歌才オートキャンプ場ル・ピックは広々とした区画サイトにフカフカの芝生、個別シンクやAC電源設備、充実のレンタル品などキャンプ初心者にも安心な高規格キャンプ場。
隣接したブナセンターはプレイスポットが充実し、道の駅くろまつないでは美味しいピザに思わず舌鼓間違いなし。ニセコやルスツリゾートに出掛ける拠点としてもピッタリ!
北海道らしい場内の雰囲気と開放感、清潔な水まわりは都会の喧騒に呑まれ荒んだ心を優しく落ち着かせてくれる大好きなキャンプ場です(^^)
この記事の目次
歌才オートキャンプ場ルピック
歌才オートキャンプ場ル・ピック(以下、ルピック)は北海道寿都郡黒松内町にある高規格キャンプ場。小樽やニセコと同じ後志総合振興局管内にあります。
フェリーターミナルのある函館・苫小牧・小樽からそれぞれ約2時間の距離にあるため、本州からやって来るキャンパーが当日宿泊するキャンプ場としても最適。札幌からは一般道で約3時間です。
森林がキャンプ場の外周を取り囲み、各区画の近くには景観を邪魔しない程度に背の高い白樺などの木々が生えています。うっそうと生い茂る林間サイトとは趣の異なる雰囲気です。
場内にゴミらしきものは一切落ちておらず、地面の芝生もキチンと短く刈り取られており清掃・整備が隅々まで行き届いていることが伺えます。
晴れた日のルピックは空の青さと芝生の緑、白樺の白のコントラストが絶妙。関東からやってきた我が家としては北海道らしいキャンプ場の美しさに胸が躍ります。
photo by 歌才オートキャンプ場ル・ピック
道内屈指の高規格キャンプ場であるオートリゾート苫小牧アルテンと比べルピックの規模は小さく、カーサイトが27区画にバンガローが3棟、フリーサイトが9張分と計39サイトとなっています。
場内は反時計回りに一方通行となっており多少アップダウンのある舗装路を進みます。子供は自転車やキックボード、大人はジョギングで一周すると良い運動になりますね(^^)
ルピックに滞在した3日間は8月後半の平日だったこともありキャンパーは数えるほど。札幌や室蘭、函館ナンバーのクルマがほとんどでした。
カーサイト
ルピックのメインエリアであるカーサイトは通路に沿って点在する区画サイト。区画同士の間隔が広く取られておりピーク時でも窮屈感はなさそうです。
各サイトにAC電源が付いておりクルマを横付けできるオートキャンプスタイル。電源容量は10Aと30Aから選ぶことができ、外部電源を接続するキャンピングカーにも安心です。
普通車2台が縦列駐車できるほど広い駐車スペースが各サイトに確保されているため、キャブコンのような自走するタイプだけでなく牽引するタイプ(キャンピングトレーラー)でも問題ありません。
テントやタープを設営するスペースも2家族でシェアできるほど余裕があり、我が家のようにリビシェル+エルフィールドヘキサを張っただけでは場所が余りまくり(^^)
木々が必要以上に密集しておらず下半分は枝葉が切り落とされているため、開放感は確保されつつ強い朝日や西日を遮ってくれる良環境だと思います。
地面もフカフカの芝生もしくは土でペグの抜き差しも良好。エリステやソリステのような鍛造ペグでなくても問題なく設営できます。傾斜もなく極めて平坦なサイトです。
この手の環境はキャンピカ明野ふれあいの里に雰囲気が近いのですが、明野は各サイトがかなり狭くかつ傾斜地に沿って段々に区画サイトがレイアウトされているため広々と使うことができず、同列で語るのも申し訳ないほどルピックのほうが上(^^)
個別シンクと直火スペース
カーサイトの大きな魅力が個別シンクと直火スペース。ルピックで人生初の個別シンクを経験しましたが、炊事場まで何度も往復しなくて済む便利さに驚きました。
たくさんの食器や調理器具が入るほどシンクは大きく、お湯こそ出ないものの蛇口の水量も十分。もし洗い残しがあっても蓋を閉めることができるため夜中に動物が寄ってくる心配もなさそうです。
個別シンクの隣にある直火スペースでは薪をくべて焚き火をしたり炭火を熾してバーベキューをしたり、ファイアグリルや焚き火台を持参しなくても火遊びを楽しめます。ちなみに手持ち含め花火は禁止事項です。
美しい芝生を保護するため自由に使えるコンクリートブロックが置いてあります。熱いものを地面に直接置かず底上げしたいときに役立ちます(^^)
この記事を書きながら改めてルピックの写真を見返してみると、快適でキレイな場内とカーサイトは国内最高クラスであることを再確認。関東にもこのレベルのキャンプ場が欲しい!
水まわりをチェック!
ルピックの水まわりは高規格キャンプ場らしい清潔さが維持されています。気になるトイレやシャワー設備などをチェックしてみました。
キャンプ場内にあるトイレは2ヶ所。カーサイトのキャンパーが主に利用する野外棟のトイレは、身障者用としてバリアフリー対応されておりキレイに掃除されています。
当然のごとくウォシュレット付き。このレベルで屋外の水まわりが維持されていれば、古くて汚いキャンプ場が苦手な女性にも安心かと思います(^^)
もう一つのトイレは主にフリーサイトやバンガローのキャンパーが利用する管理棟内。野外棟と同じく24時間使用でき清潔に保たれています。こちらも安心のウォシュレット付き。
トイレ同様、キャンプ場内のシャワーも2ヶ所。管理棟・野外棟いずれも24時間使用でき、特に野外棟のシャワー設備は家族で一緒に使えるほどの広さがあります。
管理棟にはコインランドリーが設置されており、洗濯機2台と乾燥機2台。洗濯機は1回200円、乾燥機は20分100円でした。長期滞在するキャンパーにはありがたい設備です。
ルピックの管理棟
ルピックの管理棟にはちょっとした売店が併設されています。ホワイトガソリンやガスカートリッジのような消耗品から地元で加工した食材まで揃っており、外には飲み物の自動販売機も設置済み。
近隣にはアウトドア用品店がないため、不測の事態が起きた夜に必要となる交換用のマントルが販売されています。スノーピーク用のマントルが3種類、コールマン用のマントルが2種類あるため、ほとんどのキャンパーが急場を凌ぐことができそうです。
薪はコンテナボックス一杯に入った状態で600円。1カゴに約10kgほど太い薪が入っており、大きくはぜることもなくしっかりとしたものでした。
ルピックの芝生広場
ルピックの中央にあるオープンスペースはフカフカの芝生が広がっており、子供達と追いかけっこをしたり大縄跳びをしたり自由に遊ぶことができます。
広場周辺にはすぐ近くにカーサイトがなく、バンガローやフリーサイトとも一定の距離があるため自由に遊ばせても危険が少ないのが親として嬉しいポイントです。
周囲に何本か高い木々が見えるものの、日差しを大きく遮るほど密集してはおらず開放的な雰囲気となっています。雨水を流すためのU字溝には蓋がないため要注意!
スノーピークのレンタル品
ルピックのレンタル品はスノーピーク製品を中心に取り揃えられており、テントやタープなど手頃な価格設定となっています。特に2種類のコンプリートセットは充実の内容!
リビシェルセットはアメニティドーム、リビングシェル、ワンアクションテーブルロング竹、パッドインチェア(現在のFDチェアの前身)2脚、焚き火台L、ベースプレート、2WAYランタン、パイルドライバーとスノーピーク製品が勢揃い!
ヘキサセットはリビシェルの代わりにヘキサMとなり、いずれのセットも1泊2日で5,000円と格安。完全予約制とのことで、2泊目以降は半額になるそうです。なおスノーピーク製品ではないもののシュラフも2つ付いています(^^)
セットだけでなく単品レンタルも充実。アメニティドーム(シュラフなし)やヘキサタープが1泊1,500円。焚き火台+ベースプレートや2WAYランタン+パイルドライバーは1泊500円とお手頃価格!
個人的にはワンアクションテーブルロング竹が1泊500円というのに強く惹かれました。スノーピークのテーブルは質感が最高なもののロング竹は横幅が120cm以上もあるため、横置きで載せることができないクルマも多々あります。
テーブルのような大物を持ち込まずに2日間500円で済むなら、毎回ぜひ借りたいですね。ロング竹は店舗で購入すれば30,000円以上、レンタルに換算すると60泊分以上w
ほぼ新品のリビングシェル
我が家がルピックに行ったとき使っていたリビングシェルは単品レンタルで1泊2日1,500円でした。北海道までわざわざ持って行った苦労が水の泡と思えるほどの安さとキレイさに驚きました。
特に衝撃を受けたのはルピックのリビングシェルがほぼほぼ新品であったこと。ベージュカラーではなくグレーカラーかつドーム型テントとの連結機構が無かったため、我が家と同じランドブリーズリビングシェルの最終モデルのようです。
ルピック滞在初日にバンガロー泊の方がレンタルされており、翌日昼に管理棟横の芝生でスタッフの方が乾燥させていた実物を確認すると、購入半年程度のマイリビシェルよりもずっとキレイな状態でした。
ちなみにほぼ全てのスノーピーク製品を試すことができるスノーピーク本社キャンプ場でリビングシェル(現行モデル)をレンタルすると1泊2日で1万円以上と驚愕の料金。
スノーピーク本社では一部のレンタルセット品を除き税込定価の10%が1泊あたりのレンタル料金となっています。残念ながら連泊しても割引はなく、単品でリビシェルをレンタルしてもハンマーすら付いてきません。
東証一部上場企業様の稼ぎ方は見事としか言いようがない…1泊1万円以上とは悪徳商人もビックリ、本当にアコギな商売ですね。あ、ルピックと関係ない愚痴になったw
黒松内町ブナセンター
ルピックの目の前にある大きな建物が黒松内町ブナセンター。ブナ北限の里「黒松内」の魅力がたくさん詰まった大人から子供まで楽しめるスポットです。
緑のとんがり屋根がアクセントの「ブナセンター」。ブナを中心に町の歴史や自然を紹介しています。
自然観察の方法や動物・植物に関する情報のほか、木工房と陶工房、食工房などの体験スペースもあり、黒松内ならではの楽しいひとときを過ごすことができます。
出典:黒松内町ブナセンター
展示物見たりこういう博物館的なのあんまり興味ないな~という方でもブナセンターは問題なし。木製のおもちゃがたくさん置いてあり自由に楽しめるのと、雨の日でも楽しめるのがありがたいです。
ブナの手回しオルガン
1階のブナホールに設置されていた「ブナの手回しオルガン」は、ところどころ穴の開いた紙を読み込ませハンドルを手で回して空気を送り込み音を鳴らす本格的な管楽器。
まず最初にガイドの方にジブリの曲などを演奏していただき、次に手回しを体験してみると…想像以上に難しい&最後まで弾くと疲れる!
一定のリズムで安定した空気を送り込まないと音楽として成り立たず、初心者が一発で最後まで演奏しきるのは相当難しいと感じました。
ブナの手回しオルガンは結婚式に貸し出されることもあるらしく、国内でも極めて貴重な一品とのこと。ブナホールに響き渡る独特の優しい音色、ぜひ一度体験あれ。
自由な木工体験
ブナセンターでは木材を加工してオブジェや収納箱などを作ることができる木工房があります。木工に必要となる基本的な道具や機械は一通り揃っており、ガイドブックやサンプルを見ながら物作りに没頭できます。
工房の利用料は2時間で高校生以上210円、小中学生100円。子供達と一緒に楽しむ木工体験であれば1,000円あればお釣りがくるレベル。
万力や電動糸鋸など自宅に揃えるのが難しい工作機器も設置されており、小学生の夏休みの工作にもピッタリ。ただし一部の大型機器は機械使用料がかかります。
材料は外に落ちている木材や木の実を拾ってくるか、ハンパ材として置いてある木材を切って使えば無料。合板など加工済みの木材は有料ですが、簡単なオブジェ用であれば100円あれば十分な材料が揃います。
ブナセンターには食材加工を楽しめる食工房と粘土をこねて陶芸を楽しめる陶工房も併設されていました。料金は木工房と同じ2時間で大人210円、子供100円です。
食工房ではソーセージ作りやアイスクリーム作りなど、陶工房では形作りから焼き上げまで一通りの作業ができるとのこと。体験好きファミリーキャンパーにはたまりません!
ルピック周辺の観光スポット
ルピックにはシャワー設備こそあるものの浴槽や露天風呂はありません。近隣の入浴施設としてはクルマで5分ほどの場所にある「黒松内温泉 ぶなの森」がおすすめ。
北海道キャンピングガイドの巻末に大量に付いているチケットを使うと割引価格入ることができました。我が家がルピックに連泊で滞在したときは2泊とも黒松内温泉に入りに行ったので、これだけでガイドブックの半額程度は元が取れました(^^)
施設内には露天風呂やサウナもあり、大きくはないものの浴槽の大きさも必要十分。もちろん天然温泉です。入浴料とは別に追加料金を払えば岩盤浴や家族風呂もあります。
道の駅くろまつない
黒松内町を代表する飲食スポットといえば、道の駅くろまつない(トワ・ヴェールII)にあるピザの名店「ピザドゥ」を語らないわけにはいきません。
黒松内のフレッシュなモッツァレラチーズやソーセージをたっぷりとのせる生地には全粒粉を使い、天然酵母で発酵熟成させてもっちりとした食感のドイツパン風に仕上げています。
ピザの種類は、常時12種類、サイズはS・M・Lを御用意。
御注文を受けてからその場で一枚ずつ焼き上げるピザは、酪農・畜産の田舎ならではの自慢の逸品です。
ピザドゥで1番人気となっているブルンネンは超ド安定の美味しさ。キャンプ中にも関わらず2日連続でピザドゥに行ってしまい計4枚のピザを食べてみると、なんだかんだでブルンネンが最初におすすめできる1枚かな、と。
個人的には4種類のチーズを使ったクワトロケラーも大好き。普段からピザ屋さんでクワトロフォルマッジを好んで頼む人であれば間違いなく気に入るはず!
ピザドゥは道の駅くろまつないが1号店、道の駅サーモンパーク千歳が2号店。ルピックに行きたい理由の一つとして「ピザドゥで食べてみたいから」という理由があっても全く不思議ではないほどのクオリティです。
店内から見えるのは一面の緑。道の駅くろまつないにはパークゴルフ場が隣接しており家族連れや老夫婦などが楽しんでいました。ピザやコーラを片手に眺める景色が最高の場所です。
ヴィラ ルピシア
ルピックは全国的にも知名度の高い観光地であるニセコやルスツリゾートにもほど近く、キャンプ場を出て気軽に出かけることができます。
蘭越町を通り抜け片道1時間程度で到着するニセコ周辺で、各種アクティビティや買い物巡りをするとき立ち寄りたいのが倶知安町にある「ヴィラ ルピシア」。
ヴィラルピシアは店名の通り、全国各地のショッピングモールなどで世界のお茶を数多く取り扱う「ルピシア」の運営する施設。ハムやソーセージなどの加工食品、焼き立てパンやお惣菜、スイーツなどを取り揃えたレストランです。
まとめ
黒松内の魅力がいっぱい詰まった歌才オートキャンプ場ルピックは、高規格キャンプ場らしく高いレベルで全てが整った場内と開放的な雰囲気が高度に融合!
隣接するブナセンターで木工細工に没頭したり、ピザドゥで美味しいピザを堪能したり、黒松内温泉でゆっくり体と心を休めたり、思い思いのスタイルを実現することができそうです。
オートリゾート滝野や苫小牧アルテンと比べ全国的な知名度は高くないものの、驚くほどの静寂に包まれた場内の美しさは相当気に入りました。またいつか行ける機会を夢見てます(^^)