほど。
新潟県三条市のスノーピーク本社に隣接する広大なキャンプ場「Snow Peak Headquarters Campfield」は、キャンプとスノーピークをこよなく愛するブルジョアキャンパー達の巣窟かも!?
あのアップルが注目するスノーピークの本社&工場とは?スノーピーク直営のキャンプ場はどんな感じか主観を交えつつ各サイトの特徴をまとめてみました。
2016年10月の雪峰祭当日から新サイト(Gサイト・Hサイト・AC電源サイト)が増えました。本記事に各サイトの特徴を追記しています。
この記事の目次
スノーピーク本社の基本情報
金属加工の本場「燕三条」にあるスノーピーク本社は、ナチュラルライフスタイルストアやキャンプフィールド、自社工場などを抱えるスノーピークの本拠地。
スノーピークが好きなら人生で一度は訪れてみたい、まさに憧れの場所といえます。コアなユーザーからは「聖地」と呼ばれている模様(^^)
雄大な自然が残る「Snow Peak Headquarters Campfield(以下、スノーピーク本社キャンプ場)」は、週末や連休になると全国各地から訪れるキャンパーで大賑わい。
関東地方から聖地を巡礼するためには関越道を延々と北上します。関越道から北陸道に入り、三条燕インターで降り30分程度で目的地に到着。
築地市場の移転や東京オリンピックの開催決定により大規模開発の進む豊洲駅からスノーピーク本社までの経路を調べてみると、渋滞がなくても片道4時間以上!
特に関越道の下りは埼玉県内で混雑することが多く、運悪く渋滞にはまると(SAでの休憩含め)5時間以上かかってしまう可能性があります。さすがは聖地、容易く行けるほど甘くはないようです。
ナチュラルライフスタイルストア
スノーピーク本社に隣接する「ナチュラルライフスタイルストア」は、スノーピークが販売するアウトドア用品やアパレルを取り揃えた全国でも数少ない「直営店」の一つ。
テントやタープ、ファニチャーなどほぼ全てのスノーピーク製品を手にとって確認することができ、本社ショップ限定の小物もいくつか販売されています。営業時間は9時~19時、年中無休です。
普段行くスポーツオーソリティやWILD-1に入っているスノーピークストアでは見かけないようなアイテムも豊富。店内にスノーピーク社員が多数常駐しているため、気軽に質問しやすいのも嬉しいポイントです。
豊富なレンタル品
スノーピーク本社キャンプ場は小さな子供が遊べるブランコやすべり台などの遊具が一切見当たらないものの、広くて急な斜面を活かしたソリ遊びを楽しむことができます。
受付横にはソリや芝スキーが置いてあり、近くに置いてある台帳に記名すれば無料でレンタル可能。自宅からソリを持ち込む必要はありませんでした。
本社に隣接する直営キャンプ場ならではとして、全てのスノーピーク製品がレンタルできるのが凄いところ。燃料や消耗品などを除く現行商品が何でもレンタルできちゃう!
購入前に試してみたい商品や手ぶらでキャンプしてみたいときなど、スノーピーク製品を好きなだけレンタルして使うことができます。
スノーピーク直営のキャンプ場は本社以外にも2ヶ所(大阪・大分)ありますが、全てのスノーピーク製品をレンタルできるのは本社キャンプ場だけ。
例えばソファ・コット・チェア・ラックに変化するマルチファニチャー「ラックソット」のような新製品も、スノーピーク本社キャンプ場なら購入する前にキャンプしながら試してみることも!?
とはいえスノーピーク製品ということでレンタル価格は少々お高め。あらかじめセットとなっているアメニティドーム+マットで1泊5000円、メッシュシェルターで1泊7000円、ランドロック+マットで1泊15000円。
せっかく全てのスノーピーク製品をレンタルして実際に試せるのであれば(費用はさておき)ラウンジシェルやソルproなど気軽に手が出せないレアな幕体にチャレンジしてみたくなります(^^)
スノーピーク本社キャンプ場を訪れるということは、既にスノーピーク製品を使用中である可能性が高いと思います。幕体以外だとアイアングリルテーブルやワンアクションテーブルのようなキッチン・ダイニングを充実させるアイテムがおすすめ!
スノーピーク本社キャンプ場
スノーピーク本社キャンプ場は燕三条の自然を活かした広大なフリーサイト。全体的に場内の起伏は激しく、緩やかな斜面になっている場所や低地となっている場所も多々あります。
南関東のキャンパーならご存知の方も多いであろう千葉県袖ヶ浦市にある「森のまきばオートキャンプ場(森まき)」に近い印象を受けました。森まきとの共通点は「何もない一面のフリーサイト、しかも斜面」っていうだけですがw
photo by 公式ホームページ
場内はフリーのA~Fサイト(以下、旧エリア)、フリーのG~Hサイト+区画のAC電源サイト(以下、新エリア)の大きく2つに分かれており、受付を終えた順番に好きな場所を選んで設営することができます。
受付順ということは「人気サイト」もしくは「こだわりサイト」から順番に埋まっていく傾向があり、各自のスタイルに合わせて設営場所を決めるのが望ましいかと思います(^^)
特にキャンプ場内のトイレや炊事棟は4ヶ所(うち1ヶ所は本社屋)しかなく、例えば小さな子供を連れているときは必然的に水まわりの近くを狙うことになりますね。
Aサイト
フリーサイトAは旧エリアを利用する全てのユーザーが駐車場を出て最初に通る道路沿いにあり、受付棟に向かって緩やかな傾斜があります。2016年秋の雪峰祭でリビシェルを設営した場所です。
水まわりは受付棟近くであれば本社屋にある水道やトイレを、奥のゴルフ場近くにある高台であればBサイトにあるトイレや炊事棟を利用します。
Aサイトの中央に設営するとクルマから50m程度離れた場所まで荷物を運ぶ必要があります。大きな障害物も特になく「クルマを乗り入れできない森まき」のようなサイトです。
どうしてもキャンプ場の出入り口に近いため午前中は交通量が多いのと、全体的に傾斜が緩やかではないため「Aサイトは中級者向け」という印象です。
受付棟やショップが近いのは大きなメリット。雪峰祭やスノーピークウェイのような大規模イベントがあるときは本社屋に近いと何かと便利です。ゴミ捨て場も近いです。
もし斜面でのキャンプに慣れていれば比較的空いているため広々使うことができ、部分的にある平地を早めに確保できれば初心者でも安心かと思います(^^)
Bサイト
フリーサイトBは全体的に傾斜が少なく難易度は低め。Aサイト同様に交通量は多いものの「Bサイトは初心者向き」という印象です。
水まわりはBサイトの奥の高台にあるトイレや炊事棟、もしくはEサイト近くにあるトイレや炊事棟を利用します。どちらもそう遠くない距離にあるため便利!
2016年のゴールデンウイークに訪問したときは、ゴルフ場近くの平地に2ルームシェルター「ランドロック」が大量に設営されていました。圧巻の光景です。
ランドロック周辺にキャンプ道具が見当たらないことを踏まえると「手ぶらでキャンプ」のようなプラン、もしくは団体客用として準備されていたのかも。
この場所ならゴルファーの大フックによる打ち込みは怖いものの、水場も近くて便利だと感じました。大規模なグループキャンプにもおすすめ。
Cサイト
フリーサイトCはEサイトと共にトイレや炊事棟が近く、比較的人気のある場所。チェックインしたあと水まわりの近くにあるCサイトやEサイトを目指しなるべく平らな場所を探すキャンパーが多数いるかと思います(^^)
Cサイトは2段になっており下段は水まわりとクルマが近くて便利、上段(Bサイトの近く)は景色が抜群に良いです。全体的に平坦な場所は少なく「Cサイトは中級者向き」という印象です。
スノーピーク本社キャンプ場は道路沿いにクルマを停めて荷物を持ち運ぶ必要があるため、Cサイト上段はクルマから遠くなってしまうのが欠点ですが、美しい本社屋やキャンプ場全体を眺めることができ開放感抜群。下段は雨のとき地面がぬかるむため要注意!
Dサイト
フリーサイトDは我が家が2016年ゴールデンウイークに設営した場所。Dサイト全体が高台にあり、地面はほぼ平坦。傾斜が少ない割に水捌けは良好と感じました。
水まわりはCサイトとEサイトの間にあるトイレや炊事棟となりますが、純粋に距離があるというだけでなく坂道を下っていく必要があり、重い荷物を持って何度も往復できそうにありませんorz
すぐ隣にティーグラウンドがあるためゴルフ場でキャンプしているかのような不思議な感覚になりますが、水捌けが良く平地であることで荒天時でも一切水没せずに済みました。
受付棟からも遠く幼稚園児を連れて片道5分程度はかかります。車通りは少なく静かではあるものの、トイレや炊事棟が遠いという不便さを踏まえると「Dサイトは中級者向け」という印象です。
Eサイト
フリーサイトEはおそらくスノーピーク本社キャンプ場で一番人気があると思われる好立地。ソリ滑りできる大きな斜面が裏手にありファミリーキャンパーにも大人気!
特にトイレや炊事棟近くには傾斜の少ない平地があり、静かな場所を好むのでなければ初心者向けとしてベストな場所と断言できます。
Eサイトはチェックイン後の争奪戦が予想されるため、場所を確保するためにはとにかく早めにチェックインすることが重要です。
貯水池を挟んで本社屋が見えるため景色も良いのがEサイト。もしスノーピーク本社キャンプ場を再度訪れるなら、我が家は迷わずEサイトを狙いに行くと思います(^^)
ただし周辺に遮蔽物がなく両側が斜面となるため、山頂のように風が通りやすいのが欠点。タープのペグを2本打ちして強度を高めたり、テントや2ルームシェルターは張り綱をしっかり張っておくなど、何かしらの強風対策を考えておくことをおすすめします。
Fサイト
フリーサイトFは他エリアとは異なり傾斜の少ない大きな平地。ソリ滑りできる斜面の下にあり、水まわりや受付棟が絶望的に遠いのがデメリットです。
子供の歓声を除けば静かではあるものの「Fサイトは上級者向け」という印象があります。大人だけのグループキャンプなら悪くないと感じますが、小さな子供がいるとFサイトは厳しいかもしれません。
2016年の新設サイト
photo by 公式ホームページ
2016年秋の雪峰祭初日(2016/10/22)から待望の新サイトがオープン!あわせて炊事棟・トイレ・ゴミステーション・シャワー棟が増設されています。
本社屋の手前、動物のオブジェ周辺の荒地が整備されフリーサイトG・フリーサイトH・AC電源付きの区画サイトが新設されました。これにより50組ほどキャパシティが増えたようです。
スノーピーク本社キャンプ場は電源サイトがないため寒い季節に行きづらい面があったかもしれません。10サイトしかなく激しい争奪戦は必死ですが、晩秋~初春にも行きやすくなったのは良いことだと思います(^^)
Gサイト
新エリア最下段のGサイトは、旧エリアの雰囲気に似た広大な草地。キャンプ場受付のあるストアからかなりの距離があり、緩やかな斜面を歩いて片道5分はかかりそう。
電源サイト近くにある炊事棟やトイレが少し遠いのも気がかり。Fサイトの状況と感覚的には大差なく「Gサイトは上級者向け」という印象があります。
Fサイトは子供の賑やかな声が聞こえてきますがGサイトは近くに遊ぶ場所もなく極めて落ち着いた雰囲気。静かなファミリーキャンプやグループキャンプにピッタリ!
Hサイト
新エリア上段にあるHサイトは緩やかな斜面に沿って自由に設営することができるフリーサイト。すぐ近くに炊事棟やトイレがあるためGサイトよりも人気があります。
クルマを停めた場所から近くに設営ポイントがあるのはポイント。多少の傾斜地に慣れていればまったく不自由のない場所だと感じます。
Hサイトには珍しく大きな木が生えています。スノーピーク本社キャンプ場は全体的に遮蔽物の少ない広大な敷地にあり、Eサイト周辺を除きハンモックを掛けたり日陰を得ることができる場所は少なくなっています。
AC電源サイト
寒い季節にありがたいAC電源の付いた区画サイトが登場!動物のオブジェ周辺の草地が整備され5区画、GサイトとHサイトの間に5区画の計10区画あります。
AC電源は最大1500Wまで対応しており、ホットカーペットや電気毛布などの電化製品を持ち込んでポカポカなキャンプができるようになりました(^^)
成田ゆめ牧場のようにフリーサイトは大きいけどAC電源付区画サイトは8m×8m程度しかない…なんてことはなく、自走するキャンピングカーだけでなく牽引するキャンピングトレーラーのようなクルマも置ける12m×12mサイズが嬉しい。
フリーサイトは早い者勝ちで場所が決まっていくため、良サイト確保のため本気を出すファミリーキャンパーは「パパだけ前泊して、ママや子供達は新幹線で翌朝に燕三条駅まで来る」なんてことを普通にしますが、区画サイトなら自分たちのペースでチェックインすることができます。
上の写真は本社屋のテラスから新エリア方向を撮影したもの。写真右が電源サイト、左がHサイト、見えないほど遠くにGサイトがあります。電源サイトの近くには新しい炊事棟やシャワー棟もあります。
水まわりをチェック!
スノーピーク本社キャンプ場の水まわりは良好そのもの。全4ヶ所のトイレは清潔に保たれ高規格キャンプ場と同レベル、炊事棟では温水も出ます!
受付棟のシャワーは男女2台ずつと少ないながらも、24時間利用可能なうえ脱衣所の外にはドライヤーが備え付けられていました。シャンプーやリンスは持ち込みです。
無料で使えるランドリー(洗濯機あり、乾燥機なし)もあり、総じて水まわりの設備に不満はありませんが、広大なキャンプ場なのでトイレまでの距離が遠いサイトが多数あります。
近隣のスーパー
スノーピーク本社周辺のスーパーは次のとおりです。イオン三条店の食品館は24時間営業なのでチェックイン前の買い出しで役立つと思います。
A:スノーピーク本社
B:サンゴマート下田店(10時~21時)
C:マルイ大崎店(9時~24時)
D:ベイシアマート三条店(8時~20時)
E:ウオロク興野店(9時~22時)
F:イオン三条店(24時間営業)
近隣のコンビニ&ホームセンター
スノーピーク本社周辺のコンビニやホームセンターは次のとおり、おおよそ片道10分程度の距離にあります。
A:スノーピーク本社
B:セブンイレブン三条滝谷店(24時間営業)
C:ホームセンタームサシ下田店(9時~19時半)
スノーピーク本社&工場見学
スノーピーク本社では見学ツアーが定期的に開催されています。社内および工場を案内してもらうと驚愕の連続、さすがクリエイティブな仕事をしている会社は一味違います。
- 個室の会議室はあくまでも応接用で片手以下しかない。
- 社内の打ち合わせはローチェアに座りながら焚き火台を囲んで。
- ラウンジシェルの中で社内の打ち合わせをすることも。
- 自社工場で生産しているのは焚き火台のみ。他は全て外注もしくはOEM。
座席が固定されておらず荷物はロッカーにしまっているというのは特に違和感を感じませんでしたが、現在の自社生産は焚き火台のみというのは非常に驚きました。
スノーピークはもはやメーカーではなく製品やブランドを企画することに特化した企業となりつつあるのかもしれません。かつて本社を移転する前は自社生産していた商品もそれなりにあったそうですが、本社移転に伴い焚き火台以外は外部委託するようになったとのこと。
ソフトクーラー(シアトルスポーツ)やレインボーストーブ(トヨトミ)のようにOEM生産となっている製品も多く、燕三条全体でスノーピークという会社が成り立っていることを改めて実感しました。
まとめ
スノーピーク本社に隣接するキャンプ場は「スノーピーク」というブランドと「スノーピーク製品」が大好きなキャンパーが一堂に会する不思議な空間でした。
広大なフリーサイトにランドロックやトルテュなどの幕体が立ち並ぶ光景は圧巻そのもの。他ではまず見られないスノーピークだらけのキャンプ場、人生で一度は見てみることをオススメします。
スノーピーク製品の大きな特徴である「高機能・高品質・高価格」の3高と、スノーピーク本社キャンプ場に集まるキャンパーの装備が物凄いことになっている現状を踏まえると
スノーピーク直営のキャンプ場って、自分の装備と他人の装備を見比べて「よしっ!」って自分の中で再確認したい人が集まるようなキャンプ場じゃないかな?
そ、そうかもしれない・・・
と、なぜか妙に納得してしまうほど見渡す限りスノーピーク製品だらけのスノーピーク本社キャンプ場でした。
例えば羽鳥湖高原レジーナの森@福島にある「コールマンキャンプグラウンド」に行ってもアメニティドームやランドロックは普通に見かけそうな気がします。キャンプ場が直営かプロデュースかの違いはあるかもしれませんが(^^)
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